『Memories of 有沙瞳』視聴しました。
レースのワンピースに同生地のショールを纏った有沙さんはまさに天女のよう。
白い肌が発光してとても美しかったです。
初舞台、新人公演、組替え、影響を受けた上級生、悩んだ役など…
有沙さんらしく明るくハキハキと、ときに涙を見せながら12年間の歩みをお話されました。
「Memories of 有沙瞳」を見て
まず大劇場千秋楽の日は 寂しさよりも感謝の気持ちが大きかったという有沙さん。
有沙「お花渡しのときにありちゃん(暁)にキレイだよと言われたんですけど、ありちゃんがが本当にカッコよくて~。やっぱり男役さんの近くにいる自分が好きだったんだなって」
有沙さんはこのあと何回も「娘役が好き」という言葉を口にするのですが、これには深い意味がありそうです。
雪組下級生時代
研3のとき『一夢庵風流記 前田慶次』でつかんだ新公初ヒロイン。
当時の新公トークによると、
有沙さんはとにかく緊張症で、両手を上げるシーンでガチガチになり、上級生から「スカイツリーみたい」と言われたのだとか。
与えられる役と自分自身のギャップにもがいた日々。
有沙「相手役だった月城さんには育てていただいたという印象しかありません。お芝居の根本を教えていただきました」
翌年、おふたりはバウ公演『銀二貫』でもコンビを組んでいて、このときの有沙さんの堂々たるヒロインっぷりに驚いたのを覚えています。
そんな逸材を劇団がほっておくわけがなく、星組へと異動になりました。
星組ヒロイン独占
星組にきた有沙さんはヒロインを総なめ。しかしそれゆえ試練もたくさんありました。
研6『スカーレット・ピンパーネル』で憧れのマルグリットを演じたものの高音に苦労したのだとか。
有沙「天華と同期でできたのは嬉しかったけれど、大劇場終わったあとに悔しくて二人で泣きました」
それから6年。『1789』で並んで大階段を降りてくるお二人を見ると胸が熱くなります。
有沙さんはこれまで『恥をかきたくない』という意識がつよく完璧主義者なところがあったそう。
しかし準備万端で挑んだ『ドクトル・ジバゴ』お稽古初日、轟悠さんのオーラに圧倒されて言葉が出てこない事態に!
有沙「轟さんと対等にお芝居をするには自分を強くもっていないと太刀打ちできない」
自身の内面に目を向けるようになった有沙さんのお芝居は このころから深みが増したように思います。
そして役として本気でぶつりあったからこそ瀬央さんとの心の距離が縮まった『龍の宮物語』。
と、ここまでヒロインを総なめしてきた有沙さんですが、突然転機が訪れます。
転機となった作品
『ロミオとジュリエット』の乳母役。
有沙「娘役が好きだったので(乳母役に)飛び込んでいってしまったら再び娘役に戻れるのだろうかと葛藤しました」
初めて回ってきた別格というポジションに戸惑うのも無理はありません。(しかもトップコンビのお披露目で)
【余談】劇団としては有沙さんに別格的な人材(たとえば美穂さんの後継者)になってもらいたい意図があったのかもしれませんが、この役をやったことにより本人は『娘役のままで卒業したい』という意思が固まったのかなと。(個人的主観です)
小池先生のダメ出しが悔しくて頑張った有沙さんは、2年後…
「みごとに乳母を演じてくれた。集大成となるアントワネットは 役と演技者の幸福な出会いです」と先生から称賛されるまでに。
最後に有沙さんが天飛さんのことを語りながら流した涙が印象的でした。
有沙「相手役をステキに見せられる娘役になりたかったので フェルゼンを演じている天飛が褒められると嬉しい」
理想の娘役を目指して努力を重ね、その実力に似合った破格の扱いで華々しく卒業を迎える有沙さん。
星組のみんなに囲まれて笑顔で千秋楽を迎えられますように。