雪組トップスター彩風咲奈さんが『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』で退団することを発表しました。
正直、寂しいよりもまず、これで彩風さんの肩にのしかかる重い荷物がひとつ下ろせたような気がして、
『発表できてよかったね』と安堵する気持が先に立ちました。
彩風咲奈『ベルサイユのばら』で退団へ
6作目に『ベルサイユのばら』が発表されたときには、思い出再演とはいえ、まさかショースターの彩風さんが1本物で辞めるなんて思いもしませんでした。
しかしそのあと写真集の発売、単独リサイタル、相手役の夢白あやさんは2番手の朝美絢さんと全国ツアー。
あまりにも分かりやすいフラグが次々と立っていき、覚悟して迎えた大劇場公演『ボイルド~』千秋楽翌日。
でしたが退団発表はありませんでした。
ホッとしたというより、先延ばしにされていることに何かあったのかと要らぬ心配をしてしまって。。
強引なスケジュールの見直しもありましたしね。
結果的に退団発表→翌日記者会見という日程を考えたときに、年内ギリギリのタイミングが12月26日だったようです。
まさかお正月に会見するわけにはいきませんから。
彩風咲奈のジェンヌ人生
雪組の御曹司として下級生のころから抜擢つづきだった彩風さん。
早期でトップに就任するとばかり思っていましたが、意外とその歩みは緩やかで研14就任。
その少し前(2番手後半)でしょうか、チャームポイントのかわいい八重歯が消えてスッと大人びたのは。
トップになってからの彩風さんはセンターが堂に入って それはそれはカッコいい。
朝月希和さんで3作、夢白あやさんで3作。
マンガ原作、和物、中国物、宝塚の名作など…相手役にも演目にも恵まれたように思います。
しかしトップ人生は順風満帆ではなく、『ODYSSEY』ではコロナのあおりを受け全公演中止。
この時だけでなく『蒼穹の昴』でも週刊誌に取り出たされて気苦労が耐えなかったでしょう。
その後も度重なる公演中止に、劇団の歴史の中でも最も辛いできごとがあり、
劇団の対応の悪さが招いた世間からの大バッシング。
しかしどんなときでも彩風さんは自ら矢面に立って組子を守り、観客には愛のある言葉でごあいさつをしてトップの責任を果たしてきました。
彩風さんの聡明さと優しさ、リーダーシップ力にどれだけ多くの人が救われてきたか。
退団会見で何を語るのか
いま思えばトップスター5人が出席した(彩風さんは東京劇場からリモート出演)110周年演目発表会のときには、
柚香光さんも月城かなとさんも彩風さんもすでに退団を決意していたのですね。
どうりで運動会の話題が急に逸らされたわけだ。
3人とも来年の今ごろにはもう居ないんですね。
退団発表できて(彩風さんの肩の荷がひとつ降ろされたようで)良かったなんて書きましたが、いまになってズシリと寂しさが押し寄せてきました。
柚香さんは退団を決意した理由を「新しい自分に会ってみたい」とし、
月城さんは「はやい段階で自分の去り際は5作だと決めていた」と語りました。
彩風さんはあすの会見で何を語るのでしょうね。
会見はおそらく劇団が集めたマスコミだけで行われるでしょう。
質問の内容もあらかじめ決められているでしょうから心配はないとは思います。
和やかな雰囲気で彩風さんがリラックスして心の内をお話できますように。