花組全国ツアー「哀しみのコルドバ」観劇。(S席1階)
初日を観劇された方の多くが「柚香さんのマタドール姿がかっこいい」「花組生のお芝居が熱い」と絶賛されていたので期待に胸ふくらませ席に着きました。
2021年花組「哀しみのコルドバ」全体の感想は、歴代のむせ返るような湿度をおびた色濃い作品ではなく、
樫畑先生の現代的演出により、清潔感が全体をつつみ、とても見やすい作品になっていると感じました。
「哀しみのコルドバ」感想・出演者別
それぞれの役の感想を再演作品につき
ネタバレありで記しますのでご留意ください。
柚香光・エリオ
(ネタバレありです)
冒頭、マタドールとして自信に満ちたすがたは神々しく、マントをさばく音が客席まで聞こえてきて臨場感たっぷり。
仲間に尊敬され、うつくしい婚約者(音)に愛され、富も名誉も手にしたカンペキな男が8年前に別れたエバ(星風)と再会して悲劇的結末をむかえる。
王道メロドラマのような展開なのにドロドロせず、崇高な愛を感じさせられるのは柚香さんの演技力あってこそ。
難しい役ですね、このエリオという役は。
仲間の説得、婚約破棄、決闘。
どんな状況におかれても誠実に相手に接し、筋をとおすエリオ。すべてはエバとの未来のために。
今回、とくに柚香さんの演技力に感嘆したのが、真実を知ったエリオがエバに将来を語るシーン。
この優しくてあやすような言い方が「兄」でした。
なにも知らない妹をまもるために自ら死を覚悟しているのがつたわってきて、嗚咽。。。
演技にウソがない役者とは柚香さんのことを言うのだと納得。どの瞬間もエリオそのもので素晴らしかったです。
花組全国ツアー千秋楽「哀しみのコルドバ / Cool Beast!!」柚香光ごあいさつ
星風まどか・エバ
社交界を取り仕切るほどの貫禄と、愛するエリオの前では少女のような可憐さ。両方の見せ方がうまい。
エリオに会えたよろこびで言葉があふれてとまらないエバの可愛いこと。
そのあとバックハグされた時のうれしそうな顔がほんとうに幸せそうで。
とってもお似合いなふたり。柚香さんと相性のよさを再確認しました。
これから柚香さんの演技の変化とともに星風さんのお芝居もさらに深まっていくのが楽しみです。
永久輝せあ・ロメロ
永久輝さんのロメロが素敵すぎました。
誠実、冷静、なにごとにも彼なりの美学があり、ライバルへの配慮も忘れず、全方向に気づかいが行きとどいている紳士の中の紳士。
プロポーズの言葉が「もうあなたを〇〇(旧姓)と紹介するのに飽きました。」って、照れかくしが可愛すぎて悶絶。
このまま幸せになってほしいと願わずにはいられませんでしたが、そうはいかず。。
理性あるロメロがおもわず感情をあわらにしたのが、エバがエリオへの思いを口にしたとき。
エバをたたいてしまった手以上に心も痛かっただろうな。(感情移入しすぎ?)
そして、エバと自分の呪われた関係を知り絶望するエリオにかける優しい言葉になみだがでました。
この一連の永久輝さんの演技がすばらしいのなんのって。。。
いい役者です、永久輝せあ様。
永久輝せあさんは皆の良いとこ取り♪花組『ダンスオリンピア』感想
音くり寿・アンフェリータ
最高にキュートで明るくかわいらしい女性。
一途にエリオを愛し、すべてを受け入れ身をひく潔さ。
両親に愛情をいっぱいもらって優しく真っすぐ育ったんだろうと想像させる素晴らしい役作り。
歌で心情が表現できる強み。さすが音さん。
聖乃あすか・ロペス
聖乃さんは身分ちがいの恋に突きすすむ青年を好演。
いま最も男役として勢いある聖乃さんには情熱的な恋がよく似合う。
恋におぼれ狂気と悲壮さを感じさせる前半から、すべてをのり越え余生のような暮らしをする後半のおだやかな姿への変貌に涙がでそうになりました。
時間の経過をかんじさせる演技がうまいなぁ。
声のツヤがまして更にステキな歌声に。
「哀しみのコルドバ」感想まとめ
舞台から発せられる演者のパワーに圧倒され、客席の集中力もすごかった。
舞台と客席が一体となるのを感じ、ふかく感動しました。
この感動を千秋楽まで多くのかたに味わっていただきたいです。
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