星組『1789』新人公演配信視聴しました。
大劇場の新公は中止になってしまったので、ぶじに上演されて本当に良かったです。
たった1回きりにかけるエネルギーとパワーが爆発した熱い熱い新人公演でした。
稀惺 かずと・ごあいさつ
稀惺さんのプレッシャーは相当なものだったと思います。初主演にして1本物の大作だし、歌はたくさんあるし、大劇場は中止になって1回きりだし、配信はあるし…
だけど舞台ではそんな様子を見せず堂々とやり遂げた稀惺さんは素晴らしかった。
涙をこらえながらの挨拶も胸を打ちました。
【稀惺かずと ご挨拶】
「本日は新人公演をご観劇くださりありがとうございます。1789という大作で新人公演の主演をさせていただくということ、大きな不安と責任に押しつぶされそうでした。不器用な自分がイヤで何度も逃げ出したくなりました。ですが皆様のおかげと礼さんのあたたかいお言葉があって今日を迎えることができました。そして幕があがると不安がよろこびに変わる瞬間を体験しました。本日は誠にありがとうございました」(ニュアンスです)
全体雑感
新人公演演出は谷貴矢先生が担当。三部会カット、ロナンのソロもオランプのソロもカットとは驚きました。
カット部分をセリフで説明させるのは1本物新公あるあるですが、その量が長すぎず短すぎず丁度よかったので違和感はありませんでした。
アドリブも許されていたようで、銀橋のラマールたちの客席いじりは「生前は星組が贔屓だったにちがいない!」でした。
稀惺さん、詩さん、瑠璃さんら主要キャストのレベルの高さは想像以上でしたし、それぞれが本役とはちがう役作りをしていたので新鮮でした。
少人数とは思えない迫力あるコーラスや群衆ダンスにも感動しきり。全員が一丸となってつくり上げた素晴らしい新人公演でした。
キャストごと感想
ロナン・稀惺かずと(105期)
クセがなく万人にうけるであろう歌と芝居。今回とくにセンスを感じたのは芝居です。自然なセリフ回しと抜群の間の取り方はまさに天性。本役をなぞるのではなく独自のロナンを構築していて初主演にしてこれはスゴイなと。
最初のナンバーこそ力が入りすぎて大丈夫?最後までもつ?と心配しましたが、物語が進むうちに力が抜けて良くなっていきました。お化粧も上手で華やか。
誰もが応援したくなる素直なごあいさつでファンを増やしたのでは。人気も獲得し実力も証明。劇団がこれまで慎重にあげてきた甲斐がありましたね。あと何回新公を取るのか楽しみです。
オランプ・詩ちづる(105期)
舞台のすべてを把握していると言わんばかりに落ち着いていました。稀惺さんとの並びもお似合いでしたし、芝居も声の相性も良かったです。
ほかの星娘たちのような強い押し出しはないものの透明感と清らかさはピカイチ。もう仕上がってますね。将来だれの相手役になるのでしょうか。
アルトワ・紘希柚葉さん(103期)
美しいビジュアルと冷ややかな目線で雰囲気バッチリ。役作りにすこし迷いが見られましたが長の期としてしっかり舞台を引き締めていました。
アントワネット・瑠璃花夏さん(103期)
艷やかな肌がとてもキレイ。息子を亡くす前と後でガラッと雰囲気をかえていたのは流石でした。『すべてを賭けて』はカットだったものの、ラストのナンバーは圧巻。最後の新公でこの役にめぐりあえてよかったですね。
長の期のご挨拶も立派。これからは本公演でも歌ウマの別格路線として活躍が期待されます。
ペイロール・大希颯さん(105期)
本当に新公学年?存在感がスゴイ、色気がスゴイ!これで歌の低音部分が響くようになったら最強ですね。いつ主演が回ってくるのか気になります。
ダントン・碧音斗和さん(104期)
休演されていましたが無事に出演できてよかったです。危なげない芝居運びは流石104期首席。
全キャストのなかで一番本役に寄せた役作りだったのがデムーラン・御剣海さん(104期)。ダンスも上手ですね。
ロベスピエール凰陽さや華さん(106期)とフェルゼン馳琉輝さん(108期)の抜擢組も健闘していました。歌も芝居ものびしろがありこれからに期待。
「夜のプリンセス」を歌い上げたソレーヌ鳳花るりなさん(105期)、元気で快活なシャルロット綾音美蘭さん(104期)、知性がにじみ出るリュシル乙華菜乃さん(106期)ら娘役の配役は天才的にハマっていました。
難易度の高い海外ミュージカルゆえ 新人公演で上演するにはたくさんの苦労があったと思います。
ですが上級生から受け継いだ「やったるぞ精神」で、失敗を恐れず思いきって歌って演じる下級生たちに 胸が熱くなりました。
星組の未来は明るいですね。
新公メンバーのこれからの活躍を楽しみにしています。