友の会の入場認証システムに不具合が出て10分遅れでスタートした月組『G.O.A.T』初日。
一瞬ヒヤッとしましたが何ごともなく初日の幕が開いて本当に良かったです。
初日の感想をネタバレありで記しますが、オープニングからアッと驚くしかけがあったり、前情報を入れない方が楽しめるコンサートだと思いますので読み進めご留意ください。(以下長文です)
月城かなとコンサート月組『G.O.A.T』初日感想
制作に1年をかけ、お稽古期間中も誰よりも早く楽屋入りして遅くまで生徒たちと向き合っていたという三井先生。
構成・演出・振付・作詞の四刀流ということもあって気合入ってます。
上演時間は1時間40分と短いものの、パロディあり、宝塚ソングメドレーあり、コントあり、アコースティックコーナーあり、ダンスありと盛り沢山。
前半は大いに笑わせて後半はしっとりと大人な雰囲気で、わたしたちが見たい『月城かなと&月組』を充分堪能させてくれました。(欲をいえば後半もうひと盛り上がりしてほしかったかな)
とつぜん客席も参加させられる場面がありますので心のご準備を!笑
月城かなとの軌跡
まず開演前から音声による組子たちの小芝居が始まり、オープニング映像にうつし出される月城さんが妙にリアルだな~なんて思っていたら、なんと生映像。
そこから月城さんの登場の流れにアッと驚く仕掛けがあって、ハートを鷲掴みにされました。
月城さんの軌跡をたどるコーナーはしんみり感は一切ナシで、面白いことが大好きな月城さんらしくタカスペのパロディ風です。
美雪(海乃)に殴られて気絶したハンサムガイ(鳳月)をブラックジャックが手当したり、突然のポッキー巡査登場!
相変わらずクルックーしか言えない鳩三郎に、ピノコの「アッチョンブリケ」再び。早口でまくしたてるムーランルージュの支配人などなど…客席いちいち爆笑でした。
月城さんの四乃森蒼紫のあまりのカッコよさに客席から「フゥーッ!」と歓声が!剣心(風間)との一騎打ちで四乃森蒼紫が勝っちゃうって、もうなんでもありです。笑
消えた月城さんが客席から登場するという『オーシャンズ11』のような大掛かりなマジックも見どころのひとつですが、内心はケガをしないかヒヤヒヤです。
宝塚メドレー
・キッチュ(月城かなと)
・ジャズマニア(鳳月杏)
・顎で受けなさい(海乃美月)
・アパッショナード(海乃美月)
・ファンシーダンス(風間柚乃)
・Eres mi amor 大切な人(月城かなと)
・私のヴァンパイア(月城かなと)
・Dream Chaser(全員)
このコンサートははじめましての振付家によるシーンが新鮮!
あんなに踊りながら歌う『顎で受けなさい(振付Seishiro先生)』は始めて。息を切らさず歌える海乃さんスゴい。
「月ノ塚音楽学校」&タンゴ
宝塚とは相性の悪い学園モノのコント。
外国人の先生という設定で登場した月城さんがカタコトの日本語を話しはじめたときはどうなるかと思いましたが、脚本がよく練られていたのと、月組の芝居力で楽しく観られました。
風間さんが漢字に弱いヤンキー男子、鳳月さんが機関銃を持ったスケバン女子高生という設定も面白かったです。
月城先生が机をたたくと、その振動で生徒たちがイスから飛び上がる。(吉本新喜劇風)
このやり取りを『日本ではお約束の行動』だと知った月城先生は客席に向かってニヤリ!
はい、客席やらされます。しかも月城先生が満足するまで。笑
で、ここからが月城さんの真骨頂!
生徒ひとりひとりにダンスの素晴らしさを語りながら徐々にムーディーな雰囲気にもっていき、違和感なくタンゴのシーンに誘う芝居の上手さよ。
セーラー服を脱ぐとタンゴの衣装になる娘役たち。(鳳月さんの長い脚と美しい背中は必見。月城さんとの顔の距離チカッ!)
男女の組み合わせがコロコロ変わる三井先生の振付もステキです。
その他・見どころ
客席降りもあり、2階席には娘役さんが来てくれました。
月城さんと海乃さんがメインMCを務めるトークコーナーは日替わりゲストが登場。初日は彩さんと天紫さんがお稽古場のエピソードを披露。
個人的に一番好きだったのが宝塚では珍しいアコースティックコーナーでした。
舞台にバーで使用される高さのあるイスに座って生演奏で歌うというなんとも贅沢な時間。
ペンライトは必須ではありませんが、このシーンでは月城さんピンク、鳳月さんブルー、風間さんグリーン、色分けして盛り上げました。
・ワインディングロード(3人)
・リメンバーミー(風間)
・Your Song?(鳳月)
・空も飛べるはず(月城)
・ABC?(3人)
(セトリあやふやスミマセン)
そして絨毯かと見間違えるほど生地をたっぷりと使った海乃さんのドレスに会場がどよめき、そこからラテンナンバーに突入。
月城さんが『愛遥かに』でしっとりと聴かせたあとは、「チーク・トゥ・チーク」でデュエットダンス。(振付が抜群にかわいい)
ラストは月城さんソロで『銀の龍の背に乗って』からの、アンコールは『シングシングシング』の総踊りで幕。楽しかった~。
副組長から「気品とユーモアにあふれた我らがトップスター月城かなとがご挨拶申し上げます」と紹介されて、「気品とユーモアにあふれる月城かなとです」と笑いを誘う月城さん。
プレサヨナラといってもしんみりせず、最後まで明るい雰囲気で初日の幕を閉じました。