週刊文春より先月末に亡くなられた生徒さんについての記事が出ました。
文春に関してはこれまでもたびたび宝塚の記事が掲載されてきましたが、今回はその中でもとくにショッキングな内容でした。
(以下、つらく悲しい内容含みますので読み進めご留意ください)
宝塚歌劇団 生徒自死による文春報道について
追い詰められる様子が克明に
まずはじめに思うことは、この記事が全部ウソだったらどんなにいいか。
たとえ書かれていることの1割しか事実でないとしても、その1割ですら、目を背けたくなるほどツライ内容です。
亡くなられた生徒さんは新人公演の代表としてみんなをまとめるべく奔走していたそうです。
同期が7人もいる組があるのに彼女の組には3人しかいません。
しかもそのうちの1人は休演していて、実際のところは2人で準備を進めていたのだとか。
驚くべきことに 新人公演では生徒たちだけでポジション(立ち位置)を決めなくてはならないシーンがあり、
下級生から「なぜあの子が?」と不満が続出。その不満は長である彼女に向けられました。
一列でも前に出てパフォーマンスしたいと思うのが舞台人です。
演出家は生徒の自主性を重んじたのかもしれませんが、ポジションを生徒に決めさせるのは揉め事を増やすことに他なりません。
彼女は40名ちかい新公メンバーのフォローをしながら本公演のお稽古もやって、ヘトヘトに疲れたところで上級生からの罵倒。
指導と称した説教は深夜12時過ぎまで及んでいたとか。ほかの上級生は見て見ぬふり。
にわかには信じられませんが、彼女が追いつめられていく様子が克明に記されていて、
われわれが知る宝塚のイメージとはかけ離れた内容にショックを隠しきれません。
退団する人が千秋楽でよく言う「いつもだれかが手を差し伸べ導いてくれました」は、この組には存在しなっかったのでしょうか。
過去の報道について
思い返せば今年の2月、本役の上級生が彼女の額をヘアアイロンでやけどさせたと報道がありました。
劇団は早々に『事実無根』と発表。
ですが報道のあとも文春から「内部の関係者が内情を訴え続けるのはなぜか」という内容の番組が音声として販売され、
組の内部事情について何とかしてほしいと多くの人が訴え続けていたようです。
それもそのはず、今回の記事によると、当時のやけどの件は当事者ですら発言の機会が与えられないまま処理されていたというのですから。
いま思えばこの時点で劇団がしっかり対処していればと口惜しくてなりません。
闇はこれだけにとどまらず、
煮詰まる組環境
組内のグループLINEで、お稽古でミスした下級生に対して上級生たちによる罵りが常習的に行われていたようです。
そこには目を覆いたくなるくらい汚い言葉が並び、これが品格を重んじるタカラジェンヌが発する言葉なのかと愕然としました。
しかもターゲットは順番に変わっていくようで、いつ自分がターゲットになるのか恐怖に怯える日々。
この組は生徒が続々と辞めていくのに組替えで補充されることもなく、新管理職も組内から昇格。
風通しをよくするどころか人間関係は煮詰まる一方。
ターゲットになってしまった下級生にとって過酷な環境だったことは容易に想像できます。
タカラジェンヌのSOS
記事には亡くなられた生徒さんが家族に宛てたメッセージや、家族が関係者に送ったとされる文まで掲載されています。
どれほど辛く苦しかったことでしょう。
心からご冥福をお祈り申し上げます。どうぞ安らかに。
これまで当ブログでは『報道の内容を鵜呑みにするつもりはありません』としてきましたし、それはこれからも変わりません。
実際、今回の記事にも矛盾を感じる部分もありました。
ですが報道内容が全部ウソだと決めつけるのも乱暴だと思います。
閉ざされた世界で『お叱り』と称して下級生を寮のロビーに呼び出して朝まで拘束、
衣装はやぶかれ小道具は隠され、上級生に目におしろいをねじ込まれた人もいる。
もし本当にこんな残酷なことが起こっていたのだとしたら、
記事を通して訴えようとした誰かの心の叫びを今までスルーしてしまったのではないかと怖くなりました。
自ら発信することができないタカラジェンヌのSOSが混じっていたのかもしれないと。
女性だけの劇団を存続させるために
これからも劇団が10代の少女を親元から離して囲い込み、女性だけの劇団を存続させるのであれば改革は必至。
時間がかかっても根本から見直し信頼回復に努めていくしかないと思います。
そして直近、今回のことで傷ついた生徒さんたちのケアと心情に寄り添った対応がなされることを願っています。
心配していた文春第2砲が出てしまいました↓