宝塚の宝!礼真琴ご卒業に寄せて

ついに令和のトップオブトップ・礼真琴さんが宝塚を去ってしまいましたね。

感動で胸いっぱいの星組千秋楽から一夜明け、まだ少し放心状態ではありますが、礼真琴さんへの想いを綴っていきたいと思います。
(以下長文です)

宝塚の宝・礼真琴の宝塚人生を想う

御曹司の証・スピード出世

首席入団ではやくから注目されていた礼さん

歌どダンスではイキイキと自分を表現していたものの、あのベビーフェイスですからね凄みを出そうと眉間にシワを寄せて憧れの柚希礼音さんの表情を一生懸命にマネをしていたピヨピヨ時代の可愛かったこと。

目指す男役像が明確だったゆえ、その愛らしい顔と演技にコンプレックスを抱き、その後もけっこうな学年になるまで ”理想の男役”と ”自分の男役”とのすり合わせに苦労していた印象。

男役の技術が上がるスピードと抜擢のタイミングが合っていれば、娘役に転向を考えるほど悩みはしなかったのかもしれません。だけど宝塚髄一の歌唱力とダンス力ゆえ目立つ存在である彼女を劇団がほおっておくはずもなく、怒涛の大抜擢。

ファンとしてはその快進撃がとてつもなく気持ちよかったけれど、男役として経験を積みたいときに娘役をやることも多かっただけに、もどかしくもありました。

だって男役で新公主演をする前に海外公演という大舞台で主要な娘役(石繍雲)をやり、研6で『風と共に去りぬ』のスカーレット(しかも全ツヒロイン)に大抜擢されたんですから。

波乱のトップ人生

憧れの人を見送ったあとは、 計算された舞台づくりに長けた北翔海莉さんの下で経験を積み、紅ゆずるさんからは自由に舞台に立つことの素晴らしさを学ぶ日々。

研8~10という男役として伸び盛りのタイミングで、タイプのちがう二人のトップのもとで本格和物やコメディでいろんな役をやって演技の幅が広がったのは良かったと思います。
【余談】個人的にこの時代でいちばん好きな役は、”静”の演技がステキだったフロリアン(『霧深きエルベのほとり』)です。

そして研11という若さでトップ就任が決まり大いに沸いたわけですけど、そのタイミングを狙ったかのような週刊誌報道
【小声】前トップの退団公演中だったこともあり申し訳なさに苦しんだでしょうね。激ヤセした姿を見るのは本当にツラかったですし、事前に何とかしなかったのかと今でも劇団に怒りが込み上げます。

トップになったあともコロナ自身の休養で悔しい思いをされたことでしょう。
【小声】私もそうですが、さよならショーで救われたとはいえ、いまだに1789の映像が見られないファンも多いのではないでしょうか。

トップ時代の作品はというと、思い出再演で盛り上がった『ロミジュリ』で見せたカミソリデュエダンはまさに伝説。 ”これぞ新時代の幕開け”を予感しました。

がしかし、その後の作品はどれも礼さんと星組生のチカラにより良作に昇華してはいたものの、コロナの影響か演出家不足の影響かは分かりませんが、正直、これらが110周年を見据えて育ててきたトップオブトップにあてたラインナップだったとは到底納得がいかないものが続いて…。6年もやって当て書き1本物がゼロなのはいくらんなんでも。

トップ期間は宝塚人生の3分の1

じつに宝塚人生の3分1をトップとして過ごした礼さん。

真ん中に立つ圧倒的な実力とオーラもさることながら、指導者としても素晴らしく、極美慎さん、天飛華音さん、稀惺 かずとさん、大希颯さんの成長っぷり、暁千星さんの覚醒ぶり、そして今の星組の充実ぶりを見るに、その功績は図りしれない。

本来なら海外公演もあったのかなぁ〜なんてファンの欲は留まるところを知りませんが、ポップスと宝塚の名曲が見事に融合した武道館コンサートは礼さんにしかできない素晴らしいものでしたし、『阿修羅城の瞳』で見せた “男役の色気”はまさに集大成。

【余談】礼さんの役のなかで暁千星さんを相手に作り上げた病葉出門が一番好きだと思えたことで、相手役不在やこれまでのモヤモヤが払拭され成仏できました。

いつからだろう、礼さんを見ると涙が出てくるようになったのは。実力ある人が現状に甘んじることなく努力する尊さ、仲間を大切に思う崇高な精神に心が清められるのです。

『宝塚の宝』と称された礼さんのご卒業はとんでもなく寂しいけれど、それと同時に、宝塚から放たれて自由になった彼女のこれからの活躍が楽しみでなりません。

数々の素晴らしい舞台と感動のパフォーマンスをありがとうございました。

礼さんのこれからの人生がより輝かしいものでありますように。心から応援しています。

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