月組東京公演
『グレート・ギャツビー』千秋楽ライブ配信視聴しました。
芝居の月組ここにあり!を見せつけた素晴らしい公演でした。
月組『グレート・ギャツビー』千秋楽感想
小池先生自ら手掛けた新演出はクラシカルでありつつ洗練されていて、いまの月組にピッタリ。
大劇場公演のときから完成度が高く、東京の千秋楽はどこまでいくのだろうと思っていましたが、
みんなが自分の役を完璧にモノにしていて、ほんとうに役を生きているかのよう。
よくぞここまで。
物語としては後味のいい終わり方ではないのですが、不思議とあたたかい気持ちになりました。
ここ数日、マイクトラブルや車の故障などハプニングが続きましたが、本日はすべてがスムーズに進み安堵しました。
海乃さんが演じるデイジーという役は宝塚の娘役史上もっとも難しい役です。
それを海乃さんは、ギャツビーとトムとの間で揺れるというより、過去の自分と現在の自分の狭間で葛藤する女性としてうまく表現していました。
鳳月さんは、この時代の貴族男性を完全に自分のものにしていて、余裕から生まれる色気の滲ませ方がたまらなく魅力的でした。
フィナーレのジャケットを羽織るスマートさも、さすがです。
月城さんの本音
月城さんは、一瞬の隙もないほど完璧なギャツビーでした。
ハット、ロングコート、たばこ、お酒、足組み…
男役の技がこれでもかと詰まったアイスキャッスルのシーンがしびれるほどカッコ良かったです。
カーテンコールの緞帳前で
「こんなにも自分が演じた役と離れがたいと思ったのは初めてです。そう思える役に出会えたのは一生の宝物」
すべての役は同列というスタンスを取ってきた月城さんの本音にグッときました。
それほどまでに月城さんの思い入れのある『グレート・ギャツビー』を見届けられたことは、わたしにとっても宝物。
しばらくロスが続きそうです。
退団者について
夏月都(88期・研21)
晴音アキ(95期・研14)
佳乃百合香(101期・研8)
月組恒例、同期全員でのお花渡し。
(近年では他組もやるようになりました)
晴音さんに歩み寄る輝月さんと月城さんの微笑ましいやりとりが、カメラに映ってうれしかったです。
夏月さんのご挨拶にグッときました。
「わたしはまだ宝塚を退団することの本当の意味を分かっていないのかもしれません」
これからご本人も月組生もファンも、みんながジワジワ実感していくのでしょうね。寂しくなります。
月城さんご挨拶
月城「宝塚ではほとんどの公演が中止になり、作品や役を深められないまま東京に来てしまい不安もありましたが、お客様からあたたかい拍手をいただけて嬉しかったです」
月城さんも光月さんも東京公演が完走できた喜びと感謝を何度も言葉にされていました。
組を率いる者として、お二人がこれまで感じた、公演中止の悔しさやプレッシャーは計り知れません。
月城「初日は中秋の名月でした。そして明日は満月です。えへへ。ということは、今日はほぼ満月です。ふふっ」
やっぱり最後には、面白いご挨拶で和ませてくれる月城さん。
こういうところでも期待を裏切りません。笑
月城「公演が中止になってしまった時に、3人が『いままでやりきったので悔いはない』と、たぶん私に気をつかって言ってくれたと思います。東京で完走できてよかった」
そうお話しされる間も、月城さんは夏月さんと晴音さんの背中にずっと優しく手を置いていて、あたたかい時間が流れていました。
いよいよ月組ジャンプへ。
英真さんにジャンプの確認をとろうとすると、すかさず大丈夫的なリアクションが返ってきて、敬礼する月城さんが可愛らしかったです。
そして、退団者3名のかけ声で月組ジャンプ!幕。
月組『グレート・ギャツビー』
ムラ組としては大量に公演が中止になってしまい残念でしたが、本日、集大成を見届けられて本当に良かったです。
大劇場2作目にしてスゴイ域に達してしまった月城さん率いる月組が
『ブラックジャック』『ELPIDIO』『応天の門』でどんな新たな魅力を見せてくれるのか楽しみです。