批判覚悟で!宙組「大海賊 / Heat on Beat!」感想

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宙組全国ツアー公演「大海賊 / Heat on Beat!-Evolution-」ライブ中継を観ました。

いつもは自宅で配信派なのですが、本日はどうしても帰宅が間に合わず出先の映画館で鑑賞することに。

宝塚の本拠地がある関西の映画館でも座席は半分もうまっておらず、幕間のWCも空いていて拍子抜けでした。

平日の夕方配信なんてどれだけの人が都合がつくのでしょうか。せめて土日にもう1回配信があれば…

演目が大海賊&Heat on Beatだったワケ

全ツの演目が発表されたときに、なぜよりにもよって今の宙組でバタバタ人が◯ぬ作品をやるのかと疑問がわきましたし、ショーにしても芹香さんや宙組と何の関係もない作品をもってきたことに違和感を覚えました。

だけど公演を観て納得。
どちらも組子にたくさんの見せ場があるんですよね。

『大海賊』は星組で上演した際、当時トップだった北翔海莉さんがオーディション形式を取り入れ、全組子にチャンスを与えて組の士気を上げたというエピソードは有名。

宙組でもオーディションがあったかどうかは分かりませんが、それぞれ配役もハマっていましたし、ところどころ抜擢されたソロもみごとでした。

そして『Heat on Beat!』も当時の月組は ”龍真咲&明日海りお 爆アゲ時代” ゆえ、やたらと若手の出番が多いのもこのショーが選ばれた理由かと。

充実しすぎている宙組路線スターたちに見え場を与えられる作品としてうってつけですから。みんな感動レベルで歌がうまかったですね。

そして次回作で退団することが発表されている芹香さんですが、おそらくコンサートもDSもなしでしょうから、瀬奈じゅんさんのやもめ退団でトップの見せ場が多い『Heat on Beat!』は、劇団から芹香さんへのささやかなプレゼントなのかもしれません。

で、ここからは批判覚悟で感想を語りたいと思います

芹香斗亜を褒めちぎる

というのもあの出来事以降、ちょっとでも芹香さんを褒めようものなら一部の人から強い言葉で批判されるのですが、

芹香さんが素晴らし過ぎたので批判覚悟で褒めちぎります。

いきますよ~。

冒頭の立っている姿だけで分かる揺るぎないトップの貫禄。どこまでも伸びる声が気持ちいいのなんの。かつて望海さんや朝夏さんに歌唱力を心配されていたなんて今となっては信じられませんね。

どの時代の役作りも的確で、衣装やヘアだけでなく、声色や姿勢の変化でフローラル系ぼっちゃんから最後は本当に服や髪から潮風が匂ってきそうなくらい海が似合うワイルドな男になっているんですからアッパレ!とにかくすべての瞬間がカッコいいんですよね。

なんですか、女たちに囲まれてタジタジしていたのに5年後には色気ムンムンで手慣れた感じを出してるの。ベタな方法でエレーヌ(春乃)を船に残したときの別れ際の表情もステキだったし、とにかくキスが上手いのよ!

配慮がステキだなと思ったのは、エレーヌを抱きしめて歌うときに手で春乃さんの耳を覆って音量ガードしてあげていたところ。体制がしんどそうな春乃さんをさり気なく支える場面もありましたね。

そして長尺の殺陣では迫力を保ちつつ衣装が乱れないように動きを調整している余裕っぷり。ここまでくるのにどれほどの努力と年月があったか。

ショーはただただ芹香さんの極められた男役芸に心酔しっぱなしでした。

アカペラからジャズまで難なく歌いこなす歌唱力、指先まで神経が行き届いたダンス。
黒燕尾の裾捌きの美しいこと。芹香さんが真ん中でおどると一気に正統感が増して場面の格が上がるんですよね。
退団発表後ということもあり研ぎ澄まされた感があり、すでにトップ退団公演にただよう神聖な空気を感じました。

2階にも指差しウィンクを送って置いてけぼりにしないのもステキだったな~。

お芝居、ショーともに、「こんな芹香斗亜が見たかった」がやっと叶って大満足の公演となりました。宙組生がみんなイキイキしていたのも良かったですね。

残りの公演も全員元気に舞台を楽しんでほしいなと思います。

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