昨年宝塚をご卒業された元雪組娘役・野々花ひまりさんが、長田かずさん手掛けるYouTube番組にご出演。
『【初告白】元宝塚(雪組)野々花ひまりが語る「トップ娘役への想い」…そして卒業決断のターニングポイント』
目を引くタイトルもそうですが、ぶっちゃけトークが大きな話題になっています。
野々花ひまりの本音「トップになりたかった」に思う
新公ヒロインをやるか、やらないか
野々花ひまりさんは2013年入団の99期。
新公ヒロイン2回、朝美絢さんの相手役としてバウ&東上ヒロインを、退団年には凪七瑠海さんの相手役として再びバウヒロインを務めた実力派です。
彩風&夢白時代には娘役2番手として活躍し、初舞台を踏んだ作品『ベルサイユのばら』で退団というドラマティックな宝塚人生。
個人的には『双曲線上のカルテ』で演じたクラリーチェ(プライドが邪魔をして素直になれないお嬢様)がとっても好きでした。
『ボニー&クライド』のブランチバロウも良かったです。
11年という娘役としては長い期間活躍された野々花さんですが、下級生時代は歌に苦戦し、成績も悪かったのだとか。
周りに研2や研3でヒロインをやる子がいて、諦めの気持ちもあり、新公ヒロインが回ってこなければ辞めようと決めていたそうです。
「新公をやるかやらないかで7年目以降の人生が全く違うものになりますからね」というインタビュアーの言葉がグサッとささりました。
近年では新公主演をしないでトップになった鳳月さんの例もありますが、それは本当に稀で、男役も娘役も新公主演&ヒロは路線の第一条件には変わりありませんから。
娘役トップから遠のく
結果、新公ヒロイン2回、バウ&東上ヒロインも果たした野々花さん。
もちろん次に目指すはトップなわけですけど、ことばを濁すOGが多いなか、「トップになりたかった」とキッパリ!
そりゃそうですよね。
だけどそのあとに回ってきたのは男勝りな役で、「トップ娘役を目指すのであれば、やりすぎない方がいいのでは」と葛藤する日々。
別格の人物をうまくやればやるほどヒロインから遠のいてしまう宝塚独特の感覚。難しいところですね。
悩んだ末に野々花さんが選んだ道は、 ”役を生きる”であり、 ”トップ娘役になることを意識して役作りを制限しない”でした。
トップ娘役不在の罪
いまだから聞ける貴重なお話しがたくさん。
明るく元気で正直な野々花さんがますます好きになりました。これからも応援しています。
そしてこうやって何年もひたむきに”トップ娘役”を目指していたOGの生の言葉を聞くと、いかに ”トップ不在”が罪なことか。
すでに星組次期トップスターは決まっているでしょうけど、トップ娘役はどうなるんでしょうね。
気になるのは「固定的なトップ娘役は当面の間設けず、作品ごとに配役を行うことで、様々な娘役がそれぞれの個性を発揮し…」の一文です。
けっきょく「阿修羅城の鐘」のヒロインは男役の暁さんでしたし、いつ様々な娘役にチャンスが回ってくるの?
まさか暁千星さんがトップになってからも引き続き相手役(娘役トップ)不在とか?それはやめてよ~。
星組次期トップコンビが同時に発表されることを信じてその日を待ちたいと思います。