花組東京公演『鴛鴦歌合戦/GRAND MIRAGE!』千秋楽を配信視聴しました。
たのしいお芝居と華やかなショー、退団者の立派なご挨拶と柚香さんのあたたかい言葉。
花組生が作り出す夢の世界は本当に素晴らしくて、やっぱり宝塚っていいなと感じた千秋楽でした。
花組『鴛鴦歌合戦/GRAND MIRAGE!』千秋楽に思うこと
『鴛鴦歌合戦』で良かった
そもそも『鴛鴦歌合戦』は某演出家の問題により小柳先生がピンチヒッターを務めた作品でした。
作品が発表されたときには、こんな古い映画のリメイクをなぜ洗練された花組に?柚香さんには洋装でしょ!と不満もありましたが、
普段宝塚を見ない層にも受け入れられ、公演回数を重ねるうちに評判が評判をよんで人気作に。
それだけではなく、この明るく屈託のない人情喜劇が いまの宝塚において どれほどの人の気持ちを癒やしたか。
つくづく『作品のめぐり合わせ』というものを感じました。
それにしても花組さんみんなイキイキしていましたね。
大劇場でもあんなにリアクション大きかったっけ?笑
聖乃さんの「いやじゃ、いやじゃ~」は首振りだけでなく、足バタバタまで増えて笑ってしまいました。
永久輝さんの三枚目はこれが見納めかな。貴重な2番手時代の1作がバカ殿!?と最初はもったいない気がしていましたが、いまとなっては大好きなキャラです。
星風さんはとにかく可愛くて、上級生になったいまでも自然な初初しさが出せるのがスゴイ。「みんな幸せになって良いのよ」は心にジーンと響きました。
そして本日も惚れ惚れするほどカッコよかった礼三郎こと柚香さん。
「裾がはだけて脚が見え、お見苦しい立ち回りもあったと思いますが…」とカテコでお話されましたが、あれは確信犯ですよね?笑
男役の技術を習得するためにどれほどの努力を重ねてきたか、男性と見紛うくらい男らしい脚がその努力を物語っているように思いました。
柚香光は強い!に思う
印象的だったのは和海さんの「れい(柚香)は強い!」という言葉です。
柚香さんは研11という若さで花組のトップとなり、そのトップ人生は波乱万丈。
コロナ禍において何度も公演中止の憂き目にあい、その度に組子ひとりひとりのフォローを行いながら組を導いてきました。
そんな柚香さんの姿を間近で見てきた和海さんだからこそ、「柚香がトップの花組にいられて嬉しい。学年が近いからこそ分かることがあります、柚香はスゴイ!」と。
航琉さんも「柚香は私の10倍くらいの運動量なのにいつも明るく挨拶してくれて嬉しかった」とあたたかい言葉をかけ、柚香さんをウルッとさせる場面も。
長年苦楽を共にした3人を無事に送り出せて柚香さんもホッとしたのではないでしょうか。
あのあと最初に声を発するトップとして注目が集まるなか、柚香さんのごあいさつは全方向に配慮が行き届いた素晴らしいものでした。
柚香「10月3日から5日まで公演を休演致しご心配をおかけしました。お休みを頂戴している間、花組生は心身を整えさせていただきました。お客様には温かな励ましの言葉やお声がけを頂戴いたしまして心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました」
あまりに立派で、これまでたくさんの困難に見舞われ、そのたびに強くならざるを得なかった柚香さんを思うと胸がつまります。
難しい選択だったと思いますが、花組ポーズもできてよかったです。
鳴り止まない拍手に応えて緞帳前に出てきた柚香さんからまたまたステキな言葉が。
柚香「もうキュン!この幸せな気持ちをお伝えする言葉が見つからないのがもどかしいです。頂いた大きな愛を胸に抱いて今夜は眠りにつきたいと思います」
カニ歩きで袖に引っ込むと見せかけて…幕から顔だけだしてニヤリ。いたずらっ子な柚香さん。
照明さんもカメラさんもよくぞあの瞬間を捉えてくださいました。拍手。
いい千秋楽でしたね。
花組のみなさんには別箱の集合日までゆっくり休息をとってもらいたいなと思います。
そして次はいよいよプレサヨナラとなる柚香さんのコンサートと、永久輝さんにとって大きな挑戦となる全ツ、どちらも楽しみにしています。
花男&花娘を体現する航琉さん、和海さん、春妃さんが110周年を前にして退団されるのはとても寂しいですが、
明日からの人生も素晴らしいものでありますようにと心から願っております。