星組『ディミトリ/JAGUAR BEAT』
原作未読で観劇。
星組の熱い芝居に涙し
ゴチャゴチャなショーに涙が引っ込みました。
本日は『ディミトリ』についてのみ感想を書きたいと思います。
(ネタバレありですので読み進めご留意ください)
ちなみにショーの感想はこちら↓
星組『ディミトリ』感想
礼真琴・ヒーローではないけれど
開演前から高まる期待。
礼さんが登場すると大きな拍手が起こりました。
2階席から見ても分かるくらい衣装が豪華。
衣装に合わせてなのか、お化粧がいつもよりしっかり目で凛々しい印象です。
生田先生は礼さんをヒーロー役者だとおっしゃいましたが
ディミトリは自分の失敗で王を死なせて苦悩したり
命の恩人を裏切って自ら〇を選んだり…
完全無欠のヒーローというわけではありません。
しかもすべてはルスダンへの愛ゆえに起こした行動なのに
運命が味方しないところが切なくて
悲しい結末に胸が締め付けられました。
太田先生の美しいメロディーと
礼さんの美声の組み合わせ最高!
どの曲もドラマティックで素敵です。
舞空瞳・本当の主人公
原作はルスダンが主人公なので
少女時代、結婚、出産、女王としての苦悩までしっかり描かれ、やりがいのある役ですね。
舞空さんは公演を重ねるごとに
演技も歌も進化していて
すでにベテラントップの風格。
女王にふさわしい威厳が出ていました。
『モンテクリスト伯』でも思いましたが
深い母性愛はどこから出てくるのでしょうか。
ほんと、母親役うまいな~。
前半、舞空さんと礼さんのラブラブが
微笑ましかっただけに
夫婦でしっかり話し合っていれば
悲しい結末は避けられたのにと
悔やまれてなりません。
そう、ベットシーンが礼さんではなく
極美さんとだったことに驚きました。
暁千星・洗礼を浴びる
暁さん、ようこそ星組へ!
星組の洗礼を浴びて
ショーも歌いおどり大活躍。
お芝居も物語のキーパーソンとして
みごとに大役を果たしていました。
王(綺城)を慕うかわいいワンコ的な暁さんも
ディミトリに嫉妬するひねくれ暁さんも
夫婦がこじれるように仕向けるワル暁さんも
どれも魅力的。
原作ではほぼ登場しない人物を
よくここまで膨らませましたね
生田先生スゴイ。
客席も歓迎モード。
暁さんが歌うたびに客席のオペラが上がり、『星組の暁千星』を確かめているようで微笑ましかったです。
瀬央ゆりあ・器の大きさ
強大な国を治める帝王にふさわしい器の大きな男。
出番は少ないのですが
登場すればその場を支配するほどの存在感は、瀬央さんだから出せるのだと思いました。
義理を果たすため、牢獄からディミトリを救い出す時のカッコいこと。
剣さばきに惚れ惚れしました。
そして最大の見せ場
自ら〇を選び息絶えていくディミトリをあたたかく抱きしめる姿に
客席からすすり泣きが聞こえました。
礼さんも瀬央さんの腕の中で涙ポロポロ。
綺城ひか理・最高に良い役
登場人物の中で最高にカッコいい
ヒーローだったのが
綺城さん演じる王ギオルギ。
民のために自らを犠牲にするような崇高な王であり、一人の女性を一途に愛する男でもあり…
星組ラストにこんな良い役に巡り合えて良かったですね。
礼さんと歌えるのが嬉しいと言っていた3重唱(礼、綺城、有沙)は、スゴイ声量で圧倒されました。
有沙瞳・一点にくぎ付け
愛する王のために身を引く腹のくくり具合が、役なのか有沙さんご自身なのか、別次元の貫禄。
すこしビックリしたのは
胸の谷間をペンでクッキリ描き
はち切れんばかりの豊満ボディにしていたこと。
すみません
オペラで何度も谷間を見てしまいました。
極美慎・あっけない
ボロ服を着ていてもあふれ出る華やかオーラ。
奴隷ゆえ長い時間下を向いているのがもったいない。
顔をあげて美しいお顔を見せて~。
心に傷を負ったルスダンが
「慰めて」とフラ~ッとなるもの分かる気が…(いえいえ不倫はダメです)
極美さん大挑戦のベッドシーンは
『ベアタ・ベアトリクス』のプレイボーイっぷりが活かされ、とてもステキです。
しかしディミトリ(礼)に見つかり、その場で刺〇されてしまいます。
あまりの呆気なさに唖然!
原作でも深く描かれていないので仕方がありませんが、もう少し何かエピソードがあれば…
正直な感想をいうと
『ディミトリ』は役も少ないし
人物描写が足りないなと感じるところもありました。
しかし豪華な婚礼のシーンや
話題のジョージアンダンス
迫力の戦闘シーンなど
大人数が登場する場面は見応えがありますし、
礼さんや組子たちの熱い芝居が胸にささる感動作に仕上がっていて大満足。
ラストシーンの余韻がいつまでもつづく…ハズでした。
さて次回は
お芝居の記憶がぶっ飛ぶ
ゴチャゴチャでハチャメチャな
『JAGUAR BEAT』について記したいと思います。
長文、最後までお読みくださりありがとうございました。