2023年11月14日(火)16時から宝塚歌劇団より、劇団員死亡による調査報告についての会見がありました。
2時間を超える会見の内容は予想を大きく上回る酷いものでした。
宝塚歌劇団の会見・調査報告と改革について
宙組4名がヒヤリングに応じず
結論から言うと、劇団は労働環境の問題については部分的に認めたものの、宙組のパワハラやいじめに関しては完全否定。
「4名がヒヤリング調査に応じなかった(名前は明かされず)ので全員ではないが、いじめと捉えられる報告はありませんでした。宙組に特に問題があったとは考えていない」って、
これ納得できますか?
ご遺族の要求は『劇団が長時間労働を敷いた責任を認め謝罪すること。そしてパワハラを行った上級生がその責任を認め謝罪すること』ですよ。
LINEの履歴や証言もあるのに、それを劇団が「パワハラは無かった」と全面否定して、ほんとにそれで大丈夫ですか。
劇団にとってこの会見はご遺族に誠意を見せる最後の機会であり、絶対に対応を誤ってはいけない場面でした。
なのに遺族側の発言を真っ向から否定する報告にただただ絶句。
疑問だらけのヒヤリング調査
しかも驚いたのは、新人公演の長は演出家の補佐のような仕事もこなさなくてはならず、深夜までその対応に追われ、相当な負担がかかっていたのにも関わらず、
劇団はいまだに『パガド』の演出家である田渕先生に当時の事情を聞き取りしていないという事実。
亡くなられた生徒さんのためにも、新公のやり方を見直すためにも、当時のことを把握しようという気はないんでしょうか。
そして調査は全組一律、同じやり方で行っているのかと思いきや、
調査方法も調査期間もすべて各組のプロデューサー任せだったとか。(80人の調査を一日で終わらせてしまった組があったという報道もまんざら…)
この期に及んでもまだ劇団に都合のいい調査が行なわれていたことに疑問を感じました。
理事長辞任について
そして理事長が辞任を発表しましたが、これって何かの解決になりますか。
会社側にとってみれば『上層部の報酬25%減額3カ月』というのは一大事なのでしょうが、
調査結果の報告と今後の改革の会見で、これ見よがしに発表することだとは…
宙組再開する気マンマン
過重労働の改善策として、年間の公演数や公演回数を減らし、公演と公演の間の休みを長く取るという。
この策はいいとしても、あまりにも『過密スケジュール』という点にだけに話をもっていこうとしているのが気になりました。
そして宙組の東京公演をやる気マンマンだということも。
具体的な日程は明言しませんでしたが、準備が整い次第再開させたい意向。
う~ん、『ご遺族の心情に寄り添うカタチで』という発言は嘘ですか??
ご遺族はパワハラを行った上級生の責任と謝罪を求めているんですよ。
それが解決していないのに公演再開を宣言するような会見を開くなんて。(このまま公演が行なわれても舞台に上げられる生徒さんも針のむしろでしょう)
やっぱりこの劇団に自浄作用は無理なのでしょうか。
案の定、劇団の調査報告を受けてご遺族の弁護士の会見では…
ご遺族側の弁護士の会見
納得できないのも当然
劇団の調査報告に納得することは出来ない部分があるとして、遺族側の弁護士から説明がありました。
「劇団がハラスメントに否定的なのは間違い。納得できるものではない。事実関係を再度検証すべき」
そりゃあそうですよ。
ご遺族側としては何よりもこの点について真実を知りたいと思うでしょうし、パワハラを行った人や劇団に責任を認めて謝罪してほしいと要求しているわけですから。
ハラスメントを認めない段階での劇団の面談を(過去に)拒否したというのも当然です。
劇団は今月中にはご遺族と面談したいとしていますが、どうなるのでしょうね。
だれひとり守れていない劇団
いや~、劇団にとってある意味最後のチャンスだったのに、何がどうしてこんな対応になったのでしょうか。
亡くなられた生徒さんやご遺族に誠意はないし、パワハラをしたとされる生徒も、組子たちも、だれひとり守れていない最悪の会見になってしまいました。
「この劇団はまた同じことを繰り返す」
ご遺族側の弁護士の言葉が重い。
まずは劇団がご遺族が望む『ハラスメントの事実関係の再度検証』に応じることを願います。