星組「夜明けの光芒」初日感想・暁千星がご都合主義な結末を

夜明けの光芒初日 星組

暁千星さん主演『夜明けの光芒』

ドラマシティ公演初日を観劇してきましたので感想を記したいと思います。(以下、ネタバレありですので読み進めご留意ください。長文です)

『夜明けの光芒』初日を観て

ざっくりあらすじ

この作品をひとことで言い表すと、『初恋を拗らせた男の自分探し』でしょうか。

鍛冶屋の少年ピップは近所のお屋敷に住む美しい少女エステラに一目惚れ。

高慢な彼女から「汚い、下品、キライ」と冷たくあしらわれても、いつか紳士になって彼女と結ばれる日がくると夢を抱く。

数年が経ったある日、お屋敷の弁護士から「あなたが紳士になるための資金を援助したいという人が現れた。どうする?」と連絡を受け、姉や優しく育ててくれた義理兄を振り切ってロンドンへ向かうピップ。

憧れの都会で親友と呼べるルームメイトとの出会いや、紳士としてサロンデビューを果たしたものの、自分の影のようなものに付きまとわれるようになり…

キャストごと感想

冒頭からしばらくは過去と現在が錯綜する演出なので、子役たちが大活躍。

少年ピップ藍羽ひよりさんは何をやらせても透明感があるのが魅力ですね。
少女エステラ乙葉菜乃さんのプリプリっとした高飛車な感じが、とっても可愛くて憎たらしくて、たまらんのよ。

【小声】初日ということで二人とも緊張で歌声が震えていたので、はやく慣れて実力を発揮できるといいなと。

大人になってますます美しさと冷酷さが増したエステラ瑠璃花夏さん

婚約者に裏切られた養母(七星美妃)に復讐の道具として育てられたエステラには感情というものがなく、人の気持ちが理解できない。それが2幕のラストで感情のままにピップ(暁)に抱きつくようになるのですから、過程が難しい役だと思います。

真紅のドレスがゾクッとするほど美しい。歌の安定感はさすがですし、暁さんとの身長差キスやバックハグは個人的萌えでした。

2番手役の天飛華音さんピップの影とエステラに求婚する成金紳士2役

この2役が話をややこしくしているのですが、両者ともピップの幻想が作り出した人物です。なのでピップの自分探しが終わると2役とも消えてしまいます。

天飛さんは声がさらに豊かになり舞台上での存在感も増しましたね。配役発表のときは「まさか稀惺さんと番手逆転?」なんて心配しましたが、当たり前ですがしっかり2番手でしたよ。

【小声】ダンスの見せ場もありますが今日はフラフラして本調子じゃなかったような。だけどお芝居は素晴らしかったですし、カテコで暁さんに「華音は久しぶりのドラマシティだそうです」と話を振られてニコニコしていたので大丈夫かな。

ピップの親友役の稀惺かずとさん。好青年を演じたらピカイチですね。

アクの強い登場人物のなかにおいて稀惺さんの存在は一服の清涼感。堂々としたお芝居で上級生の暁さんとも親友に見えますし、いきなりの大ナンバーもサラッと歌い上げて頼もしい。

ただそろそろ毛色の違った役をやって『脱皮』するときがきているのかも。『記憶にございません』で面白い役が回ってくるといいなと思います。

ピップの義理兄ジョーの美稀千種さんには泣かされました。

ピップを『親友』と呼び愛情を注ぎ続けるジョーは、紳士になったピップに疎ましく思われていることを知り身を引くんです。だけど最大のピンチに陥ったピップを助けるために全財産を投げうって…。もうね、ふたりが再会するシーンは嗚咽ですよ。

で、驚いたのは、まさかのピップの幼馴染(綾音美蘭)と再婚というオチ。美稀さんの結婚式が見られるなんてね、しかも長い!笑

ピップを陰ながら支える弁護士の朝水りょうさん。ピップから受けた恩を命がけで返す脱獄囚輝咲玲央さん、復讐の道具としてエステラを育てた養母の七星美妃さんらが確かな演技で脇をしめます。

暁千星にドラマシティは小さい

緩急のついた芝居でみんなをグイグイ引っ張る暁千星さん。堂々たる主演でした。

明るく純粋だけれど野心をくすぶらせている鍛冶屋見習い時代、そして紳士になって外見は垢抜けたけれど、嫉妬や執着にかられ道を踏み外していく様をみごとに表現していて舌を巻きました。

【余談】この公演は暁さんのみ客席降りがあります。1回目は歌いながら半周、2回目は舞台から後ろの扉まで通過。

自分の人生で何が大切かを悟ったピップは故郷に帰り、あれだけ頑なだったエステラの心を開いてハッピーエンドというご都合主義な結末を、暁さんwith星組生の力技で何とかした印象。

しかもね、ピップ(暁)に遺産を残したのがピップに命を救われた脱獄犯(輝咲)で、その脱獄犯の娘がエステラ(瑠璃)だったなんて世間狭すぎ。他にも登場人物がいろいろ繋がっていて、もうどこの韓国ドラマよ。

それにしても暁さんって、なんでこうストレート過ぎる愛の告白が似合うんでしょう。
「ぼくは決して不幸にはならない。だって君の顔を見ているだけで幸せなんだから」って、ギャーーーッ!ほんと、このセリフのための2時間半ですよ。

瑠璃さんとのデュエットダンスはまだ固さがあったものの、5分くらいあるソロのダンスはドラマシティが小さく感じるほど。圧巻でした。そしてヒラヒラと大量に降る金箔にまみれて踊る暁さんがとにかく美しかったです。

ちなみにフィナーレの流れは暁&瑠璃デュエダン男役群舞(天飛中心)総踊り暁ソロダンス→パレードとなっています。

初日ということもあり拍手のタイミングがパラパラだったり、舞台袖から大道具の音がしたり、キャストがよく物を落としたりとハプニングもありましたが、ぶじにスタートが切れて良かったです。

大阪公演、そして東京の千秋楽までみんな元気に駆け抜けられますように。

タイトルとURLをコピーしました