前回の『応天の門』の正直感想に引き続き↓
今回はショー『Deep Sea』の全体感想と、話題になっているデュエダンについて記したいと思います。
※2回目観劇後に修正加筆しました
月組『Deep Sea』感想
過去最高に派手なチョンパ
月城さんの開演アナウンス「ダイブッ!!」の声とともに映像はブクブクと水の中に入り客席は真っ暗に。そこはまさしく深海。
と、次の瞬間!!
目の覚めるようなド派手なチョンパに、客席から「おぉ~っ!」とか「うわ~っ!」と歓声にちかい声が。
銀橋に並ぶジェンヌさんたちも客席の反応を楽しんでいるかのようでした。
この驚きと高揚は体験する価値があります。
月組123の充実ぶり
鳳月さんの見せ場はたくさんあるのですが、どれか一つを挙げるなら、やはり月城さんとの濃厚なダンス『秘密の花園』でしょう。
女役も経験豊富な鳳月さんと、『応天の門』では少年役だった月城さんが、ここぞとばかりに放出するアダルトな色気にクラクラ~。
鳳月さんのドレスのスリットからのぞく長~い足、月城さんの片側ちゅるちゅるウェーブも雰囲気があってステキです。
熱~い視線を交わしながら重なり合うように奈落へ沈んでいくお二人は、まさに愛に陶酔する男と女そのもの。
月城さんと鳳月さんの表情をとらえようと客席のオペラが上がる上がる。笑
お二人のダンスを盛り上げるのが、ファルセットが何度もでてくる風間さんの歌です。
おそらく4分以上は歌い続けていたと思います。
【余談】風間さんはお芝居でも難曲が当てられいたので喉のケア大変だろうな。頑張って!
みどころシーン
じつはこのショー、銀橋パラダイスなところがお気に入りです。
入れ替わり立ち代わり少人数でわたるだけでなく、大勢がズラっと並ぶ場面が1回ではありません。毎回テンション上がります。
礼華さんと彩海さん中心の若手のシーンは爆踊り&リフトの大盤振る舞いが楽しいですし、
光月さんや千海さんら退団者のシーンはグッとくるものがありました。
評価分かれるデュエットダンス
月城さんのねっとりと湿度を帯びた『ベサメムーチョ』から始まるフィナーレ。
群舞のつぎは、いよいよ評価(好み)分かれるデュエットダンスに突入!
そう、宝塚の夢々しい雰囲気は皆無のデュエットダンスに衝撃を受けました。
黒の衣装でビシッと決めた月城さんは冷たい表情。黒のキラキラドレスをまとった海乃さんは何かに怒っている印象。
最初から不穏な空気が漂います。
ダンスの振りも激しく『れいうみ』には珍しいデュエダンだな~と見ていると、
月城さんが花道に向かう海乃さんの肩をうしろからドン!
海乃さんがつんのめってヒヤリとなりました。
さらに銀橋のセンター付近で月城さんが海乃さんの手を強くひっぱり銀橋に倒れさせ、えっ!!と動揺する客席(主に私)
月城さんは立ったまま冷ややかに見下ろし、すこし『間』があったあと手をさしだす。
グッと睨みながらその手をつかみ立ち上がった海乃さんは月城さんに体を密着させ、
これで二人がお辞儀してデュエダン終了かと思いきや!!
月城さんが客背に向かってニヤリと不穏な笑みを見せたところでデュエダンの第一章が終了。
で、終わりじゃないの?と客席に緊張が走ります。
ここからさらに瞬きをするのも忘れるくらいお二人の芝居がかったデュエダンに惹きこまれていくのですが、
どんな結末になるのか読めないまま、銀橋で激しいステップを踏みながら本舞台にもどっていき第二章がスタート。
本舞台でも男女のかけひきを思わせるダンスがつづき、海乃さんからまさかのキス!
しかし二人に笑顔はなく、安心するにはまだはやい!と気持ちを引き締めると
こんどは月城さんの方からキスしてEND.
右手で海乃さんの腰を抱き、唇のしずくを拭いながら息を切らしている月城さんが生々しく色っぽいこと。
な~んだ、両想い?という単純なものではなく、
新聞記事によると『デュエットで踊るタンゴは突き飛ばしてはまた絡み合う振り付けに愛憎がにじむ』とのこと。
こじらせすぎじゃありませんか。笑
ハケ際にようやくお二人の素の笑顔が見られホッとしました。
刺激的な振り付けに評価(好み)が分かれそうですが、
演技力のある月城さんと海乃さんだからこそ、ダンスなのに芝居を見ているかのように惹きこまれした。
初見で心の準備ができたので
次回からはどっぷりお二人の愛憎劇を楽しみたいと思います。
【5回目観劇後追記】デュエットダンスの雰囲気が回を重ねるごとにマイルドになっていき、安心して見られる反面、ちょっぴり残念でもあります。
『Deep Sea』は上級生トリデンテ(月城、海乃、鳳月)の魅力が満載。
月組生が作りあげる落ち着きのある上品なラテンショーに大満足です。