正直感想!宙組「ル・グラン・エスカリエ」

グランエスカリエ 宙組

梅雨入りしたというのに宝塚大劇場周辺はカンカン照り!

真夏のような暑さで、日傘をさして歩くタカラジェンヌの姿をちらほら見かけました。

そしてアツいのは劇場の外だけでありません。

大きな拍手や手拍子で客席が揺れるほどの熱気に包まれた宙組特別公演『ル・グラン・エスカリエ』。

観劇してきましたので感想を記したいと思います。

宙組特別公演『ル・グラン・エスカリエ』感想

歌うまぞろいの宙組

とその前に、宙組の公演を楽しんだからといって昨年起きた悲しい出来事を忘れることはないということ、

そして9ヶ月のブランクがあることは承知していますし、観劇した公演が初日が明けてまだ2日目だということも分かっています。

しかしそこを考慮しすぎず率直な感想を記そうと思いますので、後半は少々辛口であることをご承知おきください。

もちろん特定の生徒だけを責めることや吊るし上げたりはしませんので、そこはご安心を。

開演前、どことなく緊張感がただよう会場に、芹香斗亜さんの開演アナウンスが流れると、今まで聞いたことがないくらい大きな拍手が沸き起こってビックリしました。

それだけ公演再開を待ちわびたファンが多いのでしょう。お隣の人はすでに泣いていました。

幕が上がると赤白青の布で覆われた大階段の中央に芹香さんの姿が。(ここでも爆拍手)

その布が引き抜かれるとトリコロールカラーの衣装をまとった組子たちが姿を現し、どよめきが起こりました。つかみはバッチリの神演出!おみごとです、齋藤先生。

そこから『モン・パリ』→主題歌へと移り、あとは約80分間ノンストップで宝塚の名曲が繰り広げられるわけですが、まぁみんな歌がうまい!

『シナーマン(ノバポサノバ)』でロングトーンを轟かせた芹香さん、『コルドバの光と影』を歌い上げた桜木さんはもちろん、3番羽根を背負い勢いに乗る瑠風輝さんの『まことの愛(ダル・レークの恋)』は絶品でした。

鷹翔千空さんは歌だけでなくダンスでも存在感を出していましたし、バウ初主演のリベンジが決まった風色日向さんもひとりで堂々と銀橋わたり。

トップから5番手までがこんなに歌える組はそうそうないんじゃないかな。

お帰りなさいの亜音有星さん、次世代スターの大路りせさんも随所で見せ場が与えられ大活躍。

『夜霧のモンマルトル』で美声を轟かせたのは、『エクスカリバー』で歌唱力の高さを知らしめた真白悠希さんでした。

娘役もトップの春乃さくらさんはキレイな高音を響かせ、天彩峰里さんは『ソル・エ・マル』で迫力あるソロを。

山吹ひばりさん小春乃さよさん、エトワールの愛未サラさんも大健闘。

カラオケ感

『ル・グラン・エスカリエ』は、たくさんの生徒に出番も見せ場もあるので、9ヶ月ぶりのウォーミングアップ公演として上出来だと思います。

しかし、じっくり見入るような芝居仕立てのシーンも、ホッと息がつけるお茶目なシーンもなく、延々と名曲メドレーがつづくので、比較的はやい段階で飽きてしまったというのが正直な感想です。

新曲も主題歌だけですし、ただひたすらにタカラジェンヌのカラオケを聴いている感があるんですよね。(言い過ぎでしたらすみません)

心配されていた人数の問題はというと、大柄な生徒が多いので60名でも空間がスカスカということもなく気になりませんでした。

それより気になったのは団体芸。

ひとりひとりは無難に、ときにしゃかりきに、個性を出しながら踊っていて魅力的なのですが、いかんせん団体で見せるシーンになるとまとまりがなく締まらない印象。

まだ2日目なのでこれからまとまっていくでしょうけど、もし発言することを恐れて『場面の長』が指導ができない状況であるならば、今後は専科の投入、もしくは組替えなどしてメンバーをシャッフルしないとどうにもならないのではと。

宙組の代名詞である『コーラス』が不揃いなのも気になりました。

小物の扱いや衣装の裾さばき、袖にはけるときの所作なんかはすぐに直せると思いますので、誰か見てあげて。

これからに期待

と、いろいろ気になったことを羅列しましたが、これから回を重ねれば自然と改善されることも多く、印象も変わるでしょうから、あくまで2日目の感想だということをもう一度述べさせてください。

ということで9ヶ月ぶりに観た宙組公演は、舞台に立つ側も客席で見守る側もまだ緊張が溶けず、ぎこちないさが否めない公演ではありました。

がしかし、それでもなんとか前に進もうと懸命にパフォーマンスする宙組生たちと、拍手や手拍子というカタチで舞台に応援を届けようとする客席の熱量は胸に迫るものが。

そして今も尚、公演再開にはいろんな意見があるとは思いますが、とにかく一歩踏み出した宙組。

ショーのみとはいえ、80分も歌って踊ってとてもハードな公演ですので、東京の千秋楽までケガなく完走できることを祈っています。

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