やっとこさ雪組大劇場公演『ベルサイユのばら』を観ることができました。
劇場駐車場にたくさんのツアーバスが並び、売店も団体さんで大混雑。
うしろの席から「ペガサス飛ぶの楽しみやわ~」という声が聞こえてきましたが、残念ながらペガサスは飛びません!笑。
きっと過去に『オスカル編』をご覧になったんでしょうね。
始まる前から客席は高揚感にあふれていましたが、さらにこの日はタカラジェンヌと観劇がかぶるという幸運が。
ざっくり雪組『ベルサイユのばら』感想
専科の凪七瑠海さん、瀬央ゆりあさん、輝月ゆうまさんがご観劇でした。
一般客でごった返す客席を3人が仲良くピッタリとくっついて こちょこちょ歩く姿が微笑ましかったです。
他にも花組の一之瀬航季さん、月組の梨花ますみさんのお姿もありました。
タカラジェンヌの誇り
さて雪組版『ベルばら』の感想を一言でいうと…
とっても良かったですよ。(これまで散々ベルばらは古臭いとか言っていたので意外な感想でしょうか?笑)
良かったとはいえ脚本が難アリなのは相変わらず。登場人物の書き込みが浅い上に場面はパッチワーク。
ダンスやフィナーレの時間を増やしたので芝居パートを削るしかないんでしょうけど、
フェルゼンとマリーは出会った次の場面でいきなり(ポスターのピンクの衣装で)ラブラブ逢瀬って、展開早すぎっ!
そしてSNSでも「それはアカンやろ!」と話題になったのが、
手っ取り早く『今宵一夜』につなげるためにアンドレの気持ち(恋心)をフェルゼンがオスカルに手紙でバラしてしまったシーンです。
いくら時間が足りないとはいえ、主人公を『いらんこといい(余計なことを言う)』キャラにしたらアカンよ先生。
ジェローデル、アラン、ジャンヌら主要キャストの使い方もとにかくもったいなくて残念。
と散々ですが、じゃあ何で「良かった」という感想になったのかといいますと、
それは主演の彩風さんはもちろん、セリフの無い下級生からも宝塚の歴史ある『べるばら』に出演しているという誇りを感じたからなんですよね。
脚本で描ききれていない部分を芝居で埋めようと、どのシーンも細部までていねいに構築されていて素晴らしかったですし、
彩風さんの退団公演ということもあり、みんなが同じ方向をむいて団結しているのも胸が熱くなりました。
そして彩風さんの立て膝姿、夢白さんのドレス姿、朝美さんの軍服姿など、マンガから抜け出してきたような美しいビジュアルに惚れ惚れ。
客席降りがすべてを…
そして今回の目玉、30分にも及ぶフィナーレは彩風さんのダンスを見ているだけで幸せですが、正直、構成はちょっと…
【小声】単調なダンスの振り付け、ひたすらユニゾンのコーラスなど、もう少し工夫があってもよかったかな。
と、いろいろ思うところはあるけれど、パレードの客席降りがすべてを吹き飛ばしてくれた感じです。
1階席上手の扉が開いて朝美絢さんが先頭で歩いてきたときの客席のどよめきったら!
まさか『べるばら』で客席降りがあるとは思いませんよね。隣の人は驚きすぎてムセていました。笑。
心なしか雪組生たちも客席の反応を喜んでいるように見えました。
それにしても終演後のお客さんの幸せそうなこと。
やっぱり『べるばら』という原作のチカラ、そして宝塚の魔法って凄いんだなと。
脚本演出の粗が気にならないといえば嘘になりますが、110周年に雪組の『ベルばら』を生で観られたことは、人生の大切な思い出になりました。