初日があいてわずか10日の宙組大劇場公演。
ショー『BAYSIDE STAR』の楽曲の変更が発表されました。
宙組初の生え抜きトップ桜木みなとのお披露目なのに
『海ゆかば』変更&差し替え
問題の『海ゆかば』は、歌詞こそ万葉集(大判家持)に由来しているものの、曲が作られた目的は日中戦争当初に国民の戦意高揚をはかるため。
つづく第二次世界大戦下でも広く歌われたそうです。
「海でも山でも天皇のおそばで◯ぬ覚悟、打ち捨てられても屍になっても構わない」
宙組公演『BAYSIDE STAR』の「海ゆかば」については様々なご意見を頂戴していることを受け、当社において熟考を重ねた結果、本日9月24日の公演より歌唱は行わないこととし、東京宝塚劇場公演においては、楽曲そのものを差し替えて上演いたします。
戦後こそ鎮魂歌としての解釈が広まった曲ではありますが、わざわざこの曲を宝塚歌劇でやらなくても。
先生は座談会で「神戸に海軍の操練所」があったからと説明していますが、お芝居ならまだしも、ショーのワンシーンで伝わるのはこの曲が軍歌のイメージであるということのみ。
単純に ” 観客に夢を見させてなんぼ ” の レビューの表現としてふさわしいのかという疑問もありますし、よりにもよって例の事件があった宙組で扱う曲ではなかったではというのが正直なところです。
生徒の負担
とはいえその楽曲使用に信念を持っているなら説明文を発表して継続すればいいだけのこと。
どういう基準で差し替えという結論に至ったのかは分かりませんが、今回の対応のスピーディーさには何か大きなチカラが働いているのではと勘ぐりたくもなります。
宙組生も大変ですね。
『変更&差し替え』とひとことで言っても、お稽古の負担はもちろん、組内の雰囲気にも影響することは確かですから。
ここに至るまでに何らかのチェックが入っていればと悔やまれます。
そしてファンとして最も憤りを感じるのは、本来なら聴けるはずだった桜木さんの歌が1曲少なくなってしまったということ。
群舞はじめの大階段というトップの醍醐味を味わえるシーン、
東京では楽曲差し替えで歌唱が戻ってくるかもしれませんが、ムラは千秋楽まで『海ゆかば』使用のため歌唱は無しはあまりにも残念。
ブルーレイの収録も東京で行われるでしょうから発売日も遅くなるでしょうね。
宙組の新たな一歩に
宙組初の生え抜きトップ!記念すべき10代目!という華々しいお披露目公演がまさかこんな事態になろうとは。
組の全員が命の大切さを胸に刻み 新たな一歩を踏み出した公演ゆえ残念でなりません。
そんな中で『PRINCE OF LEGEND』が底抜けに明るい作品なのが救いですね。
ひとりひとりがイキイキと舞台に立つ桜木さん率いる新生宙組を心から応援しています。