物議を醸している入団年齢の改定案に思う

物議を醸している 元宝塚歌劇団演出家・上田久美子さんのインタビュー記事を読みました。

その内容はというと、
上田さんの話をかなり短く抜粋したものなので、彼女の本意ではなく伝わってしまっているのかもしれませんが、ツッコミどころ満載です。

宝塚音楽学校・入団年齢引き上げ案に思う

入団年齢引き上げについて

「上田が提言するのは入団年齢の改定だ。『せめて大卒(22歳)まで入れるようにすれば精神的な成熟が期待でき、セカンドキャリアも選択肢が増える』」

22歳まで入れるようにって、すごい提言ですね。
だって少女歌劇団という宝塚歌劇のルーツを根底から覆すことですから。

とはいえ、時代とともに変化していくことも大切なので、年齢引き上げについては反対ではありません。

ただし22歳入団に賛成かと言われると…

22歳で入団ということは、20歳で音楽学校に入学するということです。

厳しいことで有名な宝塚受験も 1回や2回で合格する人はいいですよ。

だけどこれまでの上限4回でも経験した人の話を聞くと相当過酷なのに、6回ともなると10代後半のすべてを受験に捧げることになるわけで…

それはもうチャンスと呼んでいいのかどうか。どれだけ時間もお金も費やすことになるんだろう。

受験スクールにしても、受験生が増えるのは良いことだけど競争も激化するでしょうね。

たとえ6回受験できるようになったとして、歳の離れた者たち(15歳と20歳)が同じ期というのはやりにくくはないのでしょうか。

他にも、研7の新人公演卒業時点ですでに28歳とか、男役10年で31歳とか、新たな問題はでてくるでしょうね。

精神的な成熟&セカンドキャリアについて

精神的な成熟についても難しい問題ですね。

個人差があるものですし、年齢では計れない。

人間としてももちろん、舞台人としても大切なことではあるけれど、そもそも劇団が生徒に『精神的な成熟』を求めているのかどうかは疑問です。

だって素直で幼い10代の子を囲って『外部漏らしはご法度!』なんてやってた劇団ですから。(言い過ぎすみません)

受験でも『精神的な成熟』を重要視することはなく、音楽学校でもそのために時間を割いて導くなんていう考えはなかったように想像します。

セカンドキャリアの選択肢についても言わんとすることは分かりますが、

厳しいレッスンに耐えながらタカラジェンヌを目指す人が、「宝塚卒業後のために あらかじめ大学に入っておこう!」なんて思うのかしら?

と、ずいぶん勝手な意見を言いましたが、

劇団の内情や生徒のことをよく知る上田さんが入団年齢のことにまで普及するということは、それだけ重要なことなのでしょう。

上田「劇団はビジネスではなく、関西の貴重な文化を発信するという大義に立ち返ることが大切では」

われわれが思うよりずっと、内部は深刻な状況なのかもしれませんね。

もちろん企業なので利益は大切だけど、まずは問題と向き合って改善すべきところは改善し、人を大切にする企業へと変わってほしいです。

これから劇団がどう改革を進めていくのか、引き続き注視したいと思います。

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