雪組バウホール公演『ステップ・バイ・ミー』観劇してきました。(以下、核心に触れるネタバレ無しです。理由ものちほど)
まずはこの作品がバウホールデビューとなる菅谷元先生、おみごとでした。
正直、解説文を読んだときは ”幽霊”だの ”不思議”だのフワフワしていて少し不安だったんですが、実際はもっと生々しく青春を描いていて、名家の御曹司の次男(華世京)が名門大学に入学して年上女子(星沢ありさ)に一目惚れ。彼女のプロムの相手に立候補するも強力なライバル(諏訪さき)が現れて…とアメリカンドラマそのもの。序盤はキャラの大洪水で大いに笑わせます。
だけど段々とヒロインの秘密が露わになったり、主人公が映画俳優になるいきさつが分かってきて目が離せません。
10年間も忘れられない初恋、ライバルとの友情、親や兄弟との確執なんてベタだなぁ~と思いながらもグッときました。
だだの青春グラフティではない
主演が研6の華世京さんということで、たくさんの上級生が支えているわけですが、その一人ひとりにちゃんと魅力的なキャラを当てて見せ場をつくり、下級生にもたくさんセリフを言わせるなど配慮も感じられて良かったです。
恋のライバルである諏訪さきさんには何回笑わせてもらったことか。アメフト部の熱血キャプテンであり主人公を見れば「プロテイン飲め!」、からのじつは心は乙女で、ゆくゆく進む道は…というなんとも濃いキャラを演技派の諏訪さんがやるから魅力的です。
大統領を目指す父親役の奏乃はるとさん、そんな親に反抗して悪さばかりをする長男の眞ノ宮るいさんが登場するとピリッとした空気が流れていいスパイスですし、ヒロインの父親で主人公が通う大学の教授である英真なおきさんや咲城けいさんは物語のキーパーソンとして最後まで飽きさせません。
女性陣もステキで、ヒロインの星沢ありささんの何にも染まっていない透明感に驚きました。物語的にもその掴みどころのなさがキーでもあるんですけど、それが天性のものであれ役作りであれ芝居も歌もダンスもヒロインとして仕上がっている印象。華世さんともとってもお似合いでした。
ヒロインの大親友華純沙那さんは笑わせて泣かせてさすがでしたね。チアリーダーの衣装も可愛かったですしダンスも存分。
だけどこれが韓国ドラマでよくある『御曹司の青春グラフティ』みたいな単純な話しにならなかったのは、それこそ ”現実”か ”夢か”(実際は ”映画の撮影”か ”過去”か)みたいな話しになるんですけど、
これはぜーーーったいにネタバレを読まないでご観劇されることをオススメします。(きっと途中で分かってしまうと思いますが、それでも二転三転するたびに「えっ!いま見ているのはどっち?」って驚いてほしい)
華世京は御曹司がよく似合う
壮大なネタバレ感想は千秋楽後に記すとして、ここからは主人公ユージーン(名家の次男坊)を演じた華世京さんの感想を。
もうね、それはそれは素晴らしかったです。彼女が実力があることは知っていましたが、研6でここまでとは。まず登場した瞬間『主役』だと分かるオーラ。スタイルがよく学生服も映画スターの衣装も見目麗し、御曹司の似合うこと。
学生時代と10年後が混在した物語なので演じ分けが難しかったと思いますが、臆することなく体当たりで演じていたのが”まさに青春の輝き”といった感じで本人と役がリンクして眩しかったです。
年上役だけど学年下の星沢さんをさりげなくリードしたり、ふと見せる仕草や目線に色気が滲み出てるんですから、男役としてもう無敵。ラストの歌い上げもスタオベレベルで素晴らしかったですし、もう絶賛する言葉しか出てきません。どうぞこのまま順調に御曹司街道を上り詰めてください。
だけど本人は緊張したんでしょうね。なんせ大尊敬する彩風咲奈さんと夢白あやさんが観に来られてたんですから。
華世さんご挨拶「本日は(両頬に手を添えながら)客席が華やかで朝起きた時から体が硬直するほど緊張しておりました。(客席笑い)ですが今は無事に終えられてホッとしてます」
素直過ぎるご挨拶に彩風さんも夢白さんも大笑い。
少し感極まってウルッとしながらも笑顔で客席の彩風さんに手を振る華世さんが下級生らしくてとっても可愛かったです。
あっ、ちなみに一番おおきく手を振ってアピールしてたのが真那春人さん(92期)だったこともご報告しておきますね。笑