望海風斗さん主演、東宝版『エリザベート』観劇してきました。
じつは昨年、東京で明日海りおさん&井上芳雄さんペアも拝見したのですが、その時の印象とはガラリと変わってびっくり!↓
同じ作品なのに、演じるスターさんの解釈ひとつでここまで世界観が変わるのかと、改めて「エリザ沼」の深さを実感しています。
「思考」の望海vs「衝動」の明日海。正反対の役作りが面白い!
冷静な望海シシィ
望海さんと明日海さんは全然アプローチをするんだろうな~とは予想していましたが、まさかシシィのキャラクターの造形がここまで違うとは驚きでした。
演出の小池修一郎先生が稽古場で「望海のエリザは思考型。先まで見据えた冷静さが特徴」と仰ったそうですが、まさにその通り!
望海さんのシシィは、つねに頭をフル回転させて自分の状況を分析している感じ。
一幕ラストの『私だけに』も、感情が爆発したというよりは、「この過酷な宮廷で生き残るには、自分を貫くしかない」という理性的に自分に言い聞かせせているように見えました。
望海さんは、現役時代から「熱く魂で歌う」イメージがあったので、この冷静で知的なアプローチは新鮮な驚き!
いわずもがな、まったくブレない高音、グランドミュージカルのセンターに立つにふさわしい十分な声量、老年期に向かえば向かうほど本領が発揮される歌唱力は、とにかく圧巻でした。
花組時代にルキーニとしてこの作品を支えていた望海さんが、今、真ん中でエリザベートの人生を生きている。その姿は、宝塚で培った確かな技術と、卒業後に手にした表現者としての自由が見事に融合していて、本当に素晴らしかったです。
感情が動く明日海シシィ
対して明日海さんは、なにかが起こったときに、それを受け止める間もなく瞬時に心と体が反応するような、本能的なシシィ。その場の悲しみや喜びに全身で反応して、ボロボロになりながらも抗う姿が印象的でした。
明日海さんご自身は普段フワッとした穏やかな方なのに、舞台ではあんなに激しく「衝動」で生きるなんて。井上さんが言う「さゆみちゃんは優雅な見た目に反して泥臭いところがある」とおっしゃっていましたが、まさに。
大舞台のライトに負けないオーラのある『美貌』はさすがですね。
お二人とも、ご本人のパブリックイメージとはあえて逆をいくような役作りをされているのが、興味深かったです。
同期(89期)で切磋琢磨してきたお二人が、卒業後にこれほど対照的なシシィを見せてくれるなんて、ファンとしては胸が熱くなりすぎます!
そのほかキャスト感想
そんな「思考する強靭な精神」を持つ望海シシィに対し、古川雄大さんのトート閣下は、まさに氷のように冷たくて美しい。
井上芳雄さんのトートが「抗えない運命」を力強く突きつけてくるタイプだとしたら、古川トートは触れたら最後、体温を吸い取られそうな「美しき死」そのもの。望海さんの「熱い知性」と古川さんの「静かな冷気」がぶつかり合うバランスが絶妙でした!
田代万里生さんのフランツは優等生感たっぷり。歌声の甘さと、シシィを愛しながらもすれ違う不器用さが切ない。涼風真世さんのゾフィの凛とした怖さ。ハプスブルクを守る覚悟が透けて見えて圧倒されました。黒羽麻璃央さんのルキーニは狂気と色気。物語をグイグイ引っ張るエネルギーが凄まじかったです!
止まらない快進撃!お二人の次なるステージへ
さて、「エリザベート」後もお二人の勢いは止まりません!
望海さんは、2026年6月にミュージカル『神経衰弱ぎりぎりの女たち』への主演が決定しています!スペイン映画の名作を舞台化した本作で、望海さんは女優のペパ役を演じられます。和希そらさんとの共演も話題、これは絶対に目が離せない一作になりそうですね。
一方の明日海さんは、2026年5月から大作ミュージカル『レベッカ』に出演。シルヴェスター・リーヴァイによる傑作で、明日海さんは「わたし」役。物語のミステリアスな世界観をどう彩るのか今から期待が高まります。
さらに、2026年2月からは「エリザベート TAKARAZUKA 30th スペシャル・ガラ・コンサート」への出演も予定されているお二人。
宝塚という唯一無二の場所で輝いたお二人が、卒業後もこうして帝劇や各地の劇場で「真ん中」に立ち続け、全く異なる色でファンを魅了してくれること。それは私たちファンにとって、この上ない幸せです。
お二人がこれから切り拓いていく新しい景色を、ひきつづき応援していきたいと思います!