本日は宙組公演中止の延長と、理事長のコメントが発表されました。
歌劇団といたしましては生徒の体調も含めた安全を第一に考え、それらを確認したうえで今後の対応を考えていきたいと思っています。そのため専門家にも入っていただき、一人ひとりの心のケアなどにも時間をかけ生徒の心情に寄り添ってまいります。宝塚歌劇団理事長 木場健之
宙組『パガド/Sky Fantasy!』公演中止期間延長
さらに延長の可能性も
宙組 宝塚大劇場公演『PAGAD』『Sky Fantasy!』は、引き続き10月8日(日)までの公演を中止させていただきます。
理事長のコメントにもあったように『一人ひとり時間をかけて心のケアをする』となると、到底、公演の中止は一週間では収まらないでしょう。
しかし最優先すべきはなのは生徒さんの心と身体のケアなので、どれだけ時間を費やしてでも悲しい連鎖を生むことがないよう努めてほしいと思います。
公演再開にあたっては『パガド』の演出を一部変更する必要があるのではという声が上がっています。
以下、『パガド』の結末ネタバレしますので読み進めご留意ください。
公演再開時には演出変更?
『パガド』のラストは、
ロレンツァ(春乃)を巡ってジルベール(桜木)と一騎打ちになったカリオストロ(芹香)が、負けを悟った瞬間、自ら崖から飛び降りるというもの。
初日の感想は「これってシャーロックホームズとまったく同じパターンだね」でした↓
しかしこのラストは田渕先生オリジナルではなく映画版と同じなのだとか。
だからといって『セリ上がった舞台から飛び降りる』という演出を生徒にさせることも、それを観ることも、今となっては到底受け入れられるはずはなく…
「演出を変更してほしい」という人の意見も理解できます。
ただ、演出を変えるとなるとお稽古も大変ですし、むずかしい問題ですね。
あの日の柚香光に思うこと
柚香光の対応
訃報の報道があった翌日(10月1日)、宙組公演は中止になりましたが、宝塚舞踊会と花組東京公演は上演されました。
花組マチネ貸切公演。
前日に仲間の訃報を知り、気持ちの整理もつかないうちに、底抜けに明るいコメディ『鴛鴦歌合戦』をやらなければならない花組生たち。
組子を率いる柚香さんも この日の公演は複雑な思いがあったでしょう。
だけど務めて明るくカーテンコールを盛り上げる柚香さん。(以下ニュアンスです)
柚香「本日はご観劇ありがとうございます。皆さまがあたたかい拍手を送ってくださって、たくさん笑ってくださって、ときには歓声を上げてくださいまして…」
客席 笑いと拍手。
柚香「えへへ。『はいからさんが通る』に縁のある皆さまの貸切公演ということで、嬉しさのあまり、わたくし汗をかいてしまいました。おっと、ちょっと失礼しますね」
と言いながら貸切公演の記念品のタオルを出して 大げさに汗をふく柚香さんに客席から歓声と拍手。
柚香「ありがとうございます。(タオルを広げて)花組生も皆さまと同じタオル、大切に使わせていただきます。本日はご観劇ありがとうございました」
幕が降りる寸前までタオルを振りながら「お気をつけておかえりくださ~い」。
客席は大盛りあがり。
ご挨拶を定型文で済ませることもできたでしょう。
しかしそれをせずサービス精神たっぷりに対応したのは、
その場にいた人たちだけではなく、拡散されたレポを見た宝塚ファンに少しでも明るい気持ちになってほしいという思いもあったのかなと。
そしてソワレは、
あの日、花組はやりきったけれど…
開演前に総支配人のご挨拶があり、緊迫した雰囲気の中でスタートしました。
こんな極限状況の中でも笑顔で公演をやりきった柚香さんと花組生に頭が下がります。
しかし劇団には、生徒たちが笑顔で舞台に立っているからといって 大丈夫なわけではないということを 常に留めておいてほしい。
そのうえで今度こそ 一人ひとりのケアと 心情に寄り添う対応がなされることを節に願っています。
【追記】花組公演について10月3日~5日の中止が発表されました。