雪組「ODYSSEY」観劇してきました。
一幕も二幕もショーという挑戦的な作品。
とにかく明るく楽しいショーで、
踊りまくる組子たちに元気をもらいます。
雪組は上級生から下級生にいたるまで
魅力的なジェンヌさんがいっぱい。
本日は、その中でもとくに光り輝いている
朝美絢さんについて語りたいと思います。
朝美絢について
「ODYSSEY」の朝美さんは、歌って踊って大活躍。
とくに素晴らしいのは
デュエットダンスのカゲソロです。
「♪ Color Of The Wind」
朝月さんが退団を発表されたことで
デュエダンはいつもとは違う特別な空気が流れています。
それを情感たっぷりの歌で盛り上げる朝美さん。
表現力豊かな歌唱に感動し、自然と涙がでました。
朝美さんは、いつの間に
こんな素晴らしい歌手、
素晴らしい表現者になられたのでしょうか。
過去振り返り
思い返せば、朝美さんのここまでの道のりは
平坦なものではありませんでした。
1期上の珠城さんが新公主演を独占していた月組時代。
さあ、つぎは朝美さんか!
と期待されていましたが、暁さんに先を越されてしまいます。
待望の新公初主演は研6「PUCK」でした。
その後、暁さんとバウW主演「A-EN ANOTHER VISION」
組替え前の公演「カルーセル輪舞」で
ポスター入りし、暁さんよりも後に階段を降りてきました。
そして、雪組「ひかりふる路」
ロベスピエール(望海)に傾倒していくサンジュストを、
唯一無二の存在感で演じきり、
雪組大劇場デビューを飾りました。
その後、単独バウ主演を経験し
大きな役を任されるようになると
思わぬ壁にぶつかります。
朝美さんは当時のことを、こう振り返っています。
「『ファントム』のシャンドン伯爵が宝塚らしい二枚目役ということに囚われて、思うように演じられませんでした。そして、もう一つの役(アラン・ショレ)も、もっと出来たハズなのに」
理想と現実のギャップに、悔しい思いをされたそうです。
そして「20世紀号に乗って」では
コメディのお芝居が上手くできず、望海さんに相談したというエピソードも。
その苦悩の先にまわってきたチャンスが
東上主演「ほんものの魔法使い」
真ん中に立つ朝美さんは、自信にあふれ、
堂々としていました。
豊かな声を響かせ、主人公の心情を多彩に表現してみせ、公演は大成功。
ブルーレイ発売も決まり、
『正2番手、朝美絢』を証明した形になりました。
つづく大劇場公演で2番手羽根を背負い
現在の活躍に至ります。
そして、これからまだ見ぬ華々しいゴールに繋がっていくのではないでしょうか。
サービス精神
テレビ番組企画「なりたい顔ランキング」にもランクインするほど、
朝美さんは類まれなる美貌の持ち主です。
テレビの反響はすさまじく、
『宝塚、朝美絢』がトレンド入りし、大きな話題に。
宝塚歌劇の宣伝効果バツグン!
美しい、キレイ、イケメン、美人…
そういう言葉は聞き慣れているでしょう。
美しいと称されることに抵抗を示すジェンヌさんもいるなか、
「なんせこの顔、この器量、モテてモテてしょうがない」
演出家がファン(客)の反応を狙って言わせたセリフを
サービス精神たっぷりにノリノリで言う朝美さんに、客席は大盛り上がりでしたね。
雪組を牽引する存在として
「ODYSSEY」雪祭男子
下級生を引き連れて歌う
アニキ的存在の朝美さんのカッコいいこと。
♪ 熱く燃やせ~、大和の魂~
あんなに涼しいお顔をしているのに
内面は燃えたぎるほど熱い。
そのギャップがたまりません。
ダンスの見せ方も変わったのか
真ん中で踊るときの求心力がスゴイ。
次回大劇場公演「蒼穹の昴」
朝美さんは原作では主人公である春児を演じます。
貧しくツライ少年時代
宦官になる壮絶ないきさつなど
演技力を求められる難役だと予想されます。
そんな春児を朝美さんがどう演じるのか
大いに期待。
ですが、本音を言うと、
そろそろガッツリ恋愛する朝美さんが見たいな。
まだ来年の公演が何かは分かりませんが、
演出の先生、男役・朝美絢を存分に堪能できる役を、どうぞよろしくお願いいたします。
歌ってよし、芝居してよし、踊ってよし、
ビジュアルよしの朝美さん。
彩風さんと共に、雪組を引っ張る大きな存在として、
宝塚と外部をつなぐ架け橋として、
ますますのご活躍たのしみにしています。