花組公演『ダンスオリンピア』をライブビューイングで観劇したのですが、一夜明けた今も尚、気持ちの高揚が続いています。
『ダンスオリンピア』感想
柚香さんが白い衣装で姿を現し、胸元の布をパッサ~と剥ぎ取るシーンに心を奪われてから、1幕が終わるまでアッと言う間でした。
古代ギリシャからタイムスリップして現代のニューヨークにやってくる超美形男子。
このカッコ可愛いキャラクターが柚香さんに似合っていて、この公演だけ、しかも1幕だけではもったいない気がします。
ユニット仲間の水美さんや永久輝さんたちのその後も気になりますし。
ぜひ、この設定を膨らませて物語を一本作って上演していただきたいです。と、客に思わせられる魅力的なキャラづくり(人物表現)が素晴らしいですね。
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オーディション場面を皮切りに水美さんの独壇場。
この設定ならば、古代ギリシャからやってきた柚香さんが周囲に巻き込まれてオーディションを受け、その類い稀な身体能力を生かしたダンスで審査員や観客を魅了する。
もしくは、ユニット全員でオーディションを受け、チームとして勝利を手にする!というのが 私たちが予想していた筋書きかなと。
しかし、実際は水美さんだけがオーディションを受けることになります。
この話の流れに少し違和感を感じたものの、水美さんのダンスが始まると、瞬きをするのを惜しむくらい凝視。
全身全霊の踊り、すごかったです。
そこで腑に落ちました。
稲葉先生は水美舞斗さんのダンスを我々に見せたかったんだ。と。
その予想通り、これを皮切りに、その後多くの場面で水美さんのダンスが見られました。
水美さんが登場されると、場が一気に引き締まります。
それは男役姿だけでなく、ドレス姿であっても。
踊った後でも全く息切れせず、歌声がぶれないのもスゴい。
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柚香光さんと水美舞斗さん
軽やかで体重を感じさせず、スタイリッシュなダンスの柚香さん。
地面にしっかり足がつき、力強くしなやかなダンスの水美さん。
優しく穏やかであたたかみのある声の柚香さん。
真っ直ぐで突き抜けるような明るい声の水美さん。
ダンス、声、それぞれに魅力的なお二人。
この素晴らしい二人のスターは、毛色が全く違うからこそ、舞台人としての良さが相乗効果であらわれます。
そして、同期であることも幸いし、遠慮がなく思いっきりぶつかることもできるし、お互いに自分を抑えすぎずピタッと合わせることもでる。
舞台に並んだ時に、より一層輝いているのも眩しいし、別々の場面に出ていても、どこかしら繋がりのようなモノを感じさせる不思議。
こんな関係性はそうそうありませんよね。
2018年全国ツアー公演からの変化
実は、2018年の『メランコリックジゴロ』『エキサイター』の時には、お二人の波長があまりにも合いすぎて、芝居が前に前に流れてしまったり、陽のパワーだけが全面に押し出されたショーを見て、少し思うことがありました。
しかしこの度の『ダンスオリンピア』は、あれから数公演経験したからなのか、トップ御披露目の緊張感の成せる技なのかは分かりませんが、場面ごとに全く違うダンスで物語を表現し、明るさだけでなく深みや凄みも加わり、ただただ素晴らしかった。
中心のお二人の気迫が周囲に伝染し、出演者全員が全身全霊で表現されているのを感じました。
これは劇団が意図して差し向けたものではないでしょうが、結果的に二人の関係の良さが組内でも舞台でも良い方向に作用しているので、今となっては水美さんを離せない理由の一つでもあると思います。
柚香さん率いる花組の「痒いところに手が届く存在」の水美さんですが、その素晴らしさゆえに縛られることがないよう、さらなる飛躍の為に、時がきたら思いきって離してほしいと願っています。
(余談)
本日、蘭寿とむさん、明日海りおさん、花乃まりあさんがダンスオリンピアご観劇。
その歴代トップさんたちを前に、柚香さんが「今年で花組は100周年をむかえます。今までたくさんの方が築き上げられてきたモノに敬意を払い、これからも精進いたします。(ニュアンス)」と、ご挨拶されたそうで、感動的ですね。