雑誌『LEE』のタカラヅカスターインタビューのコーナーに鳳月杏さんが登場!
このコーナーはタカラジェンヌが大切にしている言葉を知るコーナーです。
鳳月さんからどんな言葉が飛び出したのでしょうか。
鳳月杏「ことばの力」
名言づくしの回答
「目の前の言葉の“音”ではなく“思い”に心を傾けられるようになったときに人生はより豊かになる」
「色気とは、一人で出すものではなく、人と人との間に生まれるもの」
「美しさは、その人の意志に宿る」
ひょぇーっ! 鳳月さんって達観しているというか、悟りきっているというか、ほんと人生何回目?
まるで名言集です。
それもそのはず、路線扱いではなかった人が2度の組替えを経て2番手にまで上り詰めたんですから。経験値がちがいます。
何かが乏しかった下級生時代
「自分は楽しいけれど、舞台を通してお見せするには何かが乏しい」と感じた下級生時代。
明日海りおさん主演『春の雪』の洞院宮治典で注目を集めたものの、
研7で回ってきた『ベルサイユのばら』の新人公演でアンドレをやるも主演としてカウントされず。(その後カウントされることもあったり、いまだに扱いは微妙です)
自分の気持ちや思いを伝えるのも表現するのも上手ではなく、その殻をどうやって破ればいいのか悩む日々。
そして100周年の年(2014年)に花組に組み替えしたわけですが…
堂々と舞台に立てるようになった花組時代
鳳月さんは花組時代をこう振り返っています。
「花組で過ごした4年半は自分磨きの時間で、自信がなかった私が堂々と舞台に立てるようになりました」
そう、花組での鳳月さんは月組時代には考えられなかったような抜擢を受けるようになります。
宝塚を代表する作品で役替りを経験し スターとしての経験を積んでいきました。
・『Ernest in Love』アルジャノン(芹香斗亜と役替り)
・『ME AND MY GIRL』ランベスクイーン(水美舞斗と)、ジャッキー(柚香光と)
・『あかねさす紫の花』中大兄皇子(明日海りおと)、天比古(柚香光と)
この頃でしょうか、「いつまでも誰かに憧れていてはいけない。自分がカッコよくならなければ」と自分だけの魅力を探求するようになったというのは。
骨を埋めると思っていた花組から まさかの月組に再組替え。
明日海りおのことば
そのときに明日海さんからかけられた言葉が今の鳳月さんを作っているのだとか。
「舞台ではふてぶてしくていい、でも頭を垂れる稲穂の気持ちは忘れずに」
それまで自信がなく舞台に立っていた鳳月さんにとって『ふてぶてしい』は最高の褒め言葉だったようです。
で、ちなみにこのとき鳳月さんは明日海さんへのメッセージカードに『明日海さんを置いて月組に行くのは心配です』と書いたそう。笑
まさかの月組に再組み替え
2019年に月組に戻ってから珠城さんを送り出し、月城さんの大劇場お披露目で2番手羽根を背負い、名実ともに正2番手となりました。
まさに『宝塚ドリーム』。
路線ではなかった人が2番手になるという快挙を成し遂げた鳳月さんの存在は、多くのタカラジェンヌに希望を与えたのではないでしょうか。
そんな鳳月さんが下級生に伝えたいのは「楽しさやトキメキを大切に」ということ。
自分がここまで続けてこられたのも、辛いとき、苦しいときに背中を押してくれるたのは「舞台が好き」という気持ちがあったからだと。
ドキッとする言葉
高い技術と大人な色気で多くの人を魅了している鳳月さんですが、「男役には終わりがない」と感じる日々なのだとか。
やってもやっても終わりがないだけにどこまで続けるのか考えると気が遠くなってしまうと。
男役の美学や役作りについて18年間も探求し続けている鳳月さんだからこその本音でしょうけれど、進退について注目が集まっているだけにドキッとしますね。
鳳月さんの魅力は成熟された舞台だけでなく、下級生からもOGたちからも好かれるお人柄にもあると思います。
「相手の言葉を聞くときは、今このタイミングでこの人が、この言葉をくれるその意味を考える。それだけで言葉の深みは変わる。そして自分が伝えるときも思いを込める」
ほんと、鳳月さんの人間力たるや!
考え方も言葉のチョイスも伝え方も、すべてが素晴らしい。
次回作『フリューゲル/万華鏡百景色』でまたどんな新しい魅力を見せてくれるのか楽しみにしています。