新たな天飛華音を見た!星組「アレクサンダー」感想

星組「アレクサンダー天井の王国」観てきました。

登場人物の名前がややこしくて覚えられないという個人的な問題はさておき、

少女漫画が原作ということで、この時代にしては珍しく血生臭い戦いモノではなく、主人公アレクサンダーを取り巻く友情、恋愛、親子の確執、家臣の陰謀など、バランスよく描かれていて観やすかったです。

以下ネタバレありで感想を記しますので読み進めご注意ください。

新たな天飛華音!進化と課題

キャストごと感想

天飛華音さんと言えば、もっとも色濃く礼真琴さんのDNAを受け継ぐ男役で、新人公演時代から人一倍のバワーと求心力があり頼もしい存在でした。

そんな天飛さんが役作りのために体を絞って挑んだ本作では、ビジュアルのスッキリ感もさることながら、清潔感のある爽やかな演技で『誰もが憧れる理想の男性(王子)』を体現しているのが素晴らしかったです。

従来のパワフルさと絶妙な抜け感が合わさった ”新たな天飛華音” がとってもステキでした。

歌い方に関しては模索中かな。
かるく当てる透明感のある歌声も魅力的ですが、本来のストロングボイスが聴けなかったのはちょっぴり残念。

王子から王になる作品をやらせるということは、劇団としてもそのつもりなんでしょう。

さらなる高みに立つためにもこの東上で喉に負担をかけない歌唱法を身につけさらに飛躍してほしいなと思います。

ヒロインの瑠璃花夏さんが演じた剣の腕前も超一流で強靭な精神力を持つ女戦士サーヌがカッコいい!

こんなヒロインは宝塚としては異例中の異例ですが、それがただの男勝りにならず、女性の柔らかさや包容力が醸し出せるのは経験抱負な瑠璃さんだからの表現力。

けっこうな尺のデュエットダンスも難なくこなし、この公演の成功に彼女の貢献は大きい。

こういう大きな役が回ってくると「餞別?」「組替え?」と不安になりますが、「娘役2番手よろしく!」の意味であると信じて、これからの活躍に期待しています。

そして影のヒロイン的存在だったのが稀惺かずとさん。なんでこの人はこんなに芝居が上手いんだ。

人の心が読めるという特殊能力がファンタジーに寄らず現実味があったのは稀惺さんの演技力あってのこと。目の表情だけでアレクサンダーに向ける友情以上の想いが伝わってきて、切なくて胸がギューッとなりました。

歌も多く、フィナーレもセンター、2番手以上の活躍を見せていて頼もしい限り。もう機は熟し過ぎているのでバウ初主演はよっ。

あとは、アレクサンダーの父(現王)ひろ香祐さんの存在感、憎たらしいまでの悪役で舞台を締める美稀千種さん、そして鳳真斗愛さん紘希柚葉さん青根斗和さん御剣海さんら個性豊かなアレクサンダー仲間も良かったです。

朝水りょうさんは出番こそ多くはありませんが、相変わらず雰囲気があってカッコいい。

娘役はアレクサンダーの母役の澪乃桜季さんと、クレオパトラ役の美玲ひなさんが大きな役で爪痕を残しました。

しっかりとしたフィナーレがあってパッション炸裂!やっぱり星組のダンスはキレがよく、見ていて気持ちが良いですね。

【余談】これだけ踊れる人が揃っているんですから礼さんで叶わなかった『ノバ・ボサ・ノバ』、どうか暁千星さん時代に実現しますように。

明日のバウ千秋楽が終わればいよいよ東京進出!さらに進化した舞台を期待しています。

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