月組大劇場公演『フリューゲル―君がくれた翼―／万華鏡百景色』千秋楽観劇してきました。
月組『フリューゲル／万華鏡百景色』千秋楽感想
笑顔の退団者
劇場の敷地内には蓮つかささん、蘭尚樹さん、水城あおいさんを見送る白服のファンでごったがえしていました。
開演前から涙ぐんでいる人もいて、これはご挨拶やカテコでどうなってしまうんだろうと思いましたが、
退団者3名も見送る月城さんも清々しく爽やかで、明るい雰囲気の千秋楽になりました。
お姉さん（聖乃あすか）を追いかけて宝塚に入った水城さんは、「大好きな月組で5年間ずっと笑顔で過ごせました」ととびっきりの笑顔。
美弥るりかさんに憧れている蘭さんは美弥さんと同じ紫のお花を持ち、
「『下を向くな、胸を張れ、星が見えなくなる』という言葉に励まされ歩んでまいりました」と、セリフを交えたご挨拶。
退団者の中で最年長の蓮さんはどこまでも明るい。
カテコで「叫びたいので音響さん音量調節よろしくお願いします」と前置きして、
「つきぐみぃ～サイコー！」と美声を轟かせていました。
月城かなとの機転
いつもなら『月組バンザイ！』でジャンプするところを、月城さんの機転で「今日は月組サイコー！でやりましょう」と。
「準備運動はいいですか？」と月城さん自ら振っておいて、みんなが激しめに準備運動を始めると、
「芝居がかってる、芝居の月組だから」とボソッ。面白かったです。
ジャンプの勢いでイヤリングが落ちてしまった組長さんは、両どなりの鳳月さんや風間さんと顔を見合わせて笑っていてとても楽しそうでした。
緞帳前でのご挨拶
月城「ありがとうございます。退団者のみんなも今ごろ緞帳の向こうで笑顔で…汗を拭いていると思います。笑、東京公演もみんな笑顔で務めてまいりますのでよろしくお願いします」
大羽根が緞帳にひっかかって「ひや～っ」と声をあげながらハケる月城さんに笑いが起こりました。
千秋楽アクシデント
『フリューゲル』は、いろんなテーマを盛り込んでいる割には分かりやすくて、
斎藤先生独特の『ギャグを2回言わせる』こと以外は良かったと思います。（チルチルミチルもショーの宣伝も1回でいいような）
今日は2階で観たので盆がグルグル回るベルリンの壁崩壊のシーンは見応えがありました。（2階からだとショーの客席降りで月城さんと蓮さんが抱き合ったのが見えなかったのが残念）
千秋楽の緊張感からでしょうか、セリフが飛んだり、舞台にいるはずの人がいなかったり…
小さなアクシデントはあったものの、全体的にはお芝居もメリハリが効いて良かったです。
『万華鏡百景色』は前半凝りすぎ感がありますが、中詰くらいから芝居感が薄まって力を抜いて見られるのがいいですね。
千秋楽雑感・乱暴な意見に思うこと
ショーを2階から俯瞰して見てみると栗田先生の采配に舌を巻きました。
ショーを芝居仕立てにすることで月城さんの負担が軽減されているように思います。
鳳月さんや若手の出番を多くとり、かといってトップファンが見ても物足りなく感じないように月城さんの出番を調整していてお見事！
そして宝塚でも話題になっている働き方改革。
トップスターの負担を減らすために「公演数を減らせ」とか、「公演期間を長くとって一日二回公演を無くせ」とか、
「もう一組増やせ」いう乱暴な意見を目にしてビックリしたのですが、
公演数を減らすと下級生は経験を積めませんし、チケット代も跳ね上がるでしょう。
要は『トップの出番を調整して負担を軽減しながらも良作を生み出せる演出家』と、
『個人技に走った激しい振りを多様せずとも見応えのあるシーンにできる振付家』が求められているのだと思います。
そういう点でも今回の月組公演はお芝居もショーも余裕があって（着替えや客席降りは暑そうですけど）、千秋楽でもみんなが元気で安心して観られました。
ついにムラ（大劇場）でもフェアウェルパーティーが復活したそうです。
退団者とファンのみなさまが幸せな時間を過ごせますように。
そして東京公演もぶじ完走できることを願ってます。