110年つづく宝塚歌劇の歴史のなかでも、もっとも悲しい出来事があった2023年9月30日。
それから1年が経ったいま、個人的に思うことを記したいと思います。
反省・ブレブレの一年
あの日に戻れたら
亡くなる前日の宙組公演初日で見た彼女の最後の舞台姿。
『PAGAD』での迫真の演技や、『Sky Fantasy』客席降りの可愛らしい笑顔を、毎日のように思い出します。
あの日に戻れたらどんなに良いか。
当初、劇団からは何の発表もないのにテレビのニュースや週刊誌の情報が先走り、ファン界隈がパニックに陥ったこと。
そのあとの劇団の対応の悪さは周知のとおりなので記しませんが、本当にヒドかったですね。
ファンの間でもいろんな意見があって、ぶつかり合ったりして、そこにOGまで絡んできて、もうグチャグチャ。
万博アンバサダーの活動停止、大企業とのコラボ作品上演中止、貸切公演見合わせと厳しい状況がつづいただけでなく、前代未聞の爆破予告。
これから宝塚歌劇はどうなってしまうんだろうと思った時期もありました。
つきまとう罪悪感
そしてなによりこの1年、 わたし自身がブレブレだったなと。
ひとりでも多くの人に宝塚の素晴らしさや、タカラジェンヌの魅力を伝えたいと始めた当ブログ。
宝塚歌劇の良さは生の舞台にあると考え、観劇の感想をたのしく記すことが目的だったはずなのに、
事件後は劇団を批判する記事がつづいたり、あろうことか、生徒個人の責任を問うような内容を記したり。(不快な思いをされた方には大変申し訳なく思っています)
すべての改革が終わるまでは全組の公演をストップさせたほうがいいと思いながらも、
柚香光さんや月城かなとさんの退団公演がぶじに終えられたことに安堵するという矛盾。
過重労働の改善を声高に叫びつつ、心の奥ではタカスペの復活を願うことも、
生徒の負担が軽減されることを望みながらも一刻もはやい組替えを切望しているのもそうですね。
宙組再開についても、メンバーの入れ替えなしに実施されたことに対して疑問をもちながらも、公演を見て感動したのをいいことに、現状維持を受け入れている自分がいました。
そんなときに感じる罪悪感。
もしかしたらいまでも『夢の舞台』や『清く正しく美しく』の裏でツラく苦しんでいる人がいるかもしれないという疑念。
公演が楽しければ楽しいほど何故か悲しいという情緒不安定な時期もあって、何をやってるんだろうと落ち込んだこともありました。
イチファンが出来ること
だけどね、タカラジェンヌが全身全霊を懸けた舞台をみて思うのは、
やっぱりこの唯一無二の世界をひとりでも多くの人に知って感動を味わってもらいたいということ。
この先もブレることがあるかもしれませんが、
タカラジェンヌの幸せと活躍を願う気持ちに変わりはなく、彼女たちを応援し続けたいと思います。
そしてこれからもずっと、
夢を叶えて宝塚の舞台に立ち、キラキラ輝いていたステキな姉妹のことを忘れません。
お姉さん、御冥福をお祈り申し上げます。
妹さん、どうかお健やかに。