劇団が『外部弁護士による調査チームの報告書について』というコメントを出しました。
そのことについて思うことを記します。(ことばが少しきつめですので読み進めご留意ください)
劇団のコメントに思う
外部弁護士による調査チームの報告書について
これまで劇団の対応に思うところがあっても見守ってきましたし、これからもそうするつもりではいます。
ただ今回 劇団が出したコメントに関しては、えっと、何が言いたいの?というのが本音です。
「このたびの宝塚歌劇団生徒の急逝につきまして、弊団といたしまして大変重く受けとめており、誠実に対応してまいる所存です。また、昨夜、外部弁護士による調査チームより、調査報告書を受領いたしました。調査結果につきましては、今後の改革の方針とあわせて、近日中にお知らせいたします。宝塚歌劇団では、このたびの調査結果ならびに各組・スタッフ等との話し合いを通じて出てきた課題に対して真摯に向き合い、変えていくべきものについては、全力で改革に取り組んでまいります」
けっきょく昨日の遺族側の弁護士による会見を受けて、慌てて調査結果の報告を予告するような内容を出すことにしたんでしょうけど、
具体的な日付もない予告って、このタイミングで出す意味ある?
それにしても ふんわりとした文面ですね。
分けるべき事柄
そもそも調査結果の報告と今後の改革の方針の知らせを同時におこなう必要はないと思います。
なにをそんなに急いでいるの?
またなにかしらの方向へ誘導しようとしていませんか?
『変えていくべきものについては』という文言からも、問題を小さく見積もっているように思えてなりません。
『こと』はもう、劇団という小さな問題ではなく、阪急電鉄と阪神阪急ホールディングスという大きな組織の問題に発展。
いじめやパワハラ、過重労働だけでなく、遺族側の弁護士も首をかしげる『契約』そのものを見直さなければいけない問題です。
世間の注目度
劇団の対応をすべて否定するわけではありませんが、10月7日に行なわれた理事長と企画室長の2つの記者会見は酷かった。
調査する前から「被害者も加害者もないと認識している」と言い切ったのですから。
この会見を見て弁護士に依頼することを決意されたご遺族の心情をおもうと言葉がありません。
そして昨日の遺族側弁護士の会見はNHKでも放送され、劇団の一挙手一投足に世間が目を光らせることとなりました。
そんな中、たとえ公式のホームページであっても発言はより慎重になってしかるべきなのに、またこんな時期尚早な予告をして大丈夫なんでしょうか。
とかげの尻尾切り
宙組の存続は危ういかもしれないと危惧する意見もあろうかと思います。
しかしだからといって組の解体は最終手段であって、全ての責任を追わせて組を解体する『とかげの尻尾切り』になってはいけないと思います。
ひとつの組を解体したところで、また一部の人間を解雇したところで劇団の根本的な問題(過重労働、パワハラ、いじめ)が解決するわけではありませんから。
とはいえ、組を維持するために大量の組替えを行えば 大きな混乱を招くでしょうし、何事もなく公演を再開させるという選択は最悪。
正直なところ、なにが正解かは分かりませんし、万人が納得する解決策なんてないでしょう。
劇団が抱える問題(労働環境、上下関係)は、宙組だけでなく109年の歴史のなかで複雑に絡み合ってできたもの。
だからこそ劇団が短期間で導き出した「改革の方針」って何なんでしょうね。
現段階ではまだ『調査結果の報告』のみに留めておいたほうがいいのでは。
この期に及んでまだ『保身』や『有耶無耶』が見え隠れしている感があって、何を言うのか、何をやるのかまったく読めません。
近日中に発表される『調査結果と今後の改革の方針のお知らせ』が誠実な内容であること、
そして何よりご遺族に誠意のある対応が取られることを願っています。