今回の雪組新人公演、レベルが高かったですね。
掴みどころのない登場人物たちによる喜劇のようでも悲劇のようでもある難しいお芝居&フランク・ワイルドホーン氏の楽曲が並ぶ難作を、下級生たちがここまでやってのけるとは。
雪組の層の厚さと、若手の底力を改めて見せつけられた思いです。
律希奏(109期):研3にして舞台を支配する「圧倒的・美」
そしてなんと言っても今回の最大のトピックスは主演の律希奏さんでしょう。
「う、うますぎる……!」そして「美しい」。
画面越しに、思わず声が漏れました。まだ研3ですよ? この安定感と空間支配力は何事でしょうか。
169cmという公称サイズを疑うほどの小顔と驚異の等身バランス。白い衣装を纏った姿はまさに「美しすぎた男」そのもの。そして、何がすごいって、その落ち着いた芝居運びですよ。
歌唱面でも低音の課題こそあれ、堂々とした歌いっぷりはすでにスターの風格。次回の『ポーの一族』では、ぜひエドガーかアランでその美貌を拝みたい……そう切望せずにはいられない、未来の超大型スターがここに爆誕しました。
ヒロイン&脇を固める演者たちの安定感
そしてヒロインのハリエットを演じた華純沙那さん(106期)。
もはや「上手い」と言うのが野暮なほどの完成度。本公演でのデボンシァ公爵夫人の凄みとは180度違う、可憐で芯のあるヒロイン像を提示してくれました。特にソロ歌唱での劇場を震わせる力、さすがの一言です。なのでこのまま別格になってしまうのは惜しい。バウでも東上でも、またヒロインのチャンスが巡ってくることを願うばかりです。
その他のキャストも、非常にハイレベルでした。
プリンス・オブ・ウェールズ/苑利香輝さん(108期): お化粧が格段に上達し、ビジュアルの華やかさが一気に増しました!焦りのない落ち着いた芝居で、律希さんとの「2枚看板」としての未来が楽しみになる存在感。
ヘンリー・ピアポント/華世京さん(106期): 「もう新公卒業でいいのでは?」というレベルの完成度(笑)。とはいえ、主演は何回やってもいい勉強になるでしょうから、次回の『ポーの一族』主演は死守したいところ。(そうです、はやくも気になるのが『ポーの一族』新公。エドガーとあらんを華世京、律希奏、苑利香輝の誰が射止めるのか)
デボンシァ公爵夫人/白綺華さん(107期): さすが首席入団の実力!本役の華純沙那さんを彷彿とさせる芝居の説得力と色気。しっかりと場面を締めて素晴らしかったです。
そして105期の紀城ゆりやさんが支える芝居の土台、霧乃あさとさんの着実な芝居、星沢ありささんの気品あふれる王妃。全員が役の重みを理解し、滑舌良く、説得力を持って舞台に立っていました。
スター候補生が次々と現れる今の雪組。とにかく観ていて楽しい!
だからこそ、どうしても触れておきたいことがあり…
劇団への切実な願い:東西新公「同日開催」のジレンマ
以前から問題になっていましたけど、東西で新人公演が重なるという、最悪のスケジューリング。
これ、本当になんとかなりませんか。
どちらも見たい!というファンの思いを無視した残念な決定というだけでなく、同日に2組が新人公演を行えば、ニュースや紙面の扱いなんかも注目が分散されてしまいます。
注目を浴びるべき瞬間に話題が分散していまうのは、プロモーションの観点からも大きな損失。ひとりでもファンを増やしたい新公学年において、これは相当な痛手だと思います。
過重労働の問題で、新公の実施そのものが難しいのかもしれませんが、やるからにはぜひ、劇団には、その貴重な舞台をより多くの方が見届けられるような環境を整えてほしいと心から願います。