先日バウホールで生観劇して大感動した聖乃あすかさん主演の「舞姫」↓
本日、千秋楽配信を視聴しました。
聖乃あすか主演・花組バウ「舞姫」千秋楽
植田景子先生の傑作
まずこの素晴らしい公演が今日で終わってしまったことに寂しさを感じています。
森鴎外原作の『舞姫』を主人公の悲恋物語&サクセスストーリーとして美しくまとめた植田先生の傑作。
日本文学と宝塚の相性の良さを知らしめた作品だと思います。
先日、愛音さんをはじめとする初演チームがご観劇で、カテコは大盛り上がりだったそうです。
16年ぶりの再演
ところでなぜ16年も再演しなかったのでしょう。
それはやはり豊太郎という人物は、演じるのが難しすぎるということに尽きると思います。
『留学先で恋仲になった女性を狂わせ帰国の際に捨てしまうエリート青年』
う~ん、共感どころか敵意さえ抱いてしまう男が主演の役だなんて。
ノドの不調をおして
ですが16年越しに選ばれたスター 聖乃あすかはすごかった。
白軍服姿は神々しく 所作も美しい。
豊太郎の育ちの良さや 聡明さが ちょっとした動きだけで伝わってきました。
愛と祖国の狭間で苦悩する『まだ青さが残る青年』をていねいに演じ、実力の高さを見せつけましたね。
さすが花組の御曹司。
さすが100期の御三家(聖乃、風間、極美)。
ですが聖乃さんの声がいつもと違う!
マチネを観劇した友人から『聖乃さんがノドを傷めている』と連絡があり心配していましたが、千秋楽も本調子ではありませんでした。
最初のナンバーからかすれが気になり、音程のコントロールが効かないところもあって…
どうか最後まで声がもってほしいと祈る思いで見守りました。
真彩希帆さんがノドをつぶしてしまったときに「役に入りすぎると声を崩してしまうので冷静になるように心がけている」とおっしゃていましたが、
聖乃さんは真彩さんとは逆に、役に没頭することで後半なんとか耐えたように思います。
公演中はもちろん、カテコでも声のことに一切ふれずにやりきっていましたが、悔しかったでしょうね。
よりにもよって配信がある千秋楽でこんなことになるなんて。
公演回数を重ねるたびに声の伸びが良くなっていただけに心が痛みました。
スカステもこの公演が放送されるのでしょうか。
バウ公演は若手育成の場なので 声の調子が悪いのも ひとつの記録。
ほかに大きなトラブルもなく 素晴らしい公演でしたし、映像の差し替えはないのかな。
願わくば 聖乃さんのノドが好調な公演を放送(&ゆくゆく円盤化)してあげてほしいですね。
膨大なうたとセリフが当てられるのは主演の宿命。
1日2回✖長期公演という過酷な環境で ノドを良い状態でキープしつづけることは本当に大変なことだと思います。
礼真琴さんはトップになったころ、望海さんからノドの状態を維持する方法をいくつか教えてもらったそう。
男役は(不自然に)作り込んだ声なので声帯に負担がかかり状態維持がむずかしいのだとか。
主演する者に与えられた試練。
試行錯誤しながら人それぞれ自分の声帯にあった方法を見つけていくしか道はなさそうです。
『PRINCE OF ROSES-王冠に導かれし男-』『舞姫』
2度のバウを経験した聖乃さん、つぎはいよいよ初東上か!
今回の経験を糧にして、初東上では劇場中にその美声をとどろかせてくれると信じています。
バウチームの皆さん、お疲れ様でした。
最後はみんな笑顔で「舞姫ばんざい!」ができて良かったです。
次回大劇場公演の集合日までゆっくり休んでいただきたいなと思います。