柚香光さんの卒業を前に宝塚の殿堂で開催されている特別企画展『Memories of 柚香光』に行ってきました。
どうせ あと3回は見るだろうからと1回目軽い気持ちで突入したら、
柚香さんがこれまで演じてきた役の衣装がズラリと並べられていて、それを見た瞬間にもう胸がいっぱい。
柚香光の軌跡に思う
いつの時代も圧倒的ビジュアル
ウラジミール(ノクターン)の白ブラウス、ルドルフ(エリザベート)の青軍服、
トート(エリザベート新公)のマント、アラン(ポーの一族)の制服、
ジュリーの黒燕尾(トップ・ハット)などなど…
どの衣装にも公演当時の写真パネルが添えてあって、いつの時代も柚香さんの圧倒的ビジュアルに心奪われてきたなと。
そしてもちろん、ビジュアルだけでなく、繊細なお芝居やセンスの良さが光るダンスにも魅了されてきました。
展示会場の一角には映像ブースが設けられ、『95期の初舞台』から『BE SHINING』まで、柚香さんの舞台の軌跡をたどる映像が流れています。
初舞台口上の柚香さんの声は、いまでは信じられないくらい高くて可愛いかったです。
思い返せば初舞台のラインダンスでひときわ目立っていたのが柚香さんで、首席の礼真琴さんと共に95期の中で最初に名前を覚えたなぁとしみじみ。
代表作『はいからさんが通る』
そして柚香さんを語るうえで欠かせない作品のひとつ『はいからさんが通る』。
柚香さんが演じた役のなかでも特に人気の高い伊集院忍が、とびら3枚分くらいの超特大パネルになって帰ってきたーっ!
そのパネルを見たひとが「スゴーイ」と声をあげずにはいられない美の迫力。一見の価値ありです。
そんなみんな大好き『はいからさんが通る』ですが、
冷静に振り返ると、2番手時代に別箱でやった作品を大劇場お披露目にもってくるなんてと批判があったり、
コロナ禍の公演自粛をもろに受けた試練多き作品でもあったことを思い出すと、今でも心がチクリと痛みます。
華奢な体にのしかかる重圧
そして再び展示されている衣装に目を向けると、
ポスターから抜け出したきた神ビジュアルにハートを射抜かれたオクタヴィウス(アウグストゥス)。
星風まどかさんとのお披露目にして相性の良さを見せつけたクロノスケ(元禄バロックロック。
柚香さんのためにアレンジが加えられたルドルフ(うたかたの恋)。
そして粋でいなせな色男・礼三郎(鴛鴦歌合戦)。
【余談】千秋楽の1週間前くらいになると、展示からサヨナラショーで着用する衣装が消えるそうです。柚香さんは何を歌うのでしょうね。
下級生のころから早期抜擢で努力に努力を重ねてきた柚香さん、
15年間で演じてきた様々な人物はすべて、柚香さんを通してイキイキと舞台に息づいていて魅力的でした。
個人的には『カリスタの海に抱かれて』のナポレオンが、当時のやんちゃな柚香さんとリンクして好きでしたね。
あと芝居の上手さが光った『メサイア』のリノも。
そして衣装をみてあらためて思ったのが、柚香さんってとんでもなく細いということ。
こんな華奢な体でいろんなことを受け止め、組をまとめ、何年もセンターに立ち続けてきたのかと思うと込み上げるものがありました。
退団公演に恵まれて
退団公演でステキな作品&カッコいい役に恵まれて良かったですね。
本日の『アルカンシェル』も涙の熱演にグッときました。
そして終演後のご挨拶では期待を裏切らず、大いに笑わせてくれました。
「本日はイープラス貸切公演をごくぁ△%…✕◯ん△…。あはははははは!!あはははは!」
盛大に噛んで笑ってごまかすチャーミングな柚香さんに客席爆笑。
多彩な魅力を放つステキなステキなスターさん。ほんと退団が惜しいなぁ。
『Memories of 柚香光』は3月24日まで開催。
また次回観劇日に訪れたいと思います。