花組東京公演『鴛鴦歌合戦』の新人公演が行われ配信を視聴しました。
なんと花組の新人公演が東西で上演できたのは、聖乃あすかさん(100期)が主演した2019年『A Fairy Tale-青い薔薇の精-』以来だそうです。
花組『鴛鴦歌合戦』新人公演感想
天城れいん・104期新公一番乗り
主演の礼三郎を演じたのは104期の天城れいんさん。
本公演では希波らいとさんの代役として三吉を演じて、新公のお稽古もやって大変だったと思います。
ですが落ち着いた芝居運びで、柚香さんの型をなぞりながらも天城さんなりの礼三郎に仕上がっていました。お春を思う気持ちがわかりやすいのが良かったです。
着流しを涼やかに着こなして二枚目が板についていました。
ご挨拶も立派でした。
「宝塚と東京での新人公演をぶじに迎えることができて安堵と感慨深い気持ちと、幸せと有り難みを感じております。今日という日をゴールにせず、学ばせていただいたことを糧とし、明日からも成長できるよう精進いたします。本日はありがとうございました」
劇団の105期推しがすごいなか、104期にチャンスが回り天城さんの実力が示されてよかったです。
ヒロイン朝葉ことの・2番手美空真瑠
ヒロインのお春を演じたのは朝葉ことのさん(103期)。
舞台技術の高さは言うまでもありません。大人っぽい役を当てられることが多い朝葉さんにとって挑戦の役でしたが、あえて星風さんと芝居のアプローチを変えてきたのは大正解!にじみ出る貫禄と包容力がラストに活かされたように思います。
2番手役の殿様は美空真瑠さん(105期)。
滑舌もよくコメディのセンスが抜群。歌もうまくて隙がない。
小柳先生が「この作品は永久輝の上手さに助けられています」と語ったように、新公では美空さんの上手さに助けられたのではないでしょうか。来年は主演が回ってくるといいですね。
その他キャスト
3番手役の鏡星珠さん(106期)は秀千代の無邪気さだけでなく事件を解決するキレ者という部分もしっかり出していて上手い!「イヤじゃイヤじゃ~」も可愛かったです。
娘役2番手でヒロインの恋のライバルを演じた愛蘭みこさん(104期)は、気の強さを全面に出しながらも品を保っていてステキなおとみちゃんでした。上等な着物もよく似合っていて可愛い。そろそろ本公演で大きな役が回ってくること願ってます。
星空美咲さん(105期)は退団する春妃うららさんの役に挑戦。説明の長台詞をみごとにこなし、劇場を美咲ワールドに染めていたのは流石でした。次回の『激情』ヒロインがますます楽しみになりました。
美羽愛さん(104期)は骨董屋の店員で明るくチャキチャキ。ヒロインオーラがあって目立っていました。やはり気になるのは美羽さんと星空さんがこれから。さてどうなるのか目が離せません。
長の期(103期)は希波さんは休演でしたが、ヒロインの父を演じた海叶あさひさん、骨董屋店主の涼葉まれさん、蓮京院(京三紗)の詩希すみれさんらが舞台をしっかり締めていました。
コメディに救われる
新人公演でコメディって良いですね。
前回の『うたかたの恋』では作品の難しさに加えてお稽古時間が取れず、本来の実力が出せない人が多かった印象でした。
しかし『鴛鴦歌合戦』では明るい作品の力を借りて、みんなが思い切り自分を表現して、客席の反応にまたノッてきて。
舞台に立つよろこびがヒシヒシと伝わってきました。
大劇場からまた大きく成長した姿を見て、やっぱり新人公演が2回あるのって良いなと思いました。
花組悲願の新人公演東西達成!!おめでとうございます。
新公メンバーのこれからの活躍を楽しみにしています。
そして今度こそ本公演も東西完走できるよう心から祈ってます。