やり過ぎ?宙組 「PRINCE OF LEGEND」感想

ついに幕を開けた新生宙組、桜木みなとさんトップお披露目公演『PRINCE OF LEGEND』。私も大劇場でこの豪華絢爛なプリンス・バトルを堪能してまいりました!

正直、初見の感想は「んん?😳」でした。

クライマックスのあの感動的な戴冠式のシーン!あれを最上級に輝かせるためには、もっと重厚で大人っぽい作品でトップ誕生を祝っても良かったんじゃないか?と、つい長年のヅカファン目線で考えてしまったんです。

ところが!2回、3回と観るうちに、その考えは少し変わりました。

宙組『PRINCE OF LEGEND』感想

全体感想・ゴチャゴチャ

この作品の最優先事項は、間違いなく組子の士気を上げること、そして「新生宙組、ここにあり!」という明るい未来を示すこと。

ゆえに舞台上の宙組生たちが、心から楽しそうにアドリブを飛ばし、弾けるような笑顔で舞台に立っている姿を見たら、「ああ、これで良かったんだ。いや、これが最高だったんだ!」と。

ストーリーの整合性や深さなんて、ひとまず置いておいて、次から次へと繰り出されるイケメン王子の洪水、アドリブ満載のコミカルな場面。それを全員が全力で楽しんでいるからこそ、客席の私たちも笑って、ときめいて、楽しい時間を過ごすことができました。

【余談】さすがに千秋楽のアドリブ10分押しはやり過ぎな気もするけれど。桜木さんがご挨拶を巻いて時間調節していましたね。

キャストごと感想

そして、この王子たちの頂点に立つ、セレブ王子・朱雀奏を演じたのが、宙組10代目トップスター・桜木みなとさん。

「濃い」キャラが多い中で、一見すると無色透明で掴みどころがない主人公は演じるのが非常に難しかったはずです。しかし、そこは桜木さんのキャリアの成せる技。品の良い立ち居振る舞いと人の良さが滲む演技で「選ばれし者」の説得力が舞台全体に満ちていてさすがだなと。クライマックスの戴冠式には思わず涙腺が緩みました。本当にトップ就任おめでとうございます!!その揺るぎない覚悟で宙組を優しく引っ張っていってください!

そして、SNSでも話題沸騰!組替え後初の宙組大劇場公演でヤンキー王子・京極尊人を演じた水美舞斗さん。

”恋に一途で情に厚い兄貴分”という尊人が、水美さんの「熱さと色気」とマッチ。乱暴に見えて弟思いというギャップも最高で、下級生から「兄貴」と慕われているのも良いですね。宙組で新たな魅力を爆発させている水美さんが頼もしい。ヤンキーたちを引き連れてのダンスもめちゃくちゃかっこよかったです。

ヒロインの春乃さくらさん(成瀬果音)は、原作ありきなので、王子たちに振り回されて怒る演技が多かったのは気の毒でしたが、どの王子と並んでも絵になるヒロイン力、!セリフの声も歌声も透明感があって、「モテ期到来の女子」を嫌味なく成立させていて素晴らしかったです。桜木さんと安定感抜群のトップコンビぶりを見せてくれました。

京極竜を演じた泉堂成さんは、兄・尊人(水美)を慕う子犬のような弟キャラが本当に可愛らしい!水美さんとの息ぴったりの兄弟バディは観ていてニヤニヤが止まりませんでした。芝居もダンスも存在感が増し今後の活躍が楽しみ。

そしてTeam 奏の久遠誠一郎(メガネ王子)を演じた大路りせさんは、長身とメガネ姿で知性的な魅力をしっかり見せつつ、奏(桜木)に壁ドンされてオロオロする乙女リアクションで笑わせ、上手い!2回の新公主演を経て得た自信と余裕が、彼女を一層魅力的にしているのでしょう。ついつい目で追ってしまうカッコよさでした。

天彩峰里さんが演じたのは尊人(水美)命のテンション高い王子研究部部長。一見ギョッとするような強烈なキャラを力技で愛すべきキャラクターに昇華させていて、本当に頑張りましたね!

風色日向さん(Team 先生)のナルシスト王子も真面目さと滑稽さが同居していて面白かったです。婚約者(山吹ひばり)との絡みは、随所で笑いを生んでいました。それにしても風色さんの舞台度胸って凄いですよね、もはや貫禄すら漂っています。

鷹翔千空さん(生徒会長王子・葵)も、アドリブで毎回爆笑の渦!やり過ぎくらいが丁度いいを体現していました。【小声】もう機は熟しているからあとは東上の知らせを待つばかりなんですけどね。きよら羽龍さんら生徒会チームの和傘を使ったダンスも美しく印象的でした。

他にも、理事長の愛すみれさんのはっちゃけっぷり、叶ゆうりさんの匂い立つような色気と(惚れてはいけない職業)3Bたちの可笑しさ。そして、おかえりなさいの亜音有星さん、あらたな路線候補となる奈央麗斗さんの活躍など、組子一人一人にスポットが当たっていて、宙組の層の厚さと明るい未来を強く感じました。

休演者が多いのが心配ですが、東京公演も、このポジティブな勢いと楽しさを失うことなく、キラキラと輝きながら駆け抜けてくれることを心から願っています!

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