経験の差が出た月組バウ『Twinkle Moon』感想

月組のバウ・ワークショップ『Twinkle Moon』観てきました。

良いアイデアだなと思ったのは、出演者が一列に並び、回ごとに出される『お題』に答えながら自己紹介するというもの。

わたしが観た回のお題は「性別が逆になったらやってみたい役は?」でした。

こういうやってみたい系の質問ってハッキリ答えるのをためらったりしますが、性別が逆になると素直になれるんですね。笑

月組バウ『Twinkle Moon』感想

自己紹介がGOOD

「エリザベート」シシィ
「ミーマイ」サリー
「オーシャンズ11」テス
「風と共に去りぬ」レッド
「ロミジュリ」ロミオ
などなど

「ゴールデンリバティ」のジェシーっていう回答にほっこりしたかと思えば、「ベルばら」のフェルゼンを取り巻くおばさまに爆笑させられたり、

もはや役ではなく「わっかのドレスを着たい!」と要望だけを語る人(瑠皇)もいて面白かったです。

ダンスと歌の差

公演の感想としては、月組はダンスが弱いなんて言われていたのはいつの話し?っていうくらい、みんなキレッキレでダンスがうまい!

瑠皇さん七城さんはもちろん、下級生にいたるまでみんながショースターなんですよね。

ストーリー性のある場面でもひとりひとりがしっかりと内容と動きを掘り下げているからか、最後までダレることなく引き込まれ続けたのはさすが芝居の月組っ子。

娘役だけの『リベルタンゴ』や男役群舞も胸アツでした。

がしかしダンス力には目を見張るものがあったものの、顕著に経験が出てしまったのが”歌”でした。

かといって破綻しているような人はおらず、みんな平均点以上の歌唱力なんですけど、ダンスの完成度と比較すると歌は弱く、歌い出した瞬間に”文化祭”感が出てしまうのが残念。

歌ウマと名高い人でも声の線が細かったりするので、おそらくはマイクの乗せ方とか、単純に声量の問題かな。

経験が物を言ったのは歌詞が明瞭で聞き取りやすかった一乃さん、低音から高音までカンペキで迫力満点のシシィ咲彩さん。どんなジャンルの歌をうたっても聴かせる白河さん
そして瑠皇さんのファントムは圧巻でこの日いちばんの大拍手。

・オーバー・ザ・レインボー(彩姫&翔)
・SINGIN’ IN THE RAIN(爽)
・ミー&マイガール(一乃&天つ風)
・My Favorite Things(美海&蘭叶&華羽)
・私が踊る時(和真&咲彩)
・ふたりの男(七城&遙稀)
・Where In The World(瑠皇)
・スピーチレス(白河)

【小声】昨今の”たくさんの人にチャンスを!”という傾向もいいですが、将来を見据えて路線を育てるという意味では、ある程度スターしぼって経験を積ませることが大切なのかなと。

雅耀抜擢と粋なフィナーレ曲

この公演に ”主演者” はいませんが、実質センターを務めたのは、白河さん、瑠皇さんら最年長学年の103期でした。

そして何かと推しだされていたのが雅耀さん(108期)。
まだ低学年なので全体に並んだときは後ろだけれど、歌もダンスも上級生とふたりでガッツリ場面を持たせてもらっていました。

樫畑亜依子先生の演出で心ときめいたのはフィナーレの階段降り。
学年ごとに歌いながら階段を降りてくるのですが、たとえば103期なら『BADDY』というように、”初組子のとき”のショーの主題歌なんです。

そして最後は元月組出身 暁千星さんにトップ祝いの意味があるかないかはわかりませんが、『ブエノスアイレスの風』→『All for One』合唱で幕。

本公演のショーを観たような充実感。ハイタッチもしてもらえましたし、カーテコンコールはなくとも大満足です。

月組の若手からたくさんの元気をもらって劇場をあとにしました。

タイトルとURLをコピーしました