宝塚ファンよりもゲームファンの間で話題沸騰の『悪魔城ドラキュラ』観てきました。
ゲーム未経験でも十分に楽しめる内容で一安心。(以下ネタバレありで感想記しますので読み進めご留意ください)
花組『悪魔城ドラキュラ』感想
盛りだくさんな内容
時代が行ったり来たりするのはややこしいですが、ストーリーは単純明快。
「人間に復讐するのを止めて」という母(朝葉)の遺言を守るため、妻を殺された怒りで復讐に燃える父親(輝月)と対決を繰り返すアルガード(永久輝)は、フランス革命時のパリでバンパイアハンターのマリア(星空)と再会。マリアを本気で愛するうちに、愛する人を失った父の思いを知る。
というのが物語の軸で、そこにバンパイアハンターのリヒター(聖乃)とマリアの姉アネット(美羽)との愛があったり、神官(峰果)やデス(紫門)オルロック(一ノ瀬)など、ドラキュラ(輝月)の復活をもくろむ輩による悪事が描かれています。
内容が盛りだくさんな割には下級生の出番が少なく、天城れいんさん、美空真瑠さんといった路線候補たちですら台詞が無いのは残念。(コウモリ姿のおふたりはとても美しい)
原作にはないフランス革命をもってきたのは宝塚ファンへの配慮でしょうか。
さすがにロベスピエールが出てきたときは「またか」と思ってしまいましたが、退団する羽立さんに歌や見せ場があったのは良かったです。
キャストごと感想・とにかく永久輝せあ
そして個人的に何がそんなに満足度が高かったかと言いますと、とにかく永久輝せあさんがカッコいいのなんのって、最初から最後まで色気大爆発!
ビジュアルの美しさはもちろん、眉間にシワを寄せて三白眼でギロリなんて最高過ぎて感動もの。孤独にひとりで耐える ”哀愁”もたまりません。
外見の冷ややかさとは裏腹に、母親の遺言を守る純粋青年というギャップもキュンポイントですし、好きな女性に心を開くのに時間がかかるツンデレ具合も、本気になったら命がけ!みたいな激重愛情表現もキャーッですよ。
自分のマントに星空さんを包みこむとか悶絶級。
【先生へ】ひとつだけ言わせてください。なぜ空飛ぶシーンを映像にしちゃったの?バランスを崩して落ちそうになる星空さんをガシッと抱きかかえる永久輝さんをリアルで見たかった。あそこ映像はダメでしょ。
それと知ってましたが永久輝さんって殺陣がめちゃくちゃ上手い!!これがゲームファンからも支持される理由のひとつではないかしら。
【小声】現段階で永久輝さんの汗が尋常ではないので、これからの暑さ、あの重たい衣装でハードな殺陣はちょっと心配ではあります。
歌もね、どこまでがゲームの曲なのかはわからないけれど、まるですべてオリジナル曲かのように自分のものにしていて流石だなと。ほんと永久輝さんの声好きだわ~。
歌ウマ星空美咲・立派な2番手聖乃あすか
星空美咲さんはとんでもなく可愛い。勝ち気でおっちょこちょいなんだけど一生懸命で応援したくなるマリアはハマり役。バランスの難しいオーバーニーの衣装の着こなしもGOODですし、なにより突然始まるアカペラが上手すぎた。やっぱりシシィは星空さんで見たいな~なんて気が早いでしょうか。
ゲームファンも認めるビジュアル再現度の高さを誇る聖乃あすかさん。短髪&長髪ともにどの角度から見ても美しく、銀橋でムチを振り回すのは相当大変なはずですが簡単そうに見せていて努力の人だなと。出番は多くはないものの殺陣の見せ場もロマンスもあり本領発揮!技術力もスター性も申し分なく安心安定の2番手です。
特殊メイクが話題の紫門ゆりやさん&峰果とわさんらベテラン勢が大活躍。その中でも作品を成功へと導いた立役者はドラキュラ伯爵を演じた輝月ゆうまさんでしょう。妖艶な雰囲気を放っていた希波らいとさんと侑輝大弥さん(女役)からも目が離せない。
ということでみごとにハマった『悪魔城ドラキュラ』。
ショーの感想はまた改めて記すとして、両作品のバランスも良いですし、宝塚ファン、ゲームファンに関わらず一人でも多くの人にこの公演を見ていただきたいなと思います。