花組博多座公演観てきました。
あんな事件があった後なので、劇場はピリピリモードかと思いきや!
ショーの前に「ジェンヌに変なことしたらつまみ出すぞ!(意訳)」的なアナウンスが追加された他は、いつもと変わらぬ穏やかであたたかい空気に包まれていました。
花組『マジシャンの憂鬱』感想
初演のトップさんが「再演するほどの作品か?」とツッコんだことが話題になった『マジシャンの憂鬱』。
たしかにツッコミどころは満載でした。笑
妃が亡くなって3年も経つのに殿下がウジウジしているとか、ボディーガードをやるくらいスゴツヨのヒロインが骨を見ただけで「キャーッ」とか、主人公の仲間がぜんぜん活躍しないとか、歌を歌でぶった斬る箇所が多いとか。
だけど、ウソが真実になっていくところが小気味よくて好きですし、やっぱり最後のキュン台詞からのラブシーンが最高!
正塚作品独特のセリフ回しに苦労している人が多い中、永久輝せあさんはさすがのこなれ感。コメディもお上手で、口が達者なうさん臭いマジシャンがハマるハマる。笑。かと思えばウソをつくことへの罪悪感から一瞬にしてシリアスになったり、ここぞという告白のタイミングにドンピシャ決められる雄感!とにかく永久輝さんが最初から最後まで魅力的でしたね。
星空美咲さんは博多座でもセリフの声が明瞭で聞き取りやすい。似合うだろうとは思っていたけれど、やはり芯の強いヒロインがピッタリ。かといって強すぎず、ふと見せる弱いところが可愛くてたまらん。あとで長々と絶賛しますが、またさらに歌が上手くなりましたね。
聖乃あすかさんは、まさしくノーブルで純粋な殿下そのもの!難しい役どころながら笑いもたくさん取っていて、正塚コメディで役の幅が広がった印象。
正塚先生って再演時にシナリオに手を加えないタイプなので諦めてはいましたが、やはり羽立さん、一之瀬さん、侑輝さん、天城さんら主人公の仲間たちは今回もしどころのない役で残念。だけど観ている側に『こんな仲間がいたら良いな』と思わせる彼女たちのあたたかい空気感は良かったです。
で、びっくりしたのがショーですよ!
星空美咲にビックリ!『Jubilee』
星空美咲・エリザベートに期待
本公演で組長が担っていた『戴冠式』の超絶高音域。
博多座では星空さんが担当していると聞き、『あの超高音域のソプラノ歌唱をトップ娘役が!』と、にわかに信じられませんでしたが、実際、劇場中に響き渡る星空さんの高音に驚愕!!
その前の紫門ゆりやさんとのデュエットを含めるとかなり長い時間歌いっぱなしにも関わらず、最後のハイトーンが伸びる伸びる。この実力なら難なくエリザベート(『私だけに』)を歌えるのでは?
次に『エリザベート』をやるのは何組か!これまでも楽しく予想してきましたが、このハイトーンを聴いてからというもの、星空さんのエリザベートが見てみたくなりました。
永久輝さんはVISAガールですし、花組でエリザをやる可能性は高い。
がしかし娘役への御祝儀感が強い作品ゆえ、やるとなると星空さんの進退問題に関わるわけで…
永久輝せあのナイアガラに感無量
博多座まで来た甲斐があったのは、永久輝さんの豪快なナイアガラが見られたことです。
ナイアガラ好きとしては、正直諦めてたんですよね。ただでさえ重い大羽根を背負っているトップさんに、お辞儀と同時にうしろの白いフワフワを前に倒すという重労働をさせるのは酷ですから。
だからもう見られないと思ってましたし、また誰がやってくれたとしても、まさかあんな華奢な永久輝さんがやってくれるとは夢にも。。感無量。
明日も観劇予定ですので、美しい花組を愛で、永久輝さんの生ナイアガラと星空さんのソプラノを存分に浴びてきたいと思います。