3年ぶりに行われた花組東京新人公演を配信で視聴しました。
って、花組さんのライブ配信はこれがお初だったのですね。
ようやく花組の下級生にスポットが当たって本当に良かったです。
花組新人公演『うたかたの恋』感想
それにしても皆さんとっても緊張していて、こちらも手に汗にぎる視聴となりました。
希波らいと
4年前『花より男子』でセンセーショナルな路線デビューを果たした希波さん。
異次元のスタイルを武器に
物怖じしない舞台度胸で堂々と上級生と渡り合っていたのが印象的でした。
この度のルドルフは希波さんに与えられたチャンスであり試練なのでしょう。
自分にはないキャラをよく頑張って演じていたと思います。
立っているだけで陽のオーラがにじみ出てしまう人なので、ルドルフの心の葛藤を表現するのはもう一歩といったところ。
本当はもっと出来る人だと思うので、最後まで緊張が解けなかったのはもったいなかったなと。(立ち位置をまちがえた挨拶はご愛嬌)
とはいえ、花男ならではの美しい衣装の着こなしや品のある身のこなしは各段に上達し、華のあるスターになったなと感じました。
七彩はづき
七彩さんの透明感よ!!
澄んだ声と、緊張をうまく味方につけた初々しい演技が純粋無垢なマリーにピッタリでした。
希波さんだけでなく、誰と並んでも似合いそうなのがヒロインとしての強みですね。
ドレスさばきやメイクはこれからに期待といったところ。
その他キャスト感想
天城れいん
落ち着いた芝居運びで堅実にストーリーテラーを担っていたと思います。
緊張して声が上ずったり演技が縮こまる人が多い中、天城さんが登場するとホッと安心できました。
この役が自信につながり求心力がアップするといいですね。
美空真瑠
明るくハキハキしたセリフ回しが気持ちよく、コミカル加減も絶妙。重苦しい作品に一服の清涼感を与えてくれました。
花組の下級生娘役は目を引く人が多い。
美羽愛さんと星空美咲さんはどこにいてもオーラがありますし、
朝葉ことのさんのエリザベートは貫禄があって惹きつけられました。
みごとな歌声を披露した湖春ひめ花さんは本公演でも歌の場面が与えられるといいなと思います。
と、良いところを挙げればきりがありませんが、もどかしい思いをした新公でもありました。
というのも…
花組下級生に思うこと
コロナの影響で公演中止回数がいちばん多いのが花組です。
ただでさえ舞台経験が少ない下級生たちに今回あたえられた演目は、
宝塚の名作『うたかたの恋』という歴代のスターが悩み苦しみながら作り上げてきた難易度の高い作品。
しかも令和版は小柳先生が本役に当てた改変バージョンなので、新公メンバーにとって大変な挑戦だったでしょう。
みんなよく頑張っていましたが、芝居を型にハメるので精いっぱいという風に見えました。
役を掘り下げるというより本役さんの演技をなぞるという、新人公演らしい新人公演だったように思います。
緊張で声が震えながらも前向きに舞台にたつ姿が愛おしくて、「頑張れっ!」とエールを送りながら視聴しました。
スターの成長過程を見届けられる『新公』は宝塚ファンの醍醐味ですね。
その醍醐味を久しぶりに花組で味わうことができて嬉しかったです。
メンバーにとっても満席の客席の前で公演ができたことは大きな学びと宝になったと思いますし、
花組に(東京)新人公演が戻ってきて本当に良かった。
メンバーのこれからの活躍をたのしみにしています。