礼真琴が望んだもの!星組「BIG FISH」感想&月城かなとのサプライズ

ビッグ・フィッシュ 月組

月組東京劇場公演『Eternal Voice/GRANDE Takarazuka110!』と、

星組シアターオーブ公演『BIG FISH』を観るために東京遠征してきました。

月城かなと見納め

月城かなとのサプライズ!

わたしが観た月組公演は、男子高校生の団体観劇で話題となった例の回でした。

女子トイレが男子トイレに変更されたり、自動販売機に異様な行列が出来たり、どこもかしこもワチャワチャと賑やかで、私たち一般客のほうがアウェイな雰囲気。

だって2階席の三分の二が学生で埋め尽くされていましたから。

彼らを意識したのか、観劇の注意事項を説明する劇場スタッフがいつもよりも大声を張り上げて何度も巡回していました。

だけどとってもマナーの良い子ばかりで、お芝居が終わったあとに歴史について先生に質問している生徒もいて感心しました。

そんなステキな彼らに月城さんからサプライズが!

ショーの中詰、客席降りした月城さんが2階席に向かって、

「男子学生の皆さんもご一緒に~!」と煽ると、「うぉ~っ」とどよめく男子学生たち。

その反応を見てニヤリと笑う月城さん。

「ちゃんとやってるか~」って、さっきの丁寧口調はどこへやら!

とつぜん部活の監督みたいに言うから周囲の宝塚ファンは大爆笑でした。

あの大きな瞳を見開きながら学生たちに向けてするエアハイタッチの圧がスゴイのなんの!とっても面白かったです。

彼らにとってこの日の観劇が、宝塚歌劇はもちろん、エンターテイメントに興味を持つきっかけになっったら嬉しいですね。

星組「BIG FISH」観劇

礼真琴が望んだこと

そして翌日の星組『BIG FISH』は元星組トップの紅ゆずるさんと観劇かぶり。

客席の紅さんに向かって はちきれんばかりの笑顔で手を振る礼真琴さんが、とっても可愛かったです。

星組版『BIG FISH』は予想のはるか上をいく素晴らしさで大感動

観劇する前は、公演を観れば舞空瞳さんからバドンを受け継ぐのは詩ちづるさんか小桜ほのかさんか分かるかな?なんて人事のことばかり気になっていましたけど、

そんなことはすっかり忘れてファンタジーの世界に没頭できましたし、見終わったあとには幸福感だけが残りました。

というのも、とにかく礼真琴さんが楽しそうだったんですよね。

青年から老年までをシーンごとに演じ分けて大変なはずなのに、ひとりの人間の人生を演じる喜びを全身から滲ませていて、とにかくイキイキ。

そんな礼さんを見ていると、演技で評価されたかったんだな。いえ、じっくりと男役芝居がしたかったんだなと。

そしてその思いがこの作品で叶ったんだなと。

超一流のシンガー&ダンサーだからこそ

もともと礼さんは受験のときから歌の評価が高く、入団してからすぐCDの選抜メンバーに入れらたり、カゲソロやタカスペをはじめ抜擢され続けてきました。

ダンスも同じで、次から次へと目立つポジションが与えられえ、下級生のころから礼真琴=超一流のシンガーでありダンサーが定着。

もちろんご本人も歌ったり踊ったりすることが好きだと公言しているので、評価されて嬉しかったと思います。

ただね、歌やダンスの評価が高まれば高まるほど、礼さん自身は芝居への思いを強めていったんじゃないかと思うんです。

そりゃあそうですよ。子ども時代にミュージカルに出ていた礼さんが、あえて宝塚に入る選択をしたということは、男役として芝居がしたかったということでしょうから。

いつか『エリザベート』や『ベルサイユのばら』に出演してみたいとおっしゃっていましたし、ザ・宝塚!という作品に憧れがあるのかも。

全然まわってきませんけど、正塚作品や柴田作品もやりたいのかなって。

礼真琴の充実感

で、『BIG FISH』の何が良かったかって、青年から老年までひとりの人生を存分に生き抜き、礼さんの役者魂を満足させるものになったのではなかということ。

新境地というより、もともとあった礼さんの芝居力が本領を発揮したように思います。

とくに息子役である極美慎さんとの芝居の化学反応がスゴかった

器用だけど自分の中ではいろいろ葛藤している礼さんと、無器用だけど真っ向からぶつかるエネルギーは人一倍!な極美さんの本気の芝居は、

互いの内面を引き出し合っているかのようでグッときました。

【余談】詩さん相手だと礼さんがグッと男っぽく見えてステキ。人事は気にならないと言いつつ、やっぱり次期は詩さんかなぁなんてついつい帰りの新幹線で予想してしまうのは宝塚ファンの悲しい性。

もちろん礼さんの歌も堪能しましたよ。大ナンバーもお芝居の延長線上にあって素晴らしかったです。

客がとても集中して見ているのが伝わるのか、カテコの礼さんの充実感に満ちた表情がたまりません。

この作品に出会えて本当に良かったですね。

礼さんが宝塚を卒業するまでにあと何作あるか分かりませんが、演じ甲斐のある作品が充てられることを願っています。

そして本日は『BIG FISH』千秋楽ですね。

礼さん率いる星組生にとっても、劇場で見届けるお客さんにとっても、心に残る最高の千秋楽になりますように。

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