彩風咲奈さんの1stコンサートが決定しましたね。
『no man’s land』
タイトルの意味は『不明確な領域』。
男役でも女優でもない不明確な領域にいる自分自身を客観的に捉えたみごとなタイトル。さすが彩風さんですね。
彩風咲奈1stコンサート『no man’s land』
演出家の名前にビックリ
ゲストは水夏希さんと望海風斗さんということで、仲良し上級生を呼んだというより、『師』のようなおふたりと再び舞台を共にすることで初心にかえる意味が込められているのかな。
やろうと思えば年明けにでも開催できたであろう1stコンサートを退団後7ヶ月も経ってから開催だなんて、準備に準備を重ねて挑むのでしょうね。ストイックな彩風さんらしい。
演出は元宝塚歌劇団演出家の荻田浩一氏なんですね。
荻田氏といえば、在団当時、藤井大介先生や中村一徳先生と並ぶ期待の若手ショー作家でした。
【余談】もちろん芝居作品もありますが、作風が暗くて難解ゆえ賛否が分かれるところ。個人的には月組『A-“R”ex-』はチンプンカンプンで、花組の『マラケシュ-紅の墓標-』は大好きでした。
ショーの代表作は『タランテラ!』『TUXEDO JAZZ』『ソロモンの指輪』でしょうか。
彩風さんはそのなかのひとつ、『ソロモンの指輪』(2008年雪組)に出演されていたんですね。
しかもこの作品を最後に荻田氏が宝塚を去ったのですから、いまから16年も前のことです。
彩風さんから1stコンサート演出のオファーを受けた荻田氏はSNSに思いを投稿。
「来年5月のお仕事。彩風咲奈さんのコンサートに携わります。研2の頃しか知らない彩風くん。16年も前に辞めた演出家を覚えていて下さり、ありがとう。人生は絶えず続いていくけれど、時折り訪れる「新しい一歩」も確実に存在して。そこに立ち会えて光栄ですし幸せです。」荻田浩一Xより
荻田氏は生徒からとても人気が高かったそうです。
有名なエピソードとして、壮一帆さんが雪組から花組に異動して迎えた『TUXEDO JAZZ』初日に、ソロを歌う壮さんの肩に雪(紙吹雪)を降らせたんだそう。なんて粋な。。
荻田氏が宝塚を去った理由は分かりませんが、大和悠河さん、壮一帆さん、朝夏まなとさんら、OGたちが退団後初のコンサートの演出家に荻田氏を指名していることから信頼されていることは確かです。
荻田氏しかり、上田久美子氏しかり、演出家不足に喘ぐ劇団のチカラとなる人たちがすぐ近くにいるのにどうしようもできないもどかしさ。
それにしても劇団は不祥事を起こした演出家たちをどうするんでしょうね。
彼らがいないあいだに急ピッチで若手を育成しているとはいえ大劇場デビューまではまだ時間がかかりますし、後期高齢の演出家を連続登板させるのも限界があるでしょう。
なりふりかまっている場合ではないと思うんですけどね。
とはいえ、どんなに外部で評価されている演出家でも宝塚のスターシステムを理解していない人に任せるわけにはいかないのが現実です。
それなら元演出家たちに単発でお願いしてみてはいかがでしょう。本当に円満退社なら何の問題もないハズ!!
って、そう簡単にはいきませんよね。(またいらんことを書いてしましました)
『不明瞭な領域』にいる彩風咲奈の魅力
さて期待高まる彩風さんの1stコンサート。
アフタートークメンバーは、彩凪翔さん、愛月ひかるさん、舞羽美海さん、綾凰華さんで、和気あいあい楽しそう。
まだ5ヶ月も先ですが、いましか味わえない『不明確な領域』にいる彩風さんの魅力にふれるのを楽しみにしたいと思います。