月組『Eternal Voice~消え残る思い~』の新人公演を配信で見ました。
働き方改革とはいえ、新公の開演時間が15時30分って、いったいどれだけの人が観ることが出来たんだろう。
せめて当日限り有効なアーカイブ放送があれば、もっと若手を認知してもらえるのに、なんとももったいない。
という愚痴はさておき、新公の感想へと移ります。
主演コンビ感想・雅耀&乃々れいあ
主演を務めた108期(研3)の雅耀さん。
前回『フリューゲル』では大抜擢された3番手役をパーンと思い切りよくやって、その名を轟かしたわけですけど、研3でトップ退団公演(しかも正塚作品の)主演が決まったときには心底驚きましたし、こりゃあ劇団本気だなと。
で、迎えた本日の新人公演。
この学年(研3)で堂々と正塚芝居をやってのけたこと自体がスゴイ!芝居しているときの表情も良いですし、目線の使い方やゼリフを言う前のちょっとした空気感とか、にじみ出る色気に感じる大スターの片鱗。
初主演ということでシーンによって集中力が高いときとそうでないときがあったり、歌にも課題はありますが、ノープロブレム。
映像ばえするキレイなお顔がとにかく魅力的、かつ、声も良いので、これから経験を積んでいくだけ!(あと2回は主演できるといいですね)
ダンスとか、ちょっと不器用そうなところもあって、それがまたファン心をくすぐるんですよね。ごあいさつは誠実で好感が持てましたし、ますます応援したくなりました。
月城かなとさん、明日海りおさん、霧矢大夢さん、姿月あさとさん、高峰ふぶきさんら、名だたるスターに似ていると言われている雅さん。
もともと持っている素質が素晴らしいうえに伸びしろ無限大!
劇団が(10年後の120周年を見越して)育成しているのも納得の逸材です。
ヒロインの乃々れいあさん(109期)。
12期も上の海乃美月さんに当て書きされた役を、初ヒロインながら落ち着いた芝居で大検討。さすが文化祭ヒロイン経験者。ただ、地声が低めなので歌の高音は出にくいのかな?歌はこれからに期待!若さあふれるムチッとした体にビクトリア調のドレスがよく似合っていましたし、顔も小さくてザ・ヒロイン顔の美人さん。誰とでも合うのが魅力です。
その他のキャスト感想
2番手役の七城雅さん(105期)。
『応天の門』で新公主演を経験しているだけあって、全体を把握しているような余裕を感じました。スーツ姿がカッコよく歌も堂々としたもの。とまぁ、なにもかも卒なくやってのけるからこそ、何かしら独自性を出す次のステップに移行してほしいですね。
と、ここでMVPの発表です!
個人的MVPはエゼキエル(本役・彩りみちる)を演じたきよら羽龍さんに決定!
いや~、エネルギー大爆発の迫力満点の熱演?怪演?スゴかった~。はっちゃけ具合を見る限り、きよらさんにとって転機となるような役になったのかなと。組替えが白紙になったことが今後どう響くかは分かりませんが、この新公に出られたことは良かったんじゃないかな。何度も感謝の気持ちを言葉にする長の期のごあいさつもグッときました。
3番手役の一輝翔琉さんは画面越しで見てもスタイル抜群で、スーツの着こなしもステキ。課題とされているお芝居の表情も良くなってきましたね。1期下の雅さんに先を越されましたが、いずれ主演が回ってきますように。
5番手役の天つ風朱李さんはイケメンでスタイルも良いので早くから注目されていたものの、イマイチ役付きが良くなくてもどかしい思いをしました。が、この新公でいよいよ本領発揮!マクシマスのスカした感じが反抗期のリアル男子そのもので可愛かった~。少し影のあるところも魅力的で、役作り大成功!歌も良し。
あとは翔ゆり愛さんの歌がうまくてもっと聞きたかったのと、フワフワ系かと思いきや、意外と気の強い役が似合っていた花妃舞音さん。そしてゼイン役の槙照斗さん、ジェームズ役の真弘蓮さん、メアリー・スチュアート役の咲彩いちごさんら安心安定の実力派が作品を底上げしていました。
さすが芝居の月組
新公メンバーだけで正塚作品を成立させてしまうなんて、さすがは芝居の月組。しかもたった1回の新公でここまで見応えのあるものに仕上げてきているところが素晴らしかったです。
とはいえ、歌になると途端に新公味がでたり、スーツやドレスの着こなしなど、課題も浮き彫りになったように思います。
さて月城政権から鳳月政権に移行する月組。
大劇場公演が年間8公演になることによって新公主演のチャンスが減ったわけですけど、
105期・七城雅
107期・一輝翔琉、天つ風朱李
108期・雅耀
109期・翔ゆり愛
路線候補がひしめく月組において、だれが鳳月杏さんのトップお披露目公演の主演を射止めるのか注目したいと思います。
と、その前に、まずば本日大健闘した新公メンバーの明日からの活躍を楽しみにしています。