初見の感想は散々だった
『JAGUAR BEAT』↓
同じく宝塚的挑戦作だった
『BADDY』と『JAGUAR BEAT』の
評価を分けたものは何だったのか
個人的に思うことを記したいと思います。
『BADDY』と『JAGUAR BEAT』挑戦作の明暗
再観劇前に『JAGUAR BEAT』の
NOW ON STAGEを見たのですが、
やはり客席の動揺が舞台にまで伝わっているようで、
礼さん「とんでもないことになりまして…」
舞空さん「客席のみなさんの衝撃が…」
礼さんも客席の反応に戸惑っている様子。
『JAGUAR BEAT』は芝居仕立てで
主要キャストが通し役の挑戦的なショーです。
月組で上演された『BADDY』も
通し役を用いた挑戦的かつ斬新なショーでした。
上田先生によるこのショーは
いまだに根強いファンが多い人気作。
『BADDY』が受け入れられた理由は何だったのでしょうか。
『BADDY』が受け入れられた理由
『BADDY』が多くの人に受け入れられた理由は3つ
①ストーリーの分かりやすさ
②愛されるキャラクターの誕生
③生徒の良さを引き出す演出
①ストーリーの分かりやすさ
宝塚ではめずらしいダークヒーローを主人公に
地球征服という野望
バッディとグッディの駆け引き
ポッキーの切ない片思い
バッディとスィートハートの関係
王子の成長物語…
内容を詰め込んでいるにも関わらず、その全てがわかりやすかったこと。
たとえ途中で脱落したとしても
要所要所でストーリーに引き戻す工夫がされていて、けっして客を置いてけぼりにしなかった。
そして挑戦作でありながら
オープニングからフィナーレまで
ショーの流れは宝塚の王道を守ったことで安心して観られました。
②愛すべきキャラクターの誕生。
豪快なワル男バッディ(珠城)
正義感の強い警官グッディ(愛希)。
いまだキャラが独り歩きしているほど人気のポッキー(月城)。
暁さんの王子は可愛かったですし
輝月さんの宇宙人は最高に面白くて…
他にも魅力的なキャラがたくさん。
ここまで『BADDY』の良いところばかりを書きましたが、この作品も当時賛否両論あったことは事実です。
しかしこのときの上田先生の挑戦があったからこそ、ショーの可能性が広がったと思います。
間違いなく客の意識も変わり
受け入れ態勢万全で迎えた『JAGUAR BEAT』でしたが…
分かりずらいストーリー
チカチカ電飾、ド派手な衣装
爆音の音楽、場面の切り替えなし…
受け入れ許容量を完全にオーバー。
なにより我々をガッカリさせたのは
③生徒の良さが活かされていない演出。
そう、これが『BADDY』との明暗を分けた一番の理由だと思います。
星組のスゴさ
とは言え、星組生は自身の魅力をそれぞれ最大限発揮しています。
星組大劇場デビューした暁さんはイキイキと踊り
セリ上がりで登場する極美さんは堂々として一回り大きく見えます。
瀬央さんの余裕には感心しましたし
舞空さんのキレのいいダンスは見ていて気持ちが良い。
礼さんの歌とダンスは言うまでもなく最高です。
どのシーンも全力で歌いおどる星組生をみると、先生がこの組で何か挑戦したかった理由は分かったような気がします。
久しぶりの観劇で驚いたのは…
客席の拍手と手拍子がバッチリそろっていたこと。
総見だったのかもしれません。
星組ファンのスゴさを目の当たりにして感動しました。
礼さんがNOW ON STAGEで
「客席を巻き込みたい」とおしゃっていましたが
舞台と客席が一体になった瞬間があり良かったなと。
先生の手を離れ
少しづつ変化している『JAGUAR BEAT』
衝撃作には違いありませんが、これからこのショーがどんな風に受け入れられ、終着点を迎えるのか、見届けたいと思います。