映画『最高の人生の見つけ方』
この映画は、2007年に公開されたハリウッド映画を元に制作された作品です。
ハリウッド版は老人男性二人の、日本版は年代の異なる女性二人の物語。
設定の違いはあれど、見終わった後、あたたかい気持ちになるのは同じです。
最高の人生の見つけ方 あらすじ
家庭のために生きてきた幸枝と、会社のために生きてきたマ子。全く違う世界に暮らしてきた2人が偶然に出会い、自分たちの唯一の共通点は余命宣告を受けたことだと知る。主婦業と仕事以外に何もやりたいことのない人生の虚しさに気づいた幸枝とマ子は、たまたま手にした12歳の少女の「死ぬまでにやりたいことリスト」を実行するという無謀な旅に出る。
“スカイダイビングをする”“ももクロのライブに行く”“好きな人に告白する”──今までの自分なら絶対にやらないことに、自ら殻を破って飛び込む2人。初めて知った生きる喜びに輝く2人は、家族や周囲のものたち、さらには旅先で出会った人々も巻き込み、彼らの人生さえも変えていく──。
(公式ホームページより)
以下、感想を綴ります。
(少しネタバレ含みます。)
吉永小百合さんと天海祐希さん!満島ひかりさん、ムロツヨシさんの演技力
長年家族に尽くしてきた物静かな主婦を吉永さんが演じ、富と名声を手にした孤高の社長を天海さんが演じておられます。
- 大女優が平凡な主婦を演じること。
- 入院中同室だった人と退院しても電話のやりとりをする。
- 少女のやりたいことを70代が変わりに実行しようとする。
- 自家用ジェットを所有するほどの大金持ち設定。
- 末期ガンでスカイダイビングの許可がおりるのか。
などなど、最初は人物設定にもストーリーにも違和感があります。
しかし、二人が演じる主人公たちに、不思議と、いつのまにか引き込まれていくのです。
豪遊し、楽しい時間を過ごしていても、死への恐怖、家族のことが気がかりで、どうしようもなく不安で。
天海さんや吉永さんの演技の上手さにより、主人公たちの気持ちが透けて見えるので、見ているこちらは、涙、涙。
吉永さんの娘役の満島ひかりさん は、お母さんが大好きだけど、長女だからといつも当てにされることへの不満や、家族や恋愛についてのやり場のない感情をもてあます姿を熱演。
天海さんのマネージャー役のムロツヨシさんは、人生の最期にこんな人が側で支えてくれたら素敵だなと思わせてくれるような、素晴らしい役づくり。
この人のおかげで、見終わった後にしんみりせず、爽やかな気持ちで劇場を後にできたといっても過言ではないと思います。
天海祐希さんと吉永小百合さんのファッション
そうです、これ、これです。
この映画の魅力の一つは、主演二人のファッションです。
ワンピース、スーツ、毛皮、パンツ姿 、数々のウィッグ、
女社長である天海さんのファッションはどれもハイセンスで素敵。
しかし、天海さんの魅力はそれだけに留まらず。
スカイダイビング時に着用していた、つなぎの服ですら、スタイルの良さが際立つ着こなし&カッコいいポーズに、思わず拍手しそうになりました。(笑)
吉永さんも、平凡な主婦を演じておられましたが、ワンピースや着物をお召しになった時には『大女優 吉永小百合』に変身!!
中でも、ウエディングドレス姿は、神々しい美しさ。。
しかし、役として見たときに、その美しさは、人生の最期に放つ輝きなのかと思うと、胸がぎゅーっと締め付けられました。
そうなんです。
この映画を見ている間ずっと、吉永小百合→末期ガン患者→吉永小百合→末期ガン患者→吉永小百合と、意識がグルグル回るのです。
死をとおして生きることを意識する作品
最近、こういう作品に弱いなぁ。
限りある命とどう向き合うか。
周囲の人をどれだけ大切にできるか。
考えさせられ、励まされ、希望が持てました。