梅田芸術劇場とドラマシティをハシゴしてきました。
宝塚の王道柴田作品と革新的なフレンチロックを一日で味わえる贅沢。
まずは全国ツアーの感想からお届けいたします。
星組全国ツアー感想
『バレンシアの熱い花』感想
「バレンシアの熱い花」超簡単あらすじ
父親を殺されたフェルナンド(凪七)は恋人を取られたロドリーゴ(極美)と妹を殺されたラモン(瀬央)たちと協力し、宿敵ルカノール(朝水)に復讐するが…
命をかけた復讐と結ばれない恋。
『バレンシアの熱い花』は柴田作品にしてはテンポがよく観やすい作品です。
復讐モノって復讐が成功すると軽い印象になってしまうのですが、
この作品は恋の結末にもうひとひねりあって単純な『勧善懲悪』で終わらないもポイント。
それぞれキャストと役がピッタリとハマっていたのも良かったです。
凪七瑠海・フェルナンド
独特の高い声が功を奏し、極美さんたちと同年代の若々しい青年に見えましたよ。
フェルディナンドは許嫁とは別れられないから現地恋人を捨てるというとんでもない男(言い方悪いですね、スミマセン)なのですが、
そんな男に『品格』という宝塚ヴェールをかけて純愛に昇格させる凪七さんの上手さ。
冷静に復讐を進めていく大人な雰囲気もカッコ良かったです。
ショーは凪七さんの優雅さが良い方向に作用しているシーンもあれば、星組生の熱さとパワーとのギャップを感じるシーンもあり、すこしチグハグな印象を受けました。
しかしこれから公演を重ねるごとに馴染んでくるとは思います。
瀬央ゆりあ・ラモン
アニキ的な頼もしさも子分的なかわいらしさも自由自在。
妹を殺されて復讐のためにフェルディナンドの仲間に加わるシリアスなシーンは惹きつけられましたし、
恋人同士に挟まれても席を外そうとしない茶目っ気のあるシーンはクスっと笑わせてくれました。
ほんと、瀬央さんってヒロイン見守り系男子を演じさせたら天下一品ですね。
ショーは凪七さんよりも舞空さんと組む回数が多かったり、パレード前に異例の見せ場があったり、通常の2番手以上の扱いだと感じました。
2番手羽根についてはこちらから↓
極美慎・ロドリーゴ
登場人物の恋はどれも結ばれないのですが、恋人といちばん悲惨な別れ方をするのがロドリーゴです。
しかもその結末をセリフだけで表現しなくてはいけないという、なかなかの難役。
極美さん頑張りすぎるくらい頑張ってましたよ。
うつくしい軍服姿には惚れ惚れしましたし、ショーの歌やダンスも求心力が出てきてよりセンターが似合うようになったと思います。
あとはこの全国ツアーでどれだけファンが増えるかですね。
舞空瞳・イザベラ
愛する人のために分をわきまえ身を引くイザベラ。
舞空さんのイザベラはチャーミングで健気でいじらしくて、とっても良かったです。
学年差のある凪七さん相手だと堅い芝居になるのかなと思っていましたが、意外や意外、その逆でした。
「かわいい、かわいい」と全面的に自分を受け入れてくれる凪七さんのもとでノビノビしている印象。
努力家でがんばり屋の舞空さんにとって力を抜く(自然体)ということはとても難しいことだと思いますし課題でもありましたが、
『芝居の間』を埋めようとせず、その場の空気に無理なく自然体で溶け込んでいて新境地が開かれたなと。
ジプシーの地味な衣装でも自ら発光する圧倒的なヒロイン力、アリアを歌いこなせるほど歌唱力もアップし、
ショーでの王者感は言うまでもありません。もう無双状態ですね。
ゆくゆくはトップオブトップ娘役として劇団を牽引する未来が見えたように思います。
で、こんなに見所満載ですばらしい公演なのに、まさか配信無しなんてことありませんよね?
地方公演のチケット販売促進のために発表を遅らせているだけだ思いますが、ヤキモキさせないで早く発表して~。
本日大阪公演千秋楽をむかえ、これからいよいよ地方公演がはじまります。
ハードな公演ですので健康に気を付けて最終地の博多まで駆け抜けていただきたいなと思います。