宙組博多座公演『愛するには短すぎる/VIVA! FESTA! 2026』を配信で観ました。
とにかくお芝居もショーもみんな元気でしたね。桜木みなとさんを中心とした今の宙組の『エネルギー』に満ちた良い公演でした。
令和版?『愛するには短すぎる』
桜木みなと&春乃さくらコンビゆえの結末
と言いつつ、正直なところ、独特な台詞回しや『間』が特徴の正塚作品と、現代的な宙組のカラーが手放しで相性抜群!…とは言い難い部分も。
ですが、この作品に挑むことは、特に下級生たちにとってお芝居の血肉となる素晴らしい経験になったのではないでしょうか。
主演の桜木みなとさんは、御曹司らしい育ちの良さと、どこか放っておけない「子犬のような可愛らしさ」が絶妙。対する春乃さくらさんは、芯の強さと包容力、さらには賢さを感じさせるバーバラ。
過去にさまざまなペアでこの作品を観てきましたが、胸が張り裂けそうなほど切ない「永遠の別れ」を感じるコンビと違って、この二人は不思議と「いつかまたどこかで再会できそう」という明るさを残したまま幕が下りるんですよね。
これが桜木さんと春乃さんの持つ天性の「陽」のオーラなのか、あるいは、希望を持たせることを良しとする「令和風」の解釈なのかは分かりませんが、観終わった後に湿っぽくなりすぎない爽やかさが『新しい』なと。
水美舞斗&個性豊かなキャラたち
フレッドの親友アンソニーを演じた水美舞斗さん。チャラいと見せかけて、実は恋も友情も誰よりも大切にする劇作家志望のイケメン……これぞまさに彼女の十八番! 軽妙なアドリブ(小切手を切る時の「シャーッ!」)には笑いましたが、全身から滲み出る『良いヤツ感』がたまらなくステキでした。
愛すみれさんが舞台に出てくるだけで、「絶対に何かやってくれそう!」というワクワク感でつい笑っちゃうのは私だけではないはず(笑)。
叶ゆうりさんは執事役で真骨頂!とにかくお上手で、歴代の執事役にはない絶妙な「圧」が最高でした。
おふたりのコメディセンスと安定した芝居は、今の宙組に欠かせないスパイス。
鷹翔千空さん(船長)は、髭を蓄えた渋い船長役を完璧にこなしていましたが、ファンとしては「そろそろ彼女にガッツリ二枚目の路線役を!」と願わずにはいられません。芸達者ゆえに重宝されていますが、本来は真ん中で光るべき「路線スター」ですからね。
踊りまくった『VIVA! FESTA! 2026 in HAKATA』
2幕は『ソーラン節』のパワーを浴びまくる爽快なショー。
桜木さんの「ソーラン宙組!」の掛け声で劇場が一体となるあの高揚感よ!男役娘役ともに法被姿での爆踊りがかっこいいのなんのって…
怪我から完全復帰した水美さん、絶好調ですね。やっぱり彼女のリミッターを外した爆踊り好きだわ~。
新生宙組の何が面白いって、桜木&春乃&水美の上級生トリデンテが若々しいのに対して、若手たちが大人びた色気でアピールしてくるところ。笑
鷹翔さん、風色さんは言わずもがな、亜音有星くんは、グンと上級生の顔つきになり、お芝居の悪役も良かったですし、立ち姿にも男役としての厚みが出たように思います。
そして、「もっと彼女を映してあげて〜」と画面にかぶりつきになったのが、大路りせさん。下級生とは思えぬ目元の色気、どこにいてもパッと目を引くスター性は、今後の大きな武器になるはず。
初階段降りを果たした奈央麗斗くんも金髪が似合う完成された美貌で、独特の雰囲気があってステキでした。
アイドル場面の「鷹翔・風色・亜音・大路・奈央」のイケメン破壊力よ!(ただ、ナンバーはみんな歌いづらそうでしたね。もっと彼女たちに合うキーに変えてあげてほしかった)
このショーは娘役だけのシーンが多いのも嬉しいですね。だってお芝居では娘役はまったくしどころがありませんでしたから。
で、やはり目を引くのがこのお二人。
天彩峰里さんは、どの場面でも指の先まで神経の行き届いたダンスで、彼女がセンター付近に来るだけで、舞台の「格」が上がるような安定感があります。
きよら羽龍さんはお芝居の『したたかキュート』な女優・ドリー役も魅力的でしたが、ショーでの彼女はまさに「水を得た魚」。ダンスのキレも抜群ですし、エトワールもお見事!
そのほか、下級生一人ひとりに至るまで、自分の役割を全うし、舞台を楽しんでいる姿が印象的な博多座公演。
配信でも元気をもらえましたが、パレートの汗だく具合を見るに、相当ハードな公演なのでしょう。
とにかく怪我なく、みんな元気に千秋楽を迎えられますよう心から祈ってます。