大雨のなか、やっとの思いで劇場につくと、キャトルレーヴも劇場内レストランも初日を待ちわびた人で賑わっていました。
午前中に報道陣を集めた舞台稽古が行われ、午後ぶじに初日の幕が上がりました。
星組「1789」初日感想
1789階段降り
詩ちづる(エトワール)
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天飛華音、小桜ほのか、碧海さりお
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有沙瞳、天華えま
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極美慎
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暁千星
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瀬央ゆりあ
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舞空瞳(大羽根)
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礼真琴(特大羽根)
エトワールの詩さんは緊張していたものの、高音も伸びやかでステキでした。
極美慎さんは初単独降りですね。おめでとうございます。
フィナーレ
歌唱指導の瀬央さんがせり上がってスポットを浴びた瞬間、客席から万雷の拍手。
ピンクのキラキラの衣装を身にまとい、劇中では見られなかった優しい笑顔がステキでした。
歌唱指導のあとはロケット→礼真琴さん&娘役→男役群舞→瀬央さん中心の男役ダンス→デュエットダンス→パレードと、オーソドックスな構成。
デュエットダンスは礼真琴さんと舞空瞳さんにしてはゆったりとした振りです。
だけど、ところどころアクセントをピリッと効かせてメリハリをつけて踊っているのが『ことなこ』らしい。
1789あらすじと所感
礼さんのご挨拶にもありましたように、星組生+輝月さん全員で初日を迎えられて本当に良かったです。
初日ならではのハプニング(マイク入らない、舞台奥で大きな音、衣装のパーツがとれる‥)もありましたが、そんなことは全く気にならないくらい星組の情熱がほとばしる素晴らしい公演でした。
中止になってしまうのではと心配していた客席降りも予定どおり2回(ロナン&オランプ、民衆)あり、礼さんは「お客様を近くに感じられ嬉しかったです」と。
『1789』は、もはや宝塚ファンには説明のいらないフランス革命のお話です。
実在の人物とオリジナルの人物が織り交ぜられ、1789年に起きた革命を平民側からと王宮側からを同時に描いた良くできた作品だと思います。
ひとくちに平民側、貴族側と言っても、それぞれに身分の差や立場のちがいによる人間ドラマがあるのが面白い。
アチア氏の素晴らしい音楽がストーリーを盛り上げ、民衆の魂の叫びを表したボディパーカッションに胸が熱くなりました。
キャストごと感想
アチア氏に「1789のロナンをやらせてほしい」と熱弁を振るったくらいロナンという役に惚れ込んた礼さん。かつてないほど気合が入ってます。
大汗をかいて全身全霊で歌いあげるナンバーもダイナミックなダンスも、それはそれは素晴らしかったです。
貧しい村で生まれたロナンは、反骨精神や理想に向かう情熱はあるものの、同じ志をもった仲間(ロベスピエールやダントン)に対して身分の違いに苦しみます。
『歴史に名を残さないイチ青年』が主役という難しさ。
それを礼さんはロナンが現実に存在していたかのような説得力をもって演じていて、それゆえラストはあっけなくて切ない。
ヒロインがオランプになったことで番手の違和感がなくなり、ストーリーに没頭できました。
舞空瞳さんは芯が強く勇敢なオランプがとてもお似合い。
コメディのセンスも良くて、オランプを追いかけ回すラマール(碧海)たちとのやり取りで客席を沸かせていました。
礼さんと1作別箱で離れてからの再会ということで、コンビのステキ度がさらに増したように思います。
(にしてもロナンとオランプって、2回会っただけで命がけの愛に発展するのは急すぎるような。でもそこは小池先生のことばを借りるなら「堅苦しく考えないで」でしょうか。笑)
デムーランの暁千星さんは初演でフェルゼンを演じていますし、星組にきて『赤と黒』でフレンチロックを経験済み。
歌でもダンスでもしっかり若手を率いて、情にあつく仲間思いで革命に燃えるデムーランを好演。
極美慎さんの成長スピードがすごい。歌や芝居もさることながら、気持ちが強くなりましたね。
2幕の見せ場(ソロでボディパーカッション)は、並々ならぬ気合がかんじられ心揺さぶられました。
悪役を一手に引き受ける瀬央ゆりあさんの存在感。
ルイ16世を巧みにあやつり死に追いやる弟アルトワを、これでもかというくらい憎憎しく演じていていました。
星組ラストなのに組子たちとあまり絡まないのは残念。
アントワネットの有沙瞳さんのドレスがどれも豪華で眼福です。
舞台全体をつかったルーレットドレスが登場したときは客席からどよめきが起こりました。ドレスに負けない迫力ある歌は圧巻。
フェルゼンへの恋心、子供を失う母の苦しみ、王妃としての決断‥どのお芝居も素晴らしく、最後に良い役にめぐりあえてよかったですね。
と、ここで力尽きてしまいました。すみません。明日も観劇予定ですので、初日との違いや感想(つづき)をお届けしたいと思います。
【追記】残念なことに6月3日から8日までの公演中止が発表されました。