月組シアタードラマシティ公演「出島小宇宙戦争」観劇感想
待ちに待った鳳月さん主演公演。
二回観た感想を綴りたいと思います。
(ネタバレありです。ご留意ください。)
『出島小宇宙戦争』全体感想
まずは全体の感想から。
オープニングは賑やかな江戸の町。
ド派手な着物に個性的なヘアスタイルの 白雪さん春海さんたち町人の べらぼう口調が テンポよく面白くて、笑っているうちにいつのまにか物語の世界に入り込めました。
江戸と呼ばれていますが 実は地球ではないのですね。ややこしい。
でも、この地球によく似た星や国という設定は あまり重要ではありません。
そして、お待ちかねの鳳月さん演じるカゲヤス登場!
ヴェールスクリーン越しに透けて見える、望遠鏡を担いだカゲヤスがとてもカッコイイのです。(客席盛大な拍手)
そこから暁さん演じるリンゾウとのやり取りに、二人の関係性(兄弟弟子)が見え、今後の展開に期待膨らみます。
風間さん演じるシーボルトの登場シーンでは「♪デジ デジ デジマー」とデジマソング?を歌い、客席も手拍子で盛り上がります。
海乃さん演じる月からのスパイかぐや、光月さん演じる師匠タダタカが登場し、物語に深みが加わると想像しワクワク。
ここまでは良かった。 でも…
みんながタダタカ(光月さん)が描いた地図を手にいれることに躍起になっているのですが、その根本理由が薄く(とってつけたような理由)、ストーリーが進めば進むほど物足りない。
深まっていかない話しに少々モヤモヤしたところで、あっけなくカゲヤスがリンゾウに撃たれて一幕終了。
カゲヤスとリンゾウは幼い頃から共に師匠の教えを受けて育ちますが、リンゾウはカゲヤスが師匠を殺したと勘違いし恨みを抱きます。
でも、心のどこかではリンゾウはカゲヤスを信じている。という設定なのかと思いきや、まさか本当に撃つなんてショック!!
リンゾウが地図を欲する理由も、う~ん。
カゲヤスを殺してまで奪う理由にはならないような…
それは置いておいて、二幕でも地図の奪い合いが続きます。
その合間に恋愛が絡んできますが、ことの発端は、まさかの師匠タダタカ(光月さん)とかぐや(海乃さん)の淡い恋!!
タダタカは自らが作成した地図に、かぐやへの愛のメッセージを入れ、かぐやもそのメッセージを読むために カゲヤスやシーボルトから地図を奪おうとするのです。
この辺りの展開に、正直、少し抵抗がありました。(もちろん光月さん海乃さんの演技はステキです。)
たとえ師匠の死後に出会った二人だとしても、カゲヤスとかぐやは最終的に結ばれないだろうなぁと思っていたら…ビンゴ! (お互いに想いは残してはいますが物理的に離ればなれに。)
ストーリーに恋愛を絡めるなら、カゲヤス(鳳月さん)とリンゾウ(暁さん)とかぐや(海乃さん)の絡みが見たかった~。(個人的願望です。)
そして、肝心の地図の奪い合いも中途半端。
地図の在りかを聞かれた時にカゲヤスが「師匠が眠る場所に~」と暴露しているのに、リンゾウが「いつかお前の地図を奪ってやるからな。」とは これいかに。
師匠が眠る場所に行ったらすぐ手に入るよ!とツッコミそうになりました。(笑)
なにぶん作品への期待値が高かったゆえに… いろいろ言い過ぎましたね。すみません。
さすがは月組の皆さんですから、どの人物もキャラクター濃く、描かれていない側面にまでしっかり作り込んで演じておられますが、
もともと物語の核となる部分がぼやけているので、雰囲気で面白い、雰囲気で楽しい、雰囲気でちょっぴり切ない、雰囲気でちょっぴり感動という 軽いエンターテイメント作品という印象。
男役の幅を更に広げ花組から帰って来た鳳月さん主演で、暁さんや風間さん海乃さん白雪さん光月さんと、芝居達者な人ばかりが出演している作品にしては、少々物足りなさを感じるものではありました。(私の理解力の乏しさゆえの感想です。)
はい、それもフィナーレが始まるとぶっ飛びます。(笑)
海乃さんの芸術的な美しさのスカート裁き。
鳳月さんの男役の美学がつまった一挙手一投足。特に最後のお辞儀の美しさったら。。
この二人のデュエットダンスは美しくしなやかで優しくあたたかく、宝塚の夢の世界そのものですね。
何年も一緒に踊っているかのような安定感。感動的でした。
群舞の暁さんは全ての振りがビシッときまっていて、とてもカッコ良かったです。
バチバチ音が聞こえそうなウインク連発の風間さんは、華やかで素敵でした。
そうです、この素晴らしいフィナーレのおかげで物語の細かいモヤモヤが一気に吹き飛びました。(笑)
最後までお読みくださりありがとうございました。
出演者お一人お一人の感想は、また改めて綴りたいと思います。
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