暁千星さん&詩ちづるさんのトップお披露目公演、前回はお芝居『恋する天動説』の感想を記しましたが↓
今回はショー『DYNAMIC NOVA』をレビューしたいと思います。
ストーリー仕立て?星組『DYNAMIC NOVA』感想
新生星組の幕開けにふさわしい、文字通り「ダイナミック」なショーが誕生しました!
舞台だと実際よりも大きく見える暁千星さんと、物理的に大きい瑠風輝さんの並びの圧よ!(褒めてます!)、ふたりが組子を引き連れておどるシーンは劇場が狭く感じるほどの迫力でした。
暁千星さんの繊細かつ丁寧なダンススキルを軸に、詩(うた)ちづるさんとのフレッシュなコンビネーション、そして瑠風輝さんの重厚な歌唱力がシーンに深みを与えており、組替え経験者トリデンテならではの多彩な魅力が詰まった見応えのあるショーで大満足。
ただ、これから観劇される方に一つだけお伝えしたいアドバイスが。
今作は「ストーリー仕立て」の部分があるのですが、正直に申し上げますと、その筋書きが少々わかりにくい!
冒頭の銀橋でトップコンビが歌う歌詞の中に、このショーの世界観や設定を解く重要なヒントがすべて詰め込まれていますので、ここを聞き逃してしまうと、中盤以降「今、何が起きているの?」と置いてけぼりを食らってしまう可能性が!
まぁざっくり言うと、カップルの痴話喧嘩。暁さんが「まずは肩慣らしに近くの星から見よう!」と言うのに対して、詩さんが「体力があるうちに遠くから!」と意見が割れて別行動…という流れです。
とにかく最初の銀橋は全神経を歌詞に集中させておくことを強くおすすめします!
暁千星&瑠風輝&稀惺 かずと「海王星」
個人的に今回のショーで最も魂を揺さぶられたのが「海王星」の場面です。
瑠風さんの朗々たる歌声に乗せて、暁さんと、女装の稀惺かずとさんが踊る「惑わしのタンゴ」。
稀惺さんの女役はまったく違和感なし!どころか、立ち姿から指先のしなやかな動きまで驚くほど自然で、どこまでも美しい。だからこそ大きな話題にならないのが残念ではありますが、ワンフレーズ歌う場面でも、完全に「女性の声」として響いていて、彼女の持つ技術の高さに脱帽です。
そこに瑠風さんの5分以上にわたる大ナンバーが重なり、耳も目も幸せすぎる贅沢な時間。
そうです、作品全体を通して目を見張ったのが、瑠風さんの存在。
歌に踊りに、今の星組に足りないピースを埋めるかのような、実質2番手以上の大活躍。彼女の安定した歌唱力という「土台」があるからこそ、暁さんが自由に、のびのびと踊り狂えるのだと感じました。ほんと、歌ってよし踊ってよし、娘役だけでなく男役に囲まれても絵になる瑠風さんの頼もしさったら。
そして、暁さんがしなやかさとバネを両立させた重力を感じさせない「動」のダンスだとしたら、瑠風さんは長身を活かしたノーブルでスケール感のある「優雅」なダンス。天飛さんは 重心が低くキレ味鋭い、これぞ星組イズム!な「熱い」ダンス。
毛色の違う三人がぶつかり合い、溶け合うショーは、今の星組でしか観られない面白さがあります。
さらに、若手の勢いを感じさせたのが、銀橋での稀惺さんと大希颯さんの掛け合い!
105期の同期コンビならではの息の合ったハーモニーはもちろん、二人とも新公学年とは思えない歌唱クオリティで、星組の未来は明るいと確信させてくれる頼もしい場面でした。
多幸感あふれるフィナーレと、これからの星組
中詰めのカルナバルでは、お待ちかねの客席降り!
楽曲自体は少し落ち着いたトーンですが、目の前をスターが駆け抜ける高揚感は別格です。
私は運良く、暁さん、瑠風さん、そして天愛るりあさんや天希ほまれさんとハイタッチができ、心の中でガッツポーズ!元気をいただき良い一年になりそうです。
黒燕尾がなく残念という声もありましたが、革ジャンでバチバチにキザる男役たちが最高にカッコいいので個人的には満足。
フィナーレのデュエットダンスは、優雅でありながらもどこか可愛らしい振り付けで、暁さんと詩さんのキャラクターにぴったり。二人が見つめ合うたびに劇場が温かい空気に包まれました。
今回の公演はお芝居とショーのバランスがめちゃくちゃ良いんですよね。
どちらも難しいことを考えずに楽しめる華やかさがあるので、「宝塚を初めて観る!」という人を誘うのにもオススメ。
元旦に好スタートを切った新生星組、公演の成功と組子の健康を心から願っております。