久しぶりの花組公演。
この日は、年配のバスツアーや学生さんの芸術鑑賞が重なり、劇場はいつにも増して賑やかでした。
花組「エンジェリックライ/ジュビリー」感想の感想
『エンジェリックライ』は天使と人間のラブストーリーを軸に物語が展開していくので、ファンタジー要素がつよく好みが分かれるところ。
幕間に学生さんたちの会話を聞いた限り、「ビジュも話も韓ドラのラブコメっぽくて好き」「天使めっちゃカッコイイ〜」「宝塚ってオカンが観るもんやと思とったけど、こんなにおもろかってんな!」と好評のよう。
年配の方々も「もうすぐ行く天国があんなところやったらエエなぁ」「ほんまやな、あんな綺麗な天使が迎えにきてくれたらな」なんて冗談を言いあって楽しそう。劇団のロビーに置いてある公演のチラシを全種類お持ち帰りされていました。笑。
それにしても、こんなに観客の年齢に差がある大規模劇団は宝塚くらいでしょうね。
老若男女、万人が楽しめる作品が求められる演出家って大変!しかも、ただ良い作品をつくればいいというものでもなく、トップや組の特色に合わせた題材選び、スターシステムに則った出番の配分など制限だらけの中で。それが仕事とはいえ、頭が下がります。(日頃文句ばっかり言ってすみません)
ショーも盛り上がりました。
花組カラーのピンクで埋め尽くされた圧巻のオープニングに「ひゃ〜きれ〜い」と感嘆の声がもれ、心なしか花組生たちも嬉しそう。
永久輝せあさんがスカステ番組で、花組に組み替えしてきたときに「上級生から下級生までみんなが振り付けの段階から(キザッたりアピールしたり)花男していてビックリしました」と語られていたように、この日の花男たちも凄かったです。
笑顔で、口半開きで、無表情でさりげなく…ウインクにもいろんなバリエーションがあるんですね。笑。
ラッキーなことに、たけのこ席(1階サイド前方)だったので、銀橋に来るジェンヌさんのウインクの嵐を浴びて大満足!しかも侑輝大弥さんから狙い撃ちで指差しウインクを砲弾されたもんだから心臓止まるかと思いました。
【余談】元雪組OGによると、雪組では個性を出したり観客にウインクアピールするのは「基礎ができてから」という雰囲気があるそうです。
サービス過剰?な客席降り
危うい距離感
客のモラルとキャスト側の過剰なサービスが賛否両論ある『ジュビリー』の客席降り。
この日は他の回のような、立ち見客が通路にまで出てきてくるとか、内側の席の人が立ち上がって身を乗り出してハイタッチを求めるとかは見受けられませんでしたし、
ジェンヌさん側においても、空いている席に座って隣の客の肩に出をまわすとか、通路席の客の髪や頬をなでるとか、立ち見の列に勢いよく突っ込んで悲鳴とか、客の手を叩きまくる〜みたいなこともなかったように思います。
ただ後方席から「うお〜」っとどよめきが聞こえたので、何かしらのワチャワチャはあった模様。
個人的には、2階席との不平等感は気になるものの、多幸感に溢れる客席降りの雰囲気は好きですし、生徒さんにとっても顔を覚えてもらえるチャンスでしょうから、客席降り自体は賛成です。
とはいえ、昨今の観客側からの過剰なアピールや危険な行為はもちろん、タカラジェンヌというより素に近い状態で観客と接する生徒さんを観ると、危うさを感じてしまいます。
遠慮している男性客に 娘役さんがニコッと手を出してハイタッチを促しているのを見ると心がホッコリ。宝塚ではこのくらいの距離がハッピーなのかなと。
凪七瑠海ラストスパート
いよいよあと数日で千秋楽ということで、集大成を迎える凪七瑠海さんに向ける花組生の表情がなんとも言えずグッときます。
正直、連日のハードな公演に加えて凪七さんのサヨナラショーのお稽古もあり、皆さんちょっとお疲れかなという瞬間もありましたので、あと4日、体調に気をつけて駆け抜けてほしいなと思います。
11月10日、凪七さんやファンの皆さん、永久輝さんや花組生にとっても、良き千秋楽となりますように。