劇団演出家として長きにわたり数々の作品を生み出した谷正純先生がお亡くなりになったそうです。
笑って泣いて!谷正純の名作
最高の『夢の世界』の作り手
谷先生は当て書きの名手で生徒に対する愛情が深いという印象。
霧矢大夢さんと蒼乃夕妃さんのお披露目『ジプシー男爵』では、ダンサーコンビのために物語の冒頭に6分間ものダンスシーンで会場を沸かせました。
歌ウマの北翔海莉さんにオペレッタ『こうもり』を、身のこなしが軽やかな水夏希さんには立ち回りの多い『ZORRO』を、コメディエンヌ紅ゆずるさんにはとびっきりハッピーな『ANOTHER WORLD』を当て書きしたのも最高でしたね。
個人的に一番好きな作品は月城かなとさんの『銀二貫』です。
【余談】追悼として来年あたり再演あるといいな。それとタカスペで”谷作品主題歌メドレー”をぜひ!
もう新作が見られないのは寂しいですが、きっとあちらで『冥土歌劇団』なるものが結成されるハズ!なんてね。
最後までこんな楽しい想像をさせてくれるなんて、まさに『夢の世界』の作り手として最高の演出家。
たくさんのステキな作品をありがとうございました。
心よりご冥福をお祈りします。
『阿修羅城の瞳』は礼真琴のリクエスト?
ラスト稽古場情報にて
そしてどんなときも前に進む宝塚歌劇。
順調に星組のお稽古が進んでいるようで何よりです。
礼真琴さんのラスト稽古場情報を見ましたが、組長がとっても寂しそうでしたね。
そりゃあそうですよね、礼さんが初舞台を踏んでから17年間ずっ~と見守ってこられたんですから。
「退団公演でお芝居で絡みがあるのが本当に嬉しい。礼の立ち回りを見てカッコよすぎて涙がでた」と。
で、隙あらば爪痕を残そうと前に出てくる組子たちへの愛情が止まらない礼さん。
朝水りょうさんと蒼舞咲歩さんのやり取りに必死で笑いを堪えているのだとか。
姫でありながら振り切った演技の詩ちづるさん、悪役にチャレンジ中の極美慎さん、その手下で訳アリの天飛華音さん&稀惺かずとさんの話し、
そして最後の相手役となる暁千星さんについては「ありちゃんがね、とってもキレイなんです」とうっとり。
礼さんの楽しそうな様子を見ていると、これまでずっと疑問だだった『なぜ礼真琴ほどの偉大なトップの退団公演が完全オリジナルではなく外部のコラボ作だったのか』というナゾが解けたように思います。
というのも、
礼真琴と新感線
そもそもトップの退団公演はトップ自身が演出家と作品の内容をリクエスト(相談)できるそう。
なので礼さんをよく知り 当て書きを作れる小柳先生でありながら新感線作品だったのは、礼さんのリクエストによるものだったのかなと。
もともと新感線の舞台が好きだと公言されていましたし、男役のうちに新感線の作品に挑戦したかったのかもしれません。
貢献してくれた礼さんのために劇団が交渉を頑張ってくれたと思いたいですし、充実感に満ちている礼さんを見ると、希望が叶ったのなら良かったなと。
だがしかし、”トップ娘役不在”や ”本当はもう1作あったのでは?”というナゾは解けないまま。
まさか最後の最後まで劇団の都合に振り回されたなんてことはありませんように。
ショーは『球上の美しいものを揃えた衣装』で驚かせる登場をしたり、組長がタクシー運転手に扮する摩天楼のシーン、礼さんがイケメン魚で出てくる水族館(中詰)などなど、
前半はすこし心配になるくらいとっ散らかった印象ですが、後半はグッとサヨナラモードに突入する予感。
もう来週には初日を迎えるんですね。
時が止まってほしい気持ちと、はやく公演が観たい気持ちのせめぎ合い。
とにかく礼さんには最後の日まで星組の仲間とともに充実した時間を過ごしてほしいなと思います。
お芝居ショーとも素晴らしい公演になりますように。